しみじみとした曲「北帰行」の作者、宇田博さんが旅順高校時代のクラスメイトたちと一緒に、50年後の今、再び旅順を訪ねた話です。
「今」といっても出版が1992年なのではやくも30年前の話なのでまだ中国が経済大国になるずっと前です。
宇田さんは日露戦争の後、満州から旅順へ移ってきたそうで、当時、大日本帝国の領地であった大連、旅順の様子がよくわかります。二百三高地の話も出てきますが、宇田さんは大連、旅順という舞台で青少年時代を送ったことを、再びクラスメイトと訪ねることで、その記憶をフラッシュバックさせたかったように思えます。
ほとんど実名で登場するクラスメイトもラジオ東京取締役だった宇田さんに引けを取らない建設会社の社長とか錚々たる顔ぶれですが、関節炎だのとリアルに書いていて面白いです。
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