地衣類の入門書として、『
街なかの地衣類ハンドブック
』とともに優れていると思われる一冊。専門用語を多用しない文章が読みやすく、確かな観察眼に基づいた精緻なイラストも豊富だからだ。イラストの半数以上はカラー。
著者は主に生物について教える先生(かつては中学・高校で、現在は大学で)であり、作家でもイラストレーターでもある。さまざまな生物に関する本を手がけてきたが、地衣類については詳しくなかったという。だが、2011年3月11日の原発事故以降、地衣類が放射性物質を体に貯め込む性質をもつことを知り、地衣類に興味をいだきはじめる。
その著者が、地衣類に詳しいヤマモト先生が開く地衣類の観察会に何度も参加したり、自分自身で地衣類について調べたりしながら知見を深め、やがて地衣類の観察会を主宰できるほどになる。また、沖縄や奄美大島や屋久島の地衣類を自らの足で調べ、ついには地衣類が一面に広がるというフィンランドのラップランドにまで出向く。
以上の過程を読むことで、こちらも地衣類について一から知ることができた。しかも、この本には著者をめぐる温かな人間関係や、著者が興味をもつキノコ(冬虫夏草をふくむ)や苔や虫や草木などの記述も織りまぜられているから楽しい。かと思えば、自然環境の破壊や里山の過疎化などについて、考えさせられる記述も出てくる。
この本を読むことで、地衣類のことをさらに興味深く、さらに美しく思えるようになった。また、街中にも自然下にも生息する地衣類を、より意識的に観察したいという気持ちになった。この本によると、地衣類は南極にも生息し、当地で六十種類も採取されたという。陸地さえあれば、場所も季節も問わずに観察できる地衣類。地衣類に注目すれば、自分の見る世界が広がりそうだ。
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となりの地衣類−−地味で身近なふしぎの菌類ウォッチング 単行本(ソフトカバー) – 2017/11/25
盛口 満
(著, イラスト)
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購入オプションとあわせ買い
2011年3月11日の原発事故を前に、生き物屋としての自分にできることは何かと考え始めたゲッチョ先生。地衣類が放射性物質を体に貯め込む性質があると知り、追いかけるうちにその面白さにハマる。地衣を求めて南へ北へ、そしてついには地衣を食べて生きるトナカイが生息するフィンランドへと...
地衣ってなに?
街路樹の幹や古いコンクリート塀、石垣などに着生し、遠目には模様のように見える。コケのようだがコケではなく、光合成する藻類を体内に取り込み共生している不思議な菌類。季節を問わず身近で、視界に入っても見過ごされ、となりにいても気づかない存在だが、実は食料や、大気汚染の指標となっており、地衣を通して様々なものが見えてくる。
さあ、ゲッチョ先生と一緒に、目からウロコのゆるゆる地味な地衣散歩に出かけよう!
地衣ってなに?
街路樹の幹や古いコンクリート塀、石垣などに着生し、遠目には模様のように見える。コケのようだがコケではなく、光合成する藻類を体内に取り込み共生している不思議な菌類。季節を問わず身近で、視界に入っても見過ごされ、となりにいても気づかない存在だが、実は食料や、大気汚染の指標となっており、地衣を通して様々なものが見えてくる。
さあ、ゲッチョ先生と一緒に、目からウロコのゆるゆる地味な地衣散歩に出かけよう!
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社八坂書房
- 発売日2017/11/25
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104896942426
- ISBN-13978-4896942422
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対象商品: となりの地衣類−−地味で身近なふしぎの菌類ウォッチング
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商品の説明
出版社からのコメント
本人のイラスト(カラーもたっぷり入れました! )とともに綴る、お馴染みゲッチョ先生の愉しい生き物観察エッセイ。今回はとっても地味〜な地衣類を追いかけます。となりにいても気づかない地衣を通して見えてくるものとは?
著者について
盛口 満 (もりぐち みつる)
1962年千葉県生まれ。千葉大学理学部生物学科卒業。自由の森学園中・高等学校(埼玉県飯能市)の理科教員を経て、現在、沖縄大学人文学部こども文化学科教授。
専門は植物生態学。
主な著書:
『僕らが死体を拾うわけ』 『ドングリの謎』 (どうぶつ社 →ちくま文庫)
『冬虫夏草の謎』 (どうぶつ社 →丸善)
『コケの謎』(どうぶつ社)
『ゲッチョ先生の卵探検記』 (山と渓谷社)
『骨の学校』『ゲッチョ先生の野菜探検記』 (木魂社)
『テントウムシの島めぐり』(地人書館)
『身近な自然の観察図鑑』 (ちくま新書)
『自然を楽しむ』『生き物の描き方』『昆虫の描き方』『植物の描き方』(東京大学出版会)
『おしゃべりな貝』 『シダの扉』『雨の日は森へ』(八坂書房)ほか多数。
1962年千葉県生まれ。千葉大学理学部生物学科卒業。自由の森学園中・高等学校(埼玉県飯能市)の理科教員を経て、現在、沖縄大学人文学部こども文化学科教授。
専門は植物生態学。
主な著書:
『僕らが死体を拾うわけ』 『ドングリの謎』 (どうぶつ社 →ちくま文庫)
『冬虫夏草の謎』 (どうぶつ社 →丸善)
『コケの謎』(どうぶつ社)
『ゲッチョ先生の卵探検記』 (山と渓谷社)
『骨の学校』『ゲッチョ先生の野菜探検記』 (木魂社)
『テントウムシの島めぐり』(地人書館)
『身近な自然の観察図鑑』 (ちくま新書)
『自然を楽しむ』『生き物の描き方』『昆虫の描き方』『植物の描き方』(東京大学出版会)
『おしゃべりな貝』 『シダの扉』『雨の日は森へ』(八坂書房)ほか多数。
登録情報
- 出版社 : 八坂書房 (2017/11/25)
- 発売日 : 2017/11/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 248ページ
- ISBN-10 : 4896942426
- ISBN-13 : 978-4896942422
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 423,255位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 322位自然観察
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月28日に日本でレビュー済み
先日誘われて、知識がないまま初めて観察会というものに参加してみました。季節を問わずどこでも見つかる地衣類は初心者にぴったりで、夢中になって探しとても楽しかったのですが、その後に読んだこの本は、まるで自分も著者とともにヤマモト先生の観察会に参加しているかのような臨場感を味わえ、追体験することができました。
初心者目線でのおおまかな分類もよく分かるし、家の周りから南極の地衣まで描いたカラーイラストも素敵!ますます興味が湧き、地衣類が好きになりました。
初心者目線でのおおまかな分類もよく分かるし、家の周りから南極の地衣まで描いたカラーイラストも素敵!ますます興味が湧き、地衣類が好きになりました。