長距離を仲間とドライブすれば、本当は疲れる。
だからもう実際には運転したくない。けど、そんな車の中の空気はちょっと味わいたい。
地理感覚や、使われる音楽や漫画にもなじみがあって、親しみを持てた。
さらりと読めて、でも長嶋有を読んだなと感じられる中編。
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愛のようだ 単行本(ソフトカバー) – 2015/11/20
長嶋 有
(著)
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購入オプションとあわせ買い
音楽が流れる瞬間、愛に気づいた――。
------
大切なものを失う悲しみを、まっすぐに描いた感動作。
著者初の書き下ろし。最初で最後の「泣ける」恋愛小説。
--
40歳にして免許を取得した戸倉は、友人須崎、その恋人琴美の3人で、
伊勢神宮へドライブに出かけた。本当の願掛けにいくのだ。
車中で交わすとりとめのないおしゃべり、流れる景色、
ひととき同じ目的地があるということ...
--
80~90年代のマンガやポップスがいろどる物語。
漫画評論家・ブルボン小林としての活躍も目覚ましい著者の真骨頂!
◎物語をいろどるマンガやポップス、アイテムの数々
キン肉マン/ くるまにポピー/ トラック野郎/ しるこサンド/ 北斗の拳/ 奥田民生「さすらい」
あの頃ペニー・レインと/ グーニーズ/ 聖飢魔II 他
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社リトル・モア
- 発売日2015/11/20
- ISBN-104898154247
- ISBN-13978-4898154243
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商品の説明
著者について
長嶋有 (ながしま・ゆう)
1972年生まれ。2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。
翌年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞受賞。
07年、『夕子ちゃんの近道』(新潮社)で第1回大江健三郎賞受賞。
著書に、『ジャージの二人』(集英社文庫)、『祝福』(河出文庫)、『フキンシンちゃん』(マッグガーデン)、
『問いのない答え』(文藝春秋)、句集『春のお辞儀』(ふらんす堂)など多数。
またブルボン小林として、漫画評論家、コラムニストとしても活躍。
『マンガホニャララ』(文藝春秋)、『増補版 ぐっとくる題名』(中公文庫)など。
1972年生まれ。2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。
翌年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞受賞。
07年、『夕子ちゃんの近道』(新潮社)で第1回大江健三郎賞受賞。
著書に、『ジャージの二人』(集英社文庫)、『祝福』(河出文庫)、『フキンシンちゃん』(マッグガーデン)、
『問いのない答え』(文藝春秋)、句集『春のお辞儀』(ふらんす堂)など多数。
またブルボン小林として、漫画評論家、コラムニストとしても活躍。
『マンガホニャララ』(文藝春秋)、『増補版 ぐっとくる題名』(中公文庫)など。
登録情報
- 出版社 : リトル・モア (2015/11/20)
- 発売日 : 2015/11/20
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 184ページ
- ISBN-10 : 4898154247
- ISBN-13 : 978-4898154243
- Amazon 売れ筋ランキング: - 953,576位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,661位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1972年生まれ。2001年に「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年に「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞、07年に『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 エロマンガ島の三人 (ISBN-13: 978-4167693046 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長嶋有が好きだ。輪投げを投げて、さんざん投げて、最後の一投で綺麗にすっぽり入ったとしても、「さて、次はなにしようか」といった小説を書くような人だと思う。
僕の長島有は「サイドカーに犬」から始まり、「初恋」で終わっていた。
久しぶりにアマゾンで検索すると、いくつか読んでいない本があった。レビューを見て、題名を見て、「愛のようだ」を買った。
車と音楽の話が、同乗者を変えていくつか登場する書き下ろし。
長島(特)有の少しオタクっぽい感じが好きな人は面白く読めると思うし、日産ラシーンやホンダフリードがでてきて、おもしろい。乗りたくなる。
が、やはり長島(特)有の、何も起こらない、ひとつの行動にたっぷり文字を使うことで間延びした感じは否めないと思いました。
「ねたあとに」が酷評されていましたが、まさにあのような感じ。
ただ、最大の感動は、長嶋有の別の小説に出てきたあの人たちが縦軸として存在している感じは、すごく好きだった。
買う、よりは、図書館で借りてきて「ああ~なるほどね」という感じの方がいいかもしれません。
長嶋有コレクターの方はもちろん買った方がいいと思います。
僕の長島有は「サイドカーに犬」から始まり、「初恋」で終わっていた。
久しぶりにアマゾンで検索すると、いくつか読んでいない本があった。レビューを見て、題名を見て、「愛のようだ」を買った。
車と音楽の話が、同乗者を変えていくつか登場する書き下ろし。
長島(特)有の少しオタクっぽい感じが好きな人は面白く読めると思うし、日産ラシーンやホンダフリードがでてきて、おもしろい。乗りたくなる。
が、やはり長島(特)有の、何も起こらない、ひとつの行動にたっぷり文字を使うことで間延びした感じは否めないと思いました。
「ねたあとに」が酷評されていましたが、まさにあのような感じ。
ただ、最大の感動は、長嶋有の別の小説に出てきたあの人たちが縦軸として存在している感じは、すごく好きだった。
買う、よりは、図書館で借りてきて「ああ~なるほどね」という感じの方がいいかもしれません。
長嶋有コレクターの方はもちろん買った方がいいと思います。
2016年6月16日に日本でレビュー済み
友人、須崎の恋人である琴美によせる中年男の切ない想いとその関係性とでも云えばいいのか、物語は自動車教習所へ通うその男の他愛のない日常のようすを細やかに描くプロローグからはじまる。
第一話「私の骨はよく鳴るんだよ」、俺が免許を取得した後、手術をひかえた琴美と須崎を乗せて伊勢神宮に願掛けに行く3人の道中の描写からそれぞれの関係性がわかる。フリーライター業10年、琴美との最初の出会いを含めて職場や交友関係のほか感覚やそれぞれの関心事が日常風景のように会話を通して伝えられる。
物語は第二話「愛を取り戻せ!」、インターミッション1、とつづく。ここでは業界仲間とともに草津温泉へとドライブ。道中の車で聴く音楽や漫画の話題、カーナビの案内やゲームなどの話題のほか他愛のない会話やエピソードが次々と繰りひろげられる。個々に深刻な事情があったとしてもそれは伏されたままで、なんでもないような話と他愛のないやりとりが描写される。
さらに、第三話さすらいもしないで、インターミッション。車中で選曲したプレイリストの中から再生された曲、二十代三十代四十代の誰もが分かって口ずさむという「さすらい」という歌に沿ってどことなく刹那的でテンポのいい会話がつづく。
海の波の 続きを見ていたらこうなった/胸のすきまに 入り込まれてしまった
胸のすきまに入り込まれるというのは、今のフラッシュバックのようなことだろうか。それは別に切ないのでも甘美なのでもない、ただの記憶ではある。水谷さんにしても今、特になにも「入り込まれて」いない、たぶん。「どうしたの」「なんでも」俺はカーナビの画面をみていたふりをした。(本文107p)
さすらいもしないで このまま死なねえぞ
矢野顕子はこの曲をカバーしたとき「このまま死なないわ」と女性らしく変えて歌った。とてもいいカバーだったが、でも、死なねえぞのままでよかった。(本文109p)
云ってみればこのような他愛のない会話を軸にストーリーは続いていくのだが、それまで伏せられていた個々の深刻な事情がさりげなく語られる。どことなく切ない気持ちが明らかにされ胸がキュンとする。
第四話惚れたはれたが交差点、そしてエピローグへとドラマは最後の段階へと入っていくのだが、ここでも車で聴く曲にのってテンポよく物語が続けられる。
男の旅は一人旅 女の道は帰り道/惚れたはれたが 交差点/ああ 一番星消えるたび/俺の心が 寒くなる
と歌う菅原文太を聴きながらラシーンは突っ走っていくのだ。
ここにはノリオや水谷さんのシリアスな問題のほか、タイトルにあるように俺や琴美、須崎、神山、永峰の「愛のようだ」という悩みがある。不思議と思うのは、なんでもない日常の流れ(会話)のなかで時折それぞれの深刻な心情が描かれる。時間の密度と云えばいいのか日常的な時間の流れが変化する感じがするとき、云いようのない切なさが込みあげてくる。
琴美の死後、俺は水谷さんから須崎の書いた添え状と封筒を受けとるのだが、手紙だと思った封筒の中身は伊勢神宮に行った時のコンビニレシートと交通安全のお守りだった。
第一話「私の骨はよく鳴るんだよ」、俺が免許を取得した後、手術をひかえた琴美と須崎を乗せて伊勢神宮に願掛けに行く3人の道中の描写からそれぞれの関係性がわかる。フリーライター業10年、琴美との最初の出会いを含めて職場や交友関係のほか感覚やそれぞれの関心事が日常風景のように会話を通して伝えられる。
物語は第二話「愛を取り戻せ!」、インターミッション1、とつづく。ここでは業界仲間とともに草津温泉へとドライブ。道中の車で聴く音楽や漫画の話題、カーナビの案内やゲームなどの話題のほか他愛のない会話やエピソードが次々と繰りひろげられる。個々に深刻な事情があったとしてもそれは伏されたままで、なんでもないような話と他愛のないやりとりが描写される。
さらに、第三話さすらいもしないで、インターミッション。車中で選曲したプレイリストの中から再生された曲、二十代三十代四十代の誰もが分かって口ずさむという「さすらい」という歌に沿ってどことなく刹那的でテンポのいい会話がつづく。
海の波の 続きを見ていたらこうなった/胸のすきまに 入り込まれてしまった
胸のすきまに入り込まれるというのは、今のフラッシュバックのようなことだろうか。それは別に切ないのでも甘美なのでもない、ただの記憶ではある。水谷さんにしても今、特になにも「入り込まれて」いない、たぶん。「どうしたの」「なんでも」俺はカーナビの画面をみていたふりをした。(本文107p)
さすらいもしないで このまま死なねえぞ
矢野顕子はこの曲をカバーしたとき「このまま死なないわ」と女性らしく変えて歌った。とてもいいカバーだったが、でも、死なねえぞのままでよかった。(本文109p)
云ってみればこのような他愛のない会話を軸にストーリーは続いていくのだが、それまで伏せられていた個々の深刻な事情がさりげなく語られる。どことなく切ない気持ちが明らかにされ胸がキュンとする。
第四話惚れたはれたが交差点、そしてエピローグへとドラマは最後の段階へと入っていくのだが、ここでも車で聴く曲にのってテンポよく物語が続けられる。
男の旅は一人旅 女の道は帰り道/惚れたはれたが 交差点/ああ 一番星消えるたび/俺の心が 寒くなる
と歌う菅原文太を聴きながらラシーンは突っ走っていくのだ。
ここにはノリオや水谷さんのシリアスな問題のほか、タイトルにあるように俺や琴美、須崎、神山、永峰の「愛のようだ」という悩みがある。不思議と思うのは、なんでもない日常の流れ(会話)のなかで時折それぞれの深刻な心情が描かれる。時間の密度と云えばいいのか日常的な時間の流れが変化する感じがするとき、云いようのない切なさが込みあげてくる。
琴美の死後、俺は水谷さんから須崎の書いた添え状と封筒を受けとるのだが、手紙だと思った封筒の中身は伊勢神宮に行った時のコンビニレシートと交通安全のお守りだった。
2022年9月5日に日本でレビュー済み
40代で運転免許を取ったライターが、知人ら四人と遠距離ドライブする(だけの)四話。
大きな出来事に遭遇するでもなく淡々と旅は続く。車中で交わされるサブカルトークには、心揺さぶられるものはある。
友人の恋人に、ふと恋に落ちてしまった主人公。タイトルの「愛のようだ」は、そんな不意にやってきたおっさんの恋心を表している。思い人は不治の病を患っており、カノジョへの感情は、密やかに胸の奥に仕舞い込むしかないのである。この切なさが良い。
男が集まったとて下ネタばかりじゃない、など共感すること多い作品集だ。
大きな出来事に遭遇するでもなく淡々と旅は続く。車中で交わされるサブカルトークには、心揺さぶられるものはある。
友人の恋人に、ふと恋に落ちてしまった主人公。タイトルの「愛のようだ」は、そんな不意にやってきたおっさんの恋心を表している。思い人は不治の病を患っており、カノジョへの感情は、密やかに胸の奥に仕舞い込むしかないのである。この切なさが良い。
男が集まったとて下ネタばかりじゃない、など共感すること多い作品集だ。
2016年2月6日に日本でレビュー済み
しずかな喪失感。
当事者ではない、
けれど、
だから、しずかに哀しい。
その感じが、よく伝わる。
40代で、
アニメが好きで、
その時代を一緒に生きてきた読者なら、
車の中で流れる音楽も楽しめ、
より一層、その感じが体感できるのだろう。
連載でなく、
一気に書き上げられた短い物語だからの良さを感じる。
当事者ではない、
けれど、
だから、しずかに哀しい。
その感じが、よく伝わる。
40代で、
アニメが好きで、
その時代を一緒に生きてきた読者なら、
車の中で流れる音楽も楽しめ、
より一層、その感じが体感できるのだろう。
連載でなく、
一気に書き上げられた短い物語だからの良さを感じる。
2016年1月21日に日本でレビュー済み
長嶋有の書きおろし最新作。作者はケレン味のない、日常の細々とした、誰も書かないほど些細な、でも言われてみると共感できる、という風景とか会話とか心理とかを描かせれば現代でナンバーワンの作家なのだが、近年はその傾向にさらに磨きがかかって、
ねたあとに (朝日文庫)
では(オリジナルのアナログ)ゲーム、
問いのない答え
ではTwitter、そしてこの『愛のようだ』では、「ドライブ(中にかかる曲)」という、いずれも小説、特に純文学の領域ではほとんど触れられることのなかった題材(にまつわる人々)を描くという「ニッチ産業」である。ブンガクというのは、国家社会や、人間の生死、人生の意味などについて描くものだという考えの人にとっては、どうでもいいくだらないことしか書いてない小説に見えるだろう(いや、実はこの作品は、とっても「社会」や「生死」や「人生の意味」について書いてるのだけど)。肩の力が抜けている、という作風は、意外にも読む人間を選ぶのである。
本作はほぼ全編通して車の中が舞台になる、つまりロードノベルなのだが、普通のロードノベルは「旅」を描くが、この作品は「車中」を描く。車中という空間に生まれる、ちょっとだけ特別な人間同士のコミュニティ、ちょっとだけいつもとは違うやり取り。普通の人にとっては、車の中というのは単なる移動時間、人生の無駄かもしれないが、この作家が書けば、それだけで一冊の小説になるわけだ。(なお、2015年11月に、作者とも親交のあるフジモトマサルさんが亡くなったが、追悼文などを読むに、その時の心理が本作の登場人物・琴美の描写に影響していると思われる。)
作者のファンとしてはこの作風の小説を読めるだけで嬉しいわけだが、しかし個人的な最高傑作 夕子ちゃんの近道 (講談社文庫) あたりに比べると、マンネリ・自己模倣が目立ち始めているのも事実である。かつての作品は、登場人物がみな先の見えないモラトリアム状態であり、だからこそ日常の些細な事でも目についてしみじみとした感動を生んでいたのだが、本作では主人公は40歳を超えたマンガライターで、生活も人生もそこそこ(いちおう)「安定」しており、そうすると本当にただのオジサンの日常を描いているだけだよな、と思ってしまう部分もある。長嶋有自身が、作家として「安定」した領域に入っているので、切迫感がなくなってしまっている。マンネリはどんな作家にも共通の壁だと思うが、作風を変えるにしろ変えないにしろ、ともかく今後の展開には注目している。
本作はほぼ全編通して車の中が舞台になる、つまりロードノベルなのだが、普通のロードノベルは「旅」を描くが、この作品は「車中」を描く。車中という空間に生まれる、ちょっとだけ特別な人間同士のコミュニティ、ちょっとだけいつもとは違うやり取り。普通の人にとっては、車の中というのは単なる移動時間、人生の無駄かもしれないが、この作家が書けば、それだけで一冊の小説になるわけだ。(なお、2015年11月に、作者とも親交のあるフジモトマサルさんが亡くなったが、追悼文などを読むに、その時の心理が本作の登場人物・琴美の描写に影響していると思われる。)
作者のファンとしてはこの作風の小説を読めるだけで嬉しいわけだが、しかし個人的な最高傑作 夕子ちゃんの近道 (講談社文庫) あたりに比べると、マンネリ・自己模倣が目立ち始めているのも事実である。かつての作品は、登場人物がみな先の見えないモラトリアム状態であり、だからこそ日常の些細な事でも目についてしみじみとした感動を生んでいたのだが、本作では主人公は40歳を超えたマンガライターで、生活も人生もそこそこ(いちおう)「安定」しており、そうすると本当にただのオジサンの日常を描いているだけだよな、と思ってしまう部分もある。長嶋有自身が、作家として「安定」した領域に入っているので、切迫感がなくなってしまっている。マンネリはどんな作家にも共通の壁だと思うが、作風を変えるにしろ変えないにしろ、ともかく今後の展開には注目している。
2016年3月3日に日本でレビュー済み
作者とほぼ同世代の者としては、四〇すぎて免許だの運転だのの感動を語られてもなぁ。。。って言うのがほぼ全体通しての一番の印象かな。。。
あ、芥川賞作家なんですか?へぇ。。。
う~ん、私はダメかな、この方。。。
あ、芥川賞作家なんですか?へぇ。。。
う~ん、私はダメかな、この方。。。
2016年5月8日に日本でレビュー済み
つい、「愛をとりもどせ」を検索して聴いてしまった。
全体としては「ああ、芥川賞作家らしい」系。つまり自分の好みではなかった。
「テープの残り分数を計算して編集」とか「ハードオフは胡散臭い」とかピンポイントに「分かる!」トコがあったから程々感で読んだ。
ひとつ目からウロコ。『「病人」「困った人」を囲むのは「無垢」。ただ身体が動く』。
必要のない人数で囲まれる事がままある身なので、ただ囲みたがる人を「イヤなモノ」と捉えていたが、反射的に「大丈夫ですか」はそういわれると確かに無垢。少し反省した。
全体としては「ああ、芥川賞作家らしい」系。つまり自分の好みではなかった。
「テープの残り分数を計算して編集」とか「ハードオフは胡散臭い」とかピンポイントに「分かる!」トコがあったから程々感で読んだ。
ひとつ目からウロコ。『「病人」「困った人」を囲むのは「無垢」。ただ身体が動く』。
必要のない人数で囲まれる事がままある身なので、ただ囲みたがる人を「イヤなモノ」と捉えていたが、反射的に「大丈夫ですか」はそういわれると確かに無垢。少し反省した。