社会学者・宮台真司氏と、ITアーキテクト神成淳司氏の対談を本に直したもの。
本書のメインテーマはタイトル通り、「計算不可能性をいかに計算的に設計するか」ということ。
IT技術の発達によって便利になったのは良いが、なんでもかんでも計算可能・予測可能な世界になってしまうとそれと引換えに「感動」も失われてしまう。予測可能なのだから。
そうならないために、ITアーキテクトは「計算不可能」なシステムをデザインすることを目指さなければいけないというわけだ。
本書を読み進めていく間何が一番面白かったのかというと、神成氏の優秀っぷりだ。
ITアーキテクトでありながら、人文科学系の話にもついていって良く勉強してるなあと感心したし、さらにそれを自分の専門分野で語り直すこともできる。
宮台氏もその優秀っぷりを絶賛しているし、ほんと惚れ惚れするぐらいの切れ者である。正直ファンになった(笑)
ITとこれからの現実社会の関係について興味がある方はどこをとっても面白い話ばかりなのではないだろうか。素晴らしい一冊である。
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計算不可能性を設計する: ITア-キテクトの未来への挑戦 (That’s Japan) 単行本 – 2007/4/14
現代に生きる我々の生活はITのおかげで随分と便利になった。
それはもう、人間が考えることを必要としないほどまでに進歩しようとしてい
る。そしてついには、人間の最後の砦でもあり人間の人間たる存在の証しともい
える予測不可能で計算不可能な心の動きや感動までも、気づかぬまま制御されつ
つある。我々は完璧なまでに設計されたそんな「心地よい」生活や社会の中に
安心して身を委ねていいのだろうか。生活や社会を設計しているITアーキテク
トの資質に左右される時代が、確実に近づきつつある。であるからこそ、設計者
に求められる資質が問われる。であるからこそ、設計者が寄り添う理念がいかな
るものかが問われる。設計者の資質とは、役割とは、限界とは!? 先鋭の社会
学者と気鋭のITアーキテクトのコラボレーションによって初めて可能になっ
た大胆な問題提起と提案。日本のITは確実に新段階に入った!
それはもう、人間が考えることを必要としないほどまでに進歩しようとしてい
る。そしてついには、人間の最後の砦でもあり人間の人間たる存在の証しともい
える予測不可能で計算不可能な心の動きや感動までも、気づかぬまま制御されつ
つある。我々は完璧なまでに設計されたそんな「心地よい」生活や社会の中に
安心して身を委ねていいのだろうか。生活や社会を設計しているITアーキテク
トの資質に左右される時代が、確実に近づきつつある。であるからこそ、設計者
に求められる資質が問われる。であるからこそ、設計者が寄り添う理念がいかな
るものかが問われる。設計者の資質とは、役割とは、限界とは!? 先鋭の社会
学者と気鋭のITアーキテクトのコラボレーションによって初めて可能になっ
た大胆な問題提起と提案。日本のITは確実に新段階に入った!
- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社ウェイツ
- 発売日2007/4/14
- ISBN-104901391801
- ISBN-13978-4901391801
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商品の説明
著者について
神成淳司(慶応大学藤沢キャンパス講師):岐阜県情報顧問や数々
のIT現場で多彩な実績を積み上げ、4月から慶応大学藤沢で教鞭をとる。
のIT現場で多彩な実績を積み上げ、4月から慶応大学藤沢で教鞭をとる。
宮台真司(首都大学東京准教授):社会学においてまちがいなく日本の最先端を
疾走。コンピュテーションという新たな領域への挑戦を開始。
登録情報
- 出版社 : ウェイツ (2007/4/14)
- 発売日 : 2007/4/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 295ページ
- ISBN-10 : 4901391801
- ISBN-13 : 978-4901391801
- Amazon 売れ筋ランキング: - 586,749位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年9月18日に日本でレビュー済み
神成淳二と宮台真司の対談集です。
日々進歩するコンピューテーションが社会システム、はたまた人間の考え方にどのように影響を与えるかについて考察しております。
近い将来、計算不可能性が価値を生む、新しい時代の予感がします。
日々進歩するコンピューテーションが社会システム、はたまた人間の考え方にどのように影響を与えるかについて考察しております。
近い将来、計算不可能性が価値を生む、新しい時代の予感がします。
2007年5月11日に日本でレビュー済み
「ITアーキテクトと社会」との関係を、「建築家と社会」の関係と対比しつつ読み進めました。
たとえば、山本理顕・隈研吾らの先鋭的な建築家が、住居設計において意図的に家族変化の最先端を探ってきたように、ITアーキテクトの提示する情報システムにも、設計者の社会観が反映されるということが本書の目のつけどころ。いや、住居や建築以上に、IT環境の変化がわれわれ生活者にもたらす影響は強大であることは、実感済みです。
神成氏については、まったく存じ上げなかったのでググってみたら、「情報社会のデザイン」というシンポジウムのページに辿り着きました。必見。氏は、このシンポジウムのオーガナイザー。ほっほう。すなわち、IT社会の変化を最前線で探りつつ、実際に構築できる立場におられる方だということ。おもしろい!とりわけ、今までの常識を覆すような、地域社会コミュニケーションのあり方を、個人的には期待したいところ。
かつて、社会を変えたいという願いもった優秀な人物が建築家として華を咲かせたように、この先はITアーキテクトが社会を牽引していくんだろうか?いかに!? IT門外漢にとっても、なりゆき「要ウォッチ!」でしょう。
対談の中身は、やや冗長。ささっと読み飛ばせます。それでも、宮台氏の分解力、構成力、ネームバリューあってのエキサイティングな一冊だと思います。
たとえば、山本理顕・隈研吾らの先鋭的な建築家が、住居設計において意図的に家族変化の最先端を探ってきたように、ITアーキテクトの提示する情報システムにも、設計者の社会観が反映されるということが本書の目のつけどころ。いや、住居や建築以上に、IT環境の変化がわれわれ生活者にもたらす影響は強大であることは、実感済みです。
神成氏については、まったく存じ上げなかったのでググってみたら、「情報社会のデザイン」というシンポジウムのページに辿り着きました。必見。氏は、このシンポジウムのオーガナイザー。ほっほう。すなわち、IT社会の変化を最前線で探りつつ、実際に構築できる立場におられる方だということ。おもしろい!とりわけ、今までの常識を覆すような、地域社会コミュニケーションのあり方を、個人的には期待したいところ。
かつて、社会を変えたいという願いもった優秀な人物が建築家として華を咲かせたように、この先はITアーキテクトが社会を牽引していくんだろうか?いかに!? IT門外漢にとっても、なりゆき「要ウォッチ!」でしょう。
対談の中身は、やや冗長。ささっと読み飛ばせます。それでも、宮台氏の分解力、構成力、ネームバリューあってのエキサイティングな一冊だと思います。
2007年9月11日に日本でレビュー済み
パッチワーク王国日本、つまり、何でもかんでも新しいものを取り入れて、
現実社会に適当に張り合わせていく手法で生きてきている戦後の日本は、
そろそろ考え直さないといけない。
本書の言うように、やはり哲学なのだろう。でも、その依拠するところをどこに求めるか。
これが問題だ。キリスト教か仏教か、はたまた儒教それとも武士道…。
解答を出さないといけない、という刺激を受けた。
現実社会に適当に張り合わせていく手法で生きてきている戦後の日本は、
そろそろ考え直さないといけない。
本書の言うように、やはり哲学なのだろう。でも、その依拠するところをどこに求めるか。
これが問題だ。キリスト教か仏教か、はたまた儒教それとも武士道…。
解答を出さないといけない、という刺激を受けた。
2007年9月11日に日本でレビュー済み
タイトル的にはとっつきにくい感じ。でも、中身はよくわかった。
日本って、ホント、哲学ないんだね。いつもパッチワークのようなつぎはぎでやってるんだね。
ITだって同じ。便利さだけが追求されてるって! そのとおりかもしれない。猿真似と猿知恵からそろそろ脱却しないといけないんだろう。
その意味では、宮台さんと神成さんにこれからも期待したい。
日本って、ホント、哲学ないんだね。いつもパッチワークのようなつぎはぎでやってるんだね。
ITだって同じ。便利さだけが追求されてるって! そのとおりかもしれない。猿真似と猿知恵からそろそろ脱却しないといけないんだろう。
その意味では、宮台さんと神成さんにこれからも期待したい。
2007年4月19日に日本でレビュー済み
久しぶりに宮台さんが新しいジャンルに挑戦したといえる。これまではどちらかというと仲間内的な内容だったが、今回はITやコンピュテーション。もちろん、宮台さんは何でも知ってる人だけど、今回ばかりはちょっと手こづっている感じ。しかし、そうは言ってもさすが。コンピュテーションのことがこれぐらいわかりやすく、かつ未来の社会が見える話は他にはないだろう。しかも具体的でリアルなので、とても現実感がある。社会学系と情報系は、これからもどんどん融合しないといけないだろう。そうでないと第二・第三のマンハッタン計画やナチズムは平気で起こる。コンピュテーションの発達で、これからはもっと簡単にもっと極秘裡にやられるので、始末に悪い。だからこそ、互いのジャンルが大胆にコミュニケーションを交わしていかなければいけない。よーくわかった。