雑感集のような本です。
著者は、現実世界でテツガクしてみるとどうなるんだろう?という思考の方なので、
こういった考え方に興味がある方には面白いのではないかと。
還元主義的思考は本当にビジネスにいかせるのか?とか。
ただし、これではだめで、ホリスティックに思考すべき、なんていう
安易な解答は出しません。
それこそ二項対立の図式にはまった思考停止に他ならない、
とする、著者の筆の進め方には共感できるものがあります。
ところどころにフムフムと発見がありますので、本の中の宝探しが好きな方にはオススメできます。
とくに、巻末の内田樹との書簡集(メールだけど)が、個人的には気に入りました。
ただ、あとがきでも書いているように、何か一貫した主張・結論があるわけでなありません。
むしろ、後半に進むにしたがって、話はどんどん収拾がつかなくなってしまい、
なにがいいたいの?と読み手としては非常に苦労させられます。
☆3つ
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
反戦略的ビジネスのすすめ 単行本 – 2004/11/1
平川 克美
(著)
当今、ビジネスの世界では、グローバリズム・スタンダードを意識した、短期的な将来に目的を設定する「戦略論」「ゴール思考」といった思考法が流行している。この思考法では、ビジネスは敵を出し抜き、勝ち負けを決める戦争であると考えられているが、しかし、本当にそうだろうか? 本書では、攻略しないという方法にこそ成長のヒントがあることを、「仕事とは何か」「会社とは何か」「人はなぜ働くのか」「なぜ人はお金を欲望するのか」「モチベーションはどこから来るのか」などの本質的な考察を通してビジネスというものを再定義することによって証明し、反戦略的なビジネスのあり方といったものを提案する。 また、畏友・内田樹(神戸女学院大学教授)とのビジネスをめぐる特別対談も収録。
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2004/11/1
- ISBN-104896918673
- ISBN-13978-4896918670
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
抜粋
すべての現場で逡巡する人たちへ わたしは、負け組の烙印を押されて意気消沈しているベンチャー経営者から、がんばっているのだけれども報われないと思っている現場のサラリーマン、エンジニアにいたる「現場で逡巡する人たち」に対して(中略)、継続のなかに「見えない資産」が蓄積されていることなどを理解できれば、自らの立ち位置に新たな価値を見出すことも可能である、だから、いまの場所にもう少し踏み止まっていただきたいのだという思いをお伝えしたかったのです。(本文より)
著者について
1950年東京生まれ。早稲田大学理工学部機械工学科卒。77年、外国語翻訳サービス、日米IT関連企業へのローカライズサービスを提供するアーバン・トランスレーションを設立、代表取締役就任。99年、アメリカ・サンノゼ市にビジネスサポート、インキュベーションを主業務とするBusiness Café, Inc. を設立。現在、同社CEO。2000年、ビジネスカフェジャパンを設立、現在、同社社長。また、起業家表彰制度であるEOY(アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー)の総合プロデューサーを2年間務める。01年、リナックスカフェを設立し、現在、同社社長。立教大学大学院ビジネスデザイン科アドバイザリーボードも務める。内田樹氏との共著『東京ファイティング・キッズ』(柏書房)がある。
登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2004/11/1)
- 発売日 : 2004/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 221ページ
- ISBN-10 : 4896918673
- ISBN-13 : 978-4896918670
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,233,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,227位その他の経営理論関連書籍
- - 4,001位マネジメント・人材管理
- - 68,338位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.8つ
5つのうち3.8つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
6グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2006年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書のテーマは単純である。「ビジネスとは何か」。すぐさまいろいろな言葉が思い浮かぶ。金を稼ぐ手段、自己実現、欲望の交換等々。しかし、そのどれもがビジネスのある一面を言い当てているに過ぎない。どうもことはそう単純ではなさそうである。
考察の範囲はビジネスの周辺に及ぶ。ビジネス戦略、会社、組織、働く理由、業績の評価。これらの要素をいくつもの企業を経営してきた著書の経験や経済理論、現代思想の手法を駆使してその本質を明らかにしていく。
そうして見えてくるビジネスの本質は単純であるが奥が深い。一周してきたその言葉は強く響いてくる。
考察の範囲はビジネスの周辺に及ぶ。ビジネス戦略、会社、組織、働く理由、業績の評価。これらの要素をいくつもの企業を経営してきた著書の経験や経済理論、現代思想の手法を駆使してその本質を明らかにしていく。
そうして見えてくるビジネスの本質は単純であるが奥が深い。一周してきたその言葉は強く響いてくる。
2013年1月6日に日本でレビュー済み
「ビジネス」とは一体何なのか? 著者がこの本で試みているのは、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)の改革、すなわち「ビジネス・プロセスを『収益』や『売上』の手段という地位から引き上げて、ビジネス・プロセスそれ自体に『価値』を見出」すことである。ビジネスそのものが立ち上がってくる起源的な場所である「欲望」「交換」「贈与」「共同幻想」にこだわりつつ議論が展開される。それが著者のねらうところであった。
したがって、ビジネスを「戦略」とい視点からとらえる考え方は最初から排除される。この事情は、著者の言葉によれば「ビジネスを勝つか負けるかといった闘争の原理で語ることがいかにつまらない信憑によっているのか、それがいかに不毛なことであるかということを解き明かしながら、それとはまったく異なる考え方・・・提示したいと思」うのであり、「ひとことでいってしまえば、お客さんと向き合って、喜んでもらえるという交換の基本を忘れないようにしようよ、ビジネスのすべての課題は、ビジネスの主体がお客さんと何をどのようにして交換したか、その結果、主体の側に何が残り、お客さんの側に何がのこったのかということのなかにあるはず」だということになる。
この延長で、アメリカ発のグローバリズム、市場原理主義、それを真に受けた日本の産業政策は、否定的にとらえられる。要素還元的思考の脱却、キーワードとしてのオーバーアチーブ、インビジブル・アセット、「一回半ひねりのコミュニケーション(個人の欲望は必ず「商品」を媒介として、迂回的に実現するほかはないというビジネスの構造を形容する言葉)など、ビジネスを考える問題提起はいたるところに露出している。
構成は以下のとおり。「序章:わたしがビジネスを戦争のアナロジーで語らない理由」、「第一章:ビジネスと言葉づかい〜戦略論を見直すために〜」、「第二章:ビジネスと面白がる精神〜会社とは何か〜」、「第三章:見えない資産としての組織〜組織とは何か〜」、「第四章:プロセスからの発想〜仕事におけるゴール、プロセスとは何か〜」、「第五章:モチベーションの構造〜人が働く本当の理由〜」、「第六章:一回半ひねりのコミュニケーション〜なぜ、なぜ働くのかと問うのか〜」、「第七章:それは何に対して支払われたのか〜評価とは何か〜」、「第八章:攻略しない方法〜新しいビジネスの哲学として〜」、「内田樹君とのビジネスをめぐるダイアローグ」。
したがって、ビジネスを「戦略」とい視点からとらえる考え方は最初から排除される。この事情は、著者の言葉によれば「ビジネスを勝つか負けるかといった闘争の原理で語ることがいかにつまらない信憑によっているのか、それがいかに不毛なことであるかということを解き明かしながら、それとはまったく異なる考え方・・・提示したいと思」うのであり、「ひとことでいってしまえば、お客さんと向き合って、喜んでもらえるという交換の基本を忘れないようにしようよ、ビジネスのすべての課題は、ビジネスの主体がお客さんと何をどのようにして交換したか、その結果、主体の側に何が残り、お客さんの側に何がのこったのかということのなかにあるはず」だということになる。
この延長で、アメリカ発のグローバリズム、市場原理主義、それを真に受けた日本の産業政策は、否定的にとらえられる。要素還元的思考の脱却、キーワードとしてのオーバーアチーブ、インビジブル・アセット、「一回半ひねりのコミュニケーション(個人の欲望は必ず「商品」を媒介として、迂回的に実現するほかはないというビジネスの構造を形容する言葉)など、ビジネスを考える問題提起はいたるところに露出している。
構成は以下のとおり。「序章:わたしがビジネスを戦争のアナロジーで語らない理由」、「第一章:ビジネスと言葉づかい〜戦略論を見直すために〜」、「第二章:ビジネスと面白がる精神〜会社とは何か〜」、「第三章:見えない資産としての組織〜組織とは何か〜」、「第四章:プロセスからの発想〜仕事におけるゴール、プロセスとは何か〜」、「第五章:モチベーションの構造〜人が働く本当の理由〜」、「第六章:一回半ひねりのコミュニケーション〜なぜ、なぜ働くのかと問うのか〜」、「第七章:それは何に対して支払われたのか〜評価とは何か〜」、「第八章:攻略しない方法〜新しいビジネスの哲学として〜」、「内田樹君とのビジネスをめぐるダイアローグ」。
2005年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ読了してないんですが、読んでいる感覚としては、まともな職業人
なら普通に感じることと、そう距離はないです。
某「活戸」と某TV屋さんの「ビジネス」についても、奥村先生の「法人
資本主義」の延長線上から出ていないと思うし、まあ漫画だからみんなも
面白がってたんだろうけど、日常の職場での「仕事」は、それほど割り切
りやすいもんじゃないよね。(某ラジオ屋さんの社員さんの発言も、あの
場で言葉にすべきことじゃないけど。)
その仕事や会社の割り切れなさが、この本の「難解さ」の原因でもある
し、「普通だね」感覚の根源でもある。 字面の説明はスッキリしないかも。
なにも世の中全部のことが、単純な図式や力関係、経済モデルで説明でき
なくてもいいんじゃね? とは中年を転げながら、ぱっとしない会社に
勤めている私なんかの感想だね。 成果主義や目標管理では見えない。
結婚生活と同じくらい割り切れない。 著者は「コミュニケーション」だ
と言うけど、それよりもっと皮膚感覚に近い。 これだからオジサンなん
だけど。 社畜なのかな、すでに若手とは距離があるね。
15年以上まえ、アメリカの経済史家なんかは「どうして日本は上手く
行ってるのに米国の真似するの? なんで?」と言ってたよ。
日々の感覚を度外視して、仕事上手く行くと思う?
なら普通に感じることと、そう距離はないです。
某「活戸」と某TV屋さんの「ビジネス」についても、奥村先生の「法人
資本主義」の延長線上から出ていないと思うし、まあ漫画だからみんなも
面白がってたんだろうけど、日常の職場での「仕事」は、それほど割り切
りやすいもんじゃないよね。(某ラジオ屋さんの社員さんの発言も、あの
場で言葉にすべきことじゃないけど。)
その仕事や会社の割り切れなさが、この本の「難解さ」の原因でもある
し、「普通だね」感覚の根源でもある。 字面の説明はスッキリしないかも。
なにも世の中全部のことが、単純な図式や力関係、経済モデルで説明でき
なくてもいいんじゃね? とは中年を転げながら、ぱっとしない会社に
勤めている私なんかの感想だね。 成果主義や目標管理では見えない。
結婚生活と同じくらい割り切れない。 著者は「コミュニケーション」だ
と言うけど、それよりもっと皮膚感覚に近い。 これだからオジサンなん
だけど。 社畜なのかな、すでに若手とは距離があるね。
15年以上まえ、アメリカの経済史家なんかは「どうして日本は上手く
行ってるのに米国の真似するの? なんで?」と言ってたよ。
日々の感覚を度外視して、仕事上手く行くと思う?
2006年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルの「反戦略的」とは要するに「反グローバリスト的なものの見方」のことです。「ビジネスにおいてモノや数字に執着することは、足フェチが全体のプロポーションを見ないようにしているのと同じ」と言い、ビジネスにおける「プロセス」や「インビジブルアセット(見えない資産)」の重要性を説いています。ただ、やや抽象度の高い話が多いです。で、おれは明日からどーすりゃいいの?という素朴な疑問には答えてくれないので、注意する必要があります。
2005年4月24日に日本でレビュー済み
ビジネスを、本質を見据えて、文学やアートのように、より価値の高いものとして捉えなおそう、ということを言っています。
ただ、「反戦略的ビジネス」というのが語義矛盾というか、空中楼閣のように思えるのは私の理解力不足なのでしょうか?
正直、一読しただけでは著者が提示しようとしているビジネス像の輪郭がうまくイメージできませんでした。(結構難解ですよ、この本)
とても大切なことを提示しているような気もするので、数年後に再読してみようと思います。
ただ、「反戦略的ビジネス」というのが語義矛盾というか、空中楼閣のように思えるのは私の理解力不足なのでしょうか?
正直、一読しただけでは著者が提示しようとしているビジネス像の輪郭がうまくイメージできませんでした。(結構難解ですよ、この本)
とても大切なことを提示しているような気もするので、数年後に再読してみようと思います。