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私は猫ストーカー 単行本 – 2005/4/1

3.6 5つ星のうち3.6 11個の評価

商品の説明

抜粋

はじめに 「猫のあとをつけてみたい」

 猫は昼間、なにげなく家から出てゆきますが、いったいあれはどこへ行っているのでしょう。路地裏の、そこだけ開けたコンクリの駐車場に腹這いになって寝ている猫や、家を壊して平たく整地されたまま放置され、草ぼうぼうになってしまった空き地になぜか集まってじーっとしている猫を見ると、この猫たち、外にいるからといって野良とは限らず、どこかの飼い猫かもしれないなあと思ってしまうのです。
 私が道ばたで会う猫は、たまたまそこにいただけであって、そこは永住の地ではなく、いつも移動の途中であるといえます。別の場所からここまで来て、また思い出したようにどこかへ立ち去ってしまうのです。外にいる猫をいくら撫でても撫で足りないのは、こんなふうに、猫には始まりと終わりが希薄な、独特の時間があるからのようにも思えてなりません。
 もしかして飼い猫は、外に出かけたとき飼い主には見せたことがないような、あられもない格好をしていたりするのかもしれません。私はそれを知りたくて、町にいる猫を探してあとをつけてみることにしました。そうです、私は猫ストーカーなのです。

 なぜ、このような“活動”を始めたのかというと、いまをさかのぼること三年ほど前、友人が子猫のもらい手を探しているというので、その気もないのに友人宅へ伺って猫を見せてもらったことがきっかけでした。
 そこで生後一ヶ月の子猫たちをながめているうちに、私の中の眠れる母性が目覚めてしまったのです。この日、友人宅のガレージでひょこひょこ歩きまわっている、綿ぼこりのように小さなあやうい生きもの、それでいて一人前に獣のしぐさをしている子猫たちを見てしまってからというもの、私は猫のことなら何時間でも話せるくらい、猫を追い求める感情があふれ出してしまいました。

 こうして、外を歩いてる猫のあとをつけてみたいという欲求が高まりをおさえきれずに、私の猫ストーカー生活は始まりました。
 猫を探し歩いていると、ときおり“猫おばさん”にも出会います。しかし、話しかけてみると、猫おばさんはかなりの確率で無口です。彼女たちは野良猫にごはんをあげまくることが日課なので、猫の苦手なご近所の方から、いぶかしがられることも多いようなのです。
 そこで、じつは私も猫好きだと話すと、おばさんの表情がほころび、猫の話を少しずつしてくれます。私もいつか猫おばさんになるのかなあ。少し前なら「猫の人」とくくられることを避けていたのに、この際、猫おばさんと呼ばれてもかまわないと思ってしまうくらい、私を引きつける猫の魅力って一体どこからくるのだろう。
 ずっと猫をながめていたいという気持ちが尽きることなく、メモ帳とカメラをたずさえて、町に出て猫のあれこれを追跡する自分がいることが不思議でなりません。

 三十路をすぎたひとり暮しの私が猫に夢中だなんて人に話すと、「なにかと引き換えに猫に愛情を注いでいるのでは?」という決まり文句が、十中八九かえってきます。
 数ある生き物の中でも、とりわけ「女と猫」という組み合わせがそのように捉えられてしまうのはなぜなのか、とても疑問に思うのですが、それもまた、犬のように門番も人命救助も麻薬捜査もできないのに、人の心の奥底までをも魅了する、猫の魔力のなせる技なのだと思います。

 私は普段、イラストレーターをしています。猫の学者でもないし、手練手管の猫の達人でもありません。というわけで、あたりまえですがここに書いたことが、すべて正しい猫の生態であるとは限りません。ストーカーをしていたつもりが、うっかり猫と交流してしまっているところもありますが、猫のあとを追って発見したたくさんの出来事を、都会の路地をめぐるかのごとく、わくわくして読んでもらえたらうれしいです。
 えっ、一体どこまで追いかけてったのかって? 大丈夫、猫はそんなに遠くまでゆきませんからね。

著者について

浅生ハルミン(あさお・はるみん)
一九六六年、三重県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。デザイン事務所勤務および現代美術家としての活動を経て、現在はイラストレーター。NHK│BS「こころがこどもになる」オープニングタイトルのアニメーションや、リビングデザインセンターOZONEで行われた「日本人とすまい・家事」展のイラストレーションを手掛けるなど、多方面で活躍中。また、エッセイストとして『relax』『STUDIO VOICE』『modern juice』で執筆。古本関係の専門誌に連載を持つなど、古書にも造詣が深い。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 洋泉社 (2005/4/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/4/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 125ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4896919114
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4896919110
  • カスタマーレビュー:
    3.6 5つ星のうち3.6 11個の評価

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浅生 ハルミン
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