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博士号とる?とらない?徹底大検証!―あなたが選ぶバイオ研究人生 単行本 – 2000/10/1
白楽 ロックビル
(著)
- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社羊土社
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104897066492
- ISBN-13978-4897066493
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
大学院は出たもののその先の研究への道・就職先が見つからない。そんなバイオ系大学院生や若手研究者が多い。いかにして障害をクリアし、研究サバイバルを生き残るか。博士号を徹底的に検証しその知恵を提供。
登録情報
- 出版社 : 羊土社 (2000/10/1)
- 発売日 : 2000/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 301ページ
- ISBN-10 : 4897066492
- ISBN-13 : 978-4897066493
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,162,782位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 541位生命科学
- - 16,505位生物・バイオテクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年3月28日に日本でレビュー済み
この本は、20数年前の修士課程学生時代に真摯に読ませていただきました。この本では博士号を取るべきかとらざるべきか結論は書かれていなかったと思いますが、悩みに悩んだ挙句、この本と先輩たちの進路や就職状況を参考に私は博士号は取らず、修士号までで大学を卒業し、無事就職できました。とはいえ、昨今は人手不足が顕著なので博士号が足かせとなって就職できないというケースは少なくなってきたのではないかと思います。
2008年1月13日に日本でレビュー済み
随分前にこの本を読んだが、最近「博士漂流」が問題になっているので、
改めて本書について援護射撃をしてみることにする。
本書は雑誌「実験医学」に連載されたものの書籍化である。
第一部は大学院博士課程に進学すべきか?
第二部は博士号取得への道
第三部は博士号取得後の夢と現実
となっている。データなど図表、アンケート集計結果など
客観的データも多く、非常に読み応えのある内容となっている。
本書は博士漂流や高学歴ワ−キングプアが顕在化する前に書かれた本だが、
そもそもこのような題名の本が出版されること自体(特に理系の
生命科学系)、
大学院システムへのアンチテーゼではなかろうか?
本書でも述べられているが、「博士号は足の裏の米粒」とは的を得ている。
つまり、取らなくてもどうということはないが、取らないと気持ち悪い。
或いは取っても食えない。その程度のものである。
端的に言って、私も「博士号」という紙きれは必要ないと思う。
世の中には、何でもかんでも取りたがり屋がいて、それで
自分は博士だから高級な人間だと勘違いする人も確かにいるが、
研究者の本質は「博士号」にあるのではないと思う。
(むしろインパクトファクターとかのほうが大事)
青色発光ダイオードの中村修二さんも学士(修士だったか?)だし、
ノーベル化学賞の田中耕一さんも学士だ。
これは、教育機関に学費を払い、給料も出ない研究室で、学費だけでなく
生活費や家賃のことまで気にしながら、教授や指導教官のために身を粉にして働き、
教授に気を遣って、研究室のために日夜タダ働きをやってのけた学生に対する
「ご褒美」として頂ける単なる「紙きれ」「卒業証書」でしかないことは、
博士号を持っている諸氏は十分に気が付いているはずだろう。
「末は博士か大臣か」(裏表紙にはさらに「末は博士か、博士は末か」とダメ押しされている)
という言葉が流行ったが、大臣の高給やその数に比べ(人間性はともかく)、
博士が薄給であり、無駄に人数が多いことも述べておかねばならない。
もちろんこういった状況が良いとは決して思わない。
難しさという点においても、大学院は少々特殊なのである。
例えば東京大学に入るよりも、東京大学の大学院に入る方が格段に簡単だ。
大学で東大に入れなかったから、リベンジで修士や博士で東大の
大学院に入ってくる人も多い。最終学歴の塗り替えである。
私立の医学部を出て、開業する前に国立の大学院で博士を取って、
地域の患者への信頼感を勝ち取ろうとする馬鹿医者(特に開業医)も多いが、
博士号などは優秀な臨床医であることを担保するものではない。
そもそも博士を取ったら、医学研究に勤しむべきで、本当は
開業なんてするべきではないのである。
しかし狙いが学歴の塗り替えであるので、博士を取ったらたいして臨床もできないくせに
さっさと金儲けのために開業してしまう人が多い。情けないことである。
今テレビに出ている、ジャガー横田の旦那も、テレビでは「東大」と
もてはやされているが、これも誤りを指摘しなくてはならない。
彼は大学院が東大なだけであって、出身大学は私立・杏林大学医学部である。
金を積んで行く私立大学である。ただの学歴塗り替え組みの一人である。
医学系の大学院は受験すればほぼ100%誰でも通る。
なぜならば、研究室は「タダで手に入る労働力」が欲しいからである。
その辺の事情を見失って、「東大の博士」ともてはやしてはいけない。
これはテレビにも大いに責任がある。
マスコミは真に価値あるもののみを賞賛すべきなのに…である。
ジャガー横田の旦那の場合、売名行為と言われても仕方がない。
そして昨今の大学院重点化における大学院大学の設置も
この博士インフレに拍車をかけている。
博士を取っても、研究者としてのポストが少ないために、
相当優秀でなければ日本の場合は企業の博士研究職への就職も難しく、
下手をすると高学歴ワーキングプアや博士漂流になるのが落ちなのである。
だから、現在の博士を取り巻く状況では、
腕に自信のある人以外は安易に大学院に進学するべきではない。
(目安として、自身の出身大学が旧帝大或いは東京工大など
大学院大学として認定されているぐらい偏差値の高い大学であれば、
博士になっても就職・求人はなんとかあるはずである。
企業によっては1000倍と言われる求人倍率をくぐり抜けるのは
こういった人たちである)
大学や研究室にとっては「タダの労働力」が手に入るため、
この博士倍増計画は大いに有意義なシステムであろう。
しかし、在籍する大学院生の満足度は決して高くはない。
学歴を塗り替えに来ている人はそれでも満足するのだろうが…。
行政は、研究者養成のシステムをもう少し考え直した方が良いかも知れない。
私が提言するのは
・大学院の敷居をもっと高くすること(博士号を真に価値あるものにする。
それがひいては研究の質を高めることになる)
・研究を支える研究補佐員のような職業を創設する
(今まで院生に頼っていた雑用をする有給の職業を用意する)
・芸能人や野球選手ばかりではなく、研究者にもっとスポットライトをあてる
(小さい子供があこがれるような研究者像を作り出す)
これは榊原英資氏が著書「日本は没落する」で述べていたことだが、
芸能人や野球選手ばかりがスポットライトをあてるような社会では、
国を支えるために本当に必要な人材が育たないと訴えている。
至極当然な主張であると思う。
今話題の万能細胞研究者、京都大・再生医科学研究所の山中教授も
「ポルシェに乗る研究者が出ても良い」と新聞記事で発言されていたが、
やはり国に貢献したのならそれだけの報酬は出すべきだと思う。
それが将来の人材確保への大きな担保となるのである。
博士の数を増やすことより、博士の質を良くする事を文科省は
もっと考えるべきだろう。
「かっこいい、憧れる研究者像」の構築が科学技術立国・日本
を救うひとつの道であると多くの研究者が思っているはずだ。
改めて本書について援護射撃をしてみることにする。
本書は雑誌「実験医学」に連載されたものの書籍化である。
第一部は大学院博士課程に進学すべきか?
第二部は博士号取得への道
第三部は博士号取得後の夢と現実
となっている。データなど図表、アンケート集計結果など
客観的データも多く、非常に読み応えのある内容となっている。
本書は博士漂流や高学歴ワ−キングプアが顕在化する前に書かれた本だが、
そもそもこのような題名の本が出版されること自体(特に理系の
生命科学系)、
大学院システムへのアンチテーゼではなかろうか?
本書でも述べられているが、「博士号は足の裏の米粒」とは的を得ている。
つまり、取らなくてもどうということはないが、取らないと気持ち悪い。
或いは取っても食えない。その程度のものである。
端的に言って、私も「博士号」という紙きれは必要ないと思う。
世の中には、何でもかんでも取りたがり屋がいて、それで
自分は博士だから高級な人間だと勘違いする人も確かにいるが、
研究者の本質は「博士号」にあるのではないと思う。
(むしろインパクトファクターとかのほうが大事)
青色発光ダイオードの中村修二さんも学士(修士だったか?)だし、
ノーベル化学賞の田中耕一さんも学士だ。
これは、教育機関に学費を払い、給料も出ない研究室で、学費だけでなく
生活費や家賃のことまで気にしながら、教授や指導教官のために身を粉にして働き、
教授に気を遣って、研究室のために日夜タダ働きをやってのけた学生に対する
「ご褒美」として頂ける単なる「紙きれ」「卒業証書」でしかないことは、
博士号を持っている諸氏は十分に気が付いているはずだろう。
「末は博士か大臣か」(裏表紙にはさらに「末は博士か、博士は末か」とダメ押しされている)
という言葉が流行ったが、大臣の高給やその数に比べ(人間性はともかく)、
博士が薄給であり、無駄に人数が多いことも述べておかねばならない。
もちろんこういった状況が良いとは決して思わない。
難しさという点においても、大学院は少々特殊なのである。
例えば東京大学に入るよりも、東京大学の大学院に入る方が格段に簡単だ。
大学で東大に入れなかったから、リベンジで修士や博士で東大の
大学院に入ってくる人も多い。最終学歴の塗り替えである。
私立の医学部を出て、開業する前に国立の大学院で博士を取って、
地域の患者への信頼感を勝ち取ろうとする馬鹿医者(特に開業医)も多いが、
博士号などは優秀な臨床医であることを担保するものではない。
そもそも博士を取ったら、医学研究に勤しむべきで、本当は
開業なんてするべきではないのである。
しかし狙いが学歴の塗り替えであるので、博士を取ったらたいして臨床もできないくせに
さっさと金儲けのために開業してしまう人が多い。情けないことである。
今テレビに出ている、ジャガー横田の旦那も、テレビでは「東大」と
もてはやされているが、これも誤りを指摘しなくてはならない。
彼は大学院が東大なだけであって、出身大学は私立・杏林大学医学部である。
金を積んで行く私立大学である。ただの学歴塗り替え組みの一人である。
医学系の大学院は受験すればほぼ100%誰でも通る。
なぜならば、研究室は「タダで手に入る労働力」が欲しいからである。
その辺の事情を見失って、「東大の博士」ともてはやしてはいけない。
これはテレビにも大いに責任がある。
マスコミは真に価値あるもののみを賞賛すべきなのに…である。
ジャガー横田の旦那の場合、売名行為と言われても仕方がない。
そして昨今の大学院重点化における大学院大学の設置も
この博士インフレに拍車をかけている。
博士を取っても、研究者としてのポストが少ないために、
相当優秀でなければ日本の場合は企業の博士研究職への就職も難しく、
下手をすると高学歴ワーキングプアや博士漂流になるのが落ちなのである。
だから、現在の博士を取り巻く状況では、
腕に自信のある人以外は安易に大学院に進学するべきではない。
(目安として、自身の出身大学が旧帝大或いは東京工大など
大学院大学として認定されているぐらい偏差値の高い大学であれば、
博士になっても就職・求人はなんとかあるはずである。
企業によっては1000倍と言われる求人倍率をくぐり抜けるのは
こういった人たちである)
大学や研究室にとっては「タダの労働力」が手に入るため、
この博士倍増計画は大いに有意義なシステムであろう。
しかし、在籍する大学院生の満足度は決して高くはない。
学歴を塗り替えに来ている人はそれでも満足するのだろうが…。
行政は、研究者養成のシステムをもう少し考え直した方が良いかも知れない。
私が提言するのは
・大学院の敷居をもっと高くすること(博士号を真に価値あるものにする。
それがひいては研究の質を高めることになる)
・研究を支える研究補佐員のような職業を創設する
(今まで院生に頼っていた雑用をする有給の職業を用意する)
・芸能人や野球選手ばかりではなく、研究者にもっとスポットライトをあてる
(小さい子供があこがれるような研究者像を作り出す)
これは榊原英資氏が著書「日本は没落する」で述べていたことだが、
芸能人や野球選手ばかりがスポットライトをあてるような社会では、
国を支えるために本当に必要な人材が育たないと訴えている。
至極当然な主張であると思う。
今話題の万能細胞研究者、京都大・再生医科学研究所の山中教授も
「ポルシェに乗る研究者が出ても良い」と新聞記事で発言されていたが、
やはり国に貢献したのならそれだけの報酬は出すべきだと思う。
それが将来の人材確保への大きな担保となるのである。
博士の数を増やすことより、博士の質を良くする事を文科省は
もっと考えるべきだろう。
「かっこいい、憧れる研究者像」の構築が科学技術立国・日本
を救うひとつの道であると多くの研究者が思っているはずだ。
2006年10月3日に日本でレビュー済み
大学教員、しかも教授職を狙うなら、博士号は持っていたほうが絶対に有利ではある。しかし、大学の社会における価値が変容して、更に就学人口の減少を考えると、大学経営者としては「学生を呼べない博士教員」よりも「学生を呼べる学士教員」の方が有用である‥という可能性もある。
しかし、一流といわれる大学でも、まともな学術論文を直近5年も書いていない40〜50代の教授はゴロゴロしている昨今(昔からいたけど)、業績よりも「やっぱり博士ぐらい持ってなくっちゃ」という心理もアカデミズムにはあるのだろう。
最近とくに目立つのが、副業で学者をやりたがる人の存在だ。会社勤めをする社会人でありながら、夜間に大学院に通い修士を取り、その勢いで機会があれば学会デビューを目論む人々が密かに増えている。天文学の世界では、アマチュア天文学者が活躍しているらしい。実験系を組み立てる必要のない、社会や自然を観察することによって成立する分野は、こういうアマチュア学者でも十分にやっていけるのかも知れない。しかし、新星をひとつ発見したからと言って天文学の教授にはなれない事も知っておく必要はある。学問をやるのに「博士」は必須ではない、しかし教授になるにはほぼ必須。
などなど、色々なことをダラダラと考えながら読むとよい。
立ち読みで済む内容の密度と量ではない。
再読するかどうかは、「博士」への執着度次第。
書棚の華にはならない。
類書は多い。しかし、著者独特の語り口と情報提示があるので、その意味では他書での代替はない。しかし、本書だけではなく、類書を多く読んで色々な事を考えて欲しい。
しかし、一流といわれる大学でも、まともな学術論文を直近5年も書いていない40〜50代の教授はゴロゴロしている昨今(昔からいたけど)、業績よりも「やっぱり博士ぐらい持ってなくっちゃ」という心理もアカデミズムにはあるのだろう。
最近とくに目立つのが、副業で学者をやりたがる人の存在だ。会社勤めをする社会人でありながら、夜間に大学院に通い修士を取り、その勢いで機会があれば学会デビューを目論む人々が密かに増えている。天文学の世界では、アマチュア天文学者が活躍しているらしい。実験系を組み立てる必要のない、社会や自然を観察することによって成立する分野は、こういうアマチュア学者でも十分にやっていけるのかも知れない。しかし、新星をひとつ発見したからと言って天文学の教授にはなれない事も知っておく必要はある。学問をやるのに「博士」は必須ではない、しかし教授になるにはほぼ必須。
などなど、色々なことをダラダラと考えながら読むとよい。
立ち読みで済む内容の密度と量ではない。
再読するかどうかは、「博士」への執着度次第。
書棚の華にはならない。
類書は多い。しかし、著者独特の語り口と情報提示があるので、その意味では他書での代替はない。しかし、本書だけではなく、類書を多く読んで色々な事を考えて欲しい。
2005年12月25日に日本でレビュー済み
私がこの本を読んだのは確か大学1年の頃だったろうか。
図書館でレポートの為の参考書を探していたときにたまたま手にとったのがこの本だった。
「博士号は足の裏についた米粒みたいなものだ。取らないと気になるが、取っても食えるわけではない」
日本の理系分野の場合(外国でもそうだが)アカデミックな職に就きたいのであれば博士号の取得は欠かせない条件である。
しかしながら民間に就職する場合、博士卒は修士卒と同程度にしか扱われない事がほとんどで、それどころか年齢の分不利な扱いをされることすらある。
博士卒という専門知識を身に付けた存在でありながら、その技能を正等に評価される場がほとんど無いのである。
日本の博士卒がいかに冷遇されているかを具体的な数字を元に検証するこの本は、ポスドク1万人計画を煽った文科省への異議申し立てであり、将来を考える学生への忠告の書でもある。
なんとなく研究者になることを考えていた大学入りたての私にとって、この本はかなり衝撃で、その後自分の進路についてずいぶん悩んだ記憶がある。
私の場合結局院へ進学することを決めたのだが、バイオ系の大学生にとって進路を考える上で一度は読んでみる価値のある本だと思う。
図書館でレポートの為の参考書を探していたときにたまたま手にとったのがこの本だった。
「博士号は足の裏についた米粒みたいなものだ。取らないと気になるが、取っても食えるわけではない」
日本の理系分野の場合(外国でもそうだが)アカデミックな職に就きたいのであれば博士号の取得は欠かせない条件である。
しかしながら民間に就職する場合、博士卒は修士卒と同程度にしか扱われない事がほとんどで、それどころか年齢の分不利な扱いをされることすらある。
博士卒という専門知識を身に付けた存在でありながら、その技能を正等に評価される場がほとんど無いのである。
日本の博士卒がいかに冷遇されているかを具体的な数字を元に検証するこの本は、ポスドク1万人計画を煽った文科省への異議申し立てであり、将来を考える学生への忠告の書でもある。
なんとなく研究者になることを考えていた大学入りたての私にとって、この本はかなり衝撃で、その後自分の進路についてずいぶん悩んだ記憶がある。
私の場合結局院へ進学することを決めたのだが、バイオ系の大学生にとって進路を考える上で一度は読んでみる価値のある本だと思う。
2003年11月13日に日本でレビュー済み
大学2年の頃、大学に入る前から目指していた理系大学院進学という進路に疑問が生じ始めていた頃に出会った本である。
あまり大学院についてよく知らないうちから「オレは大学院に行くんだっ」と意気込んでいた自分にとっては、大学院とはどういうところか、大学院に進学するには何をすればいいのか、日々の生活はどんな感じか、どのような問題点があるのかなどなど、親しみやすくて時には笑ってしまう書き方で、とても分かりやすく説明されていて、読んでいてそれほど苦痛にも感ず、数日で読み終えてしまった。
その結果、自分が出した結論が著者の意図と合っているのかどうかは定かではないが、私はそれまで目指していた進路とは全然異なるものを目指すことになった。
喜びはあれど後悔は無い。
あまり大学院についてよく知らないうちから「オレは大学院に行くんだっ」と意気込んでいた自分にとっては、大学院とはどういうところか、大学院に進学するには何をすればいいのか、日々の生活はどんな感じか、どのような問題点があるのかなどなど、親しみやすくて時には笑ってしまう書き方で、とても分かりやすく説明されていて、読んでいてそれほど苦痛にも感ず、数日で読み終えてしまった。
その結果、自分が出した結論が著者の意図と合っているのかどうかは定かではないが、私はそれまで目指していた進路とは全然異なるものを目指すことになった。
喜びはあれど後悔は無い。
2007年7月20日に日本でレビュー済み
現在私は大学四回生で、大学院進学の予定だ。
専攻も、研究室も変えるつもりでいる。
この点に関しては白楽先生とは考え方が相違した。
確かに、内部進学で研究室も変えない方が、本書の指摘どおり、就職など
には有利かもしれない。しかし、本当にそれでよいのだろうか。
私は、研究室を変えるのだってメリットがたくさんあると思う。新しい
研究だってできるし、新しい出会いもある。苦労も多いだろうが、その分
成長できる。
そんなに甘くない!! と叱られるかもしれないが、そんなんだったら研究者に
なる意味があるのかと僕は逆には問いたい。自分のやりたいことに挑戦してくのが
科学者なのではなかったのか。
日本の理系大学院の現状をつかむのには最適な本だと思う。しかし、科学者に対する憧れは確実に薄れることになる。日本のシステムの酷さはこの本を読めば十分に伝わってくる。これを読んで、それでも研究者になりたいと思う人は少ないのではなかろうか。
半端な気持ちじゃ、研究者にゃーなれないよ。それが白楽先生のメッセージだと受け取った。
専攻も、研究室も変えるつもりでいる。
この点に関しては白楽先生とは考え方が相違した。
確かに、内部進学で研究室も変えない方が、本書の指摘どおり、就職など
には有利かもしれない。しかし、本当にそれでよいのだろうか。
私は、研究室を変えるのだってメリットがたくさんあると思う。新しい
研究だってできるし、新しい出会いもある。苦労も多いだろうが、その分
成長できる。
そんなに甘くない!! と叱られるかもしれないが、そんなんだったら研究者に
なる意味があるのかと僕は逆には問いたい。自分のやりたいことに挑戦してくのが
科学者なのではなかったのか。
日本の理系大学院の現状をつかむのには最適な本だと思う。しかし、科学者に対する憧れは確実に薄れることになる。日本のシステムの酷さはこの本を読めば十分に伝わってくる。これを読んで、それでも研究者になりたいと思う人は少ないのではなかろうか。
半端な気持ちじゃ、研究者にゃーなれないよ。それが白楽先生のメッセージだと受け取った。
2003年5月16日に日本でレビュー済み
大学に入ってからすぐに出会った本。将来を考える上で具体的な指針が示されていてとても役に立つ。大学生に送る言葉は理想論で抽象的なことが多いが、これは違う。現実をデータとともにしっかりしめしてくれる。題名から分かるとおり研究者を目指す上でどうすべきかが書かれているが、研究者を目指すのではなくても大学生なら読んでおいて損はない。
2002年7月1日に日本でレビュー済み
「こんな本を待っていた!」と思わずにはいられない一冊。自身もバイオ研究者である著者が、博士号という視点から日本のバイオ研究界をバッサバッサと斬りまくる。「そこまで書いていいんかい?」と突っ込みたくなるほどこの世界の内幕を赤裸々に暴き出しており、理系研究者・学生が知りたくてもこれまで手に入れることのできなかった情報をふんだんに提供してくれる。しかし、白楽さんみたいな研究者がもっと増えてくれれば、日本の科学界も良くなっていきそうなものなのにと思ってしまうのは私だけだろうか…。