結婚を控えたれいこと浩一が夜桜見物に来ました。見渡すかぎりの桜、濃紺の闇に、つめたいほど白い花がしんとしずまりかえってさいています。風が吹くたびに花びらがこぼれます。
浩一の腕にもたれて、うっとりと夜桜をながめるれいこに、次々と現れる過去の恋人たち。木の根のかげから、しゅる、と音がして現れたもの。木々の間をうろうろと動き回っていた白くて、まるく太ったもの。豚舎の入り口に、うしろから月光をあびて、ちょこんと立っていたもの。
桜の幹から養豚場、海を経て、再び花びらの中に立つ浩一のもとに戻ってきたれいこ。れいこは、浩一の腕にしがみつきながら、「さよなら」と昔の恋人たちに、そっと告げます。さて、れいこの恋人達とは・・・。
『つめたいよるに』収録の「いつか、ずっと昔」を底本として描き下ろされた絵本です。荒井良二さんのユニークなイラストが江國香織さんの物語の世界を幻想的に彩っています。夜桜の花のアーチがまさに異界に開かれた門のようです。
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いつか、ずっと昔 単行本 – 2004/12/1
- 本の長さ47ページ
- 言語日本語
- 出版社ケイツー
- 発売日2004/12/1
- ISBN-104901006940
- ISBN-13978-4901006941
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登録情報
- 出版社 : ケイツー (2004/12/1)
- 発売日 : 2004/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 47ページ
- ISBN-10 : 4901006940
- ISBN-13 : 978-4901006941
- Amazon 売れ筋ランキング: - 798,505位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 53,286位アート・建築・デザイン (本)
- - 59,722位教育・学参・受験 (本)
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著者について
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1964年東京生まれ。1987年『草之丞の話』で毎日新聞社主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本 周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞。「409ラドクリフ」(1989年フェミナ賞)、『こうばしい日々』(1991年産経 児童出版文化賞、1992年坪田譲治文学賞)、『きらきらひかる』(1992年紫式部文学賞)、『ぼくの小鳥ちゃん』(1999年路傍の石文学賞)、『が らくた』(2007年島清恋愛文学賞)など作品多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 真昼なのに昏い部屋 (ISBN-13:978-4062161053)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2004年12月10日に日本でレビュー済み
江國さんの『つめたいよるに』という本におさめられている作品を、荒井良二さんの絵で絵本にしたものです。色がとても美しくて、ページをめくるたびに、うっとりしたり、はっとしたり、どきっとしたりします。
昔この作品を文字として読んだときの印象と、今回絵本になって読んだときの印象とではまったく違うのですが、「こんなんじゃない!」という違和感ではなく、すっと胸におさまるカタチになっているのがすごく不思議。もうひとつの「いつか、ずっと昔」の世界がここはあります。
昔この作品を文字として読んだときの印象と、今回絵本になって読んだときの印象とではまったく違うのですが、「こんなんじゃない!」という違和感ではなく、すっと胸におさまるカタチになっているのがすごく不思議。もうひとつの「いつか、ずっと昔」の世界がここはあります。