10の小編からなる書物。どれも面白く、そして論理がアガンベンらしく丁寧であり、そしてそれぞれある真理の内密にまで到達している感がある。ひとつひとつが魅力を放ち、ある種完結している。「ホモサケル」でみせた一貫した論理とは違う迫り方で、しかしながらやはりアガンベンらしく我々の心に迫る。
「魔術と幸福」は子供のころの魔法を信じた心を扱ったもの。
「審判の日」は写真にとらわれる心を扱ったもの。
カフカが描いた「助手」について思索を展開する「助手たち」
そして中でも一番力が入っていそうなのが表題にもある
「涜神礼讃」
「宗教としての資本主義」が「神聖なものとそうでないものの分離」をどのようなものに移し変えていったか。
まるでベンヤミンの一方通行路みたいな、美しい書物。気張らない語り口ではじまり、その誘いにまかせていくと知らずのうちに深遠の内密に触れてはっと驚く、そんな感じ。
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涜神 単行本 – 2005/9/1
- 本の長さ139ページ
- 言語日本語
- 出版社月曜社
- 発売日2005/9/1
- ISBN-104901477196
- ISBN-13978-4901477192
登録情報
- 出版社 : 月曜社 (2005/9/1)
- 発売日 : 2005/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 139ページ
- ISBN-10 : 4901477196
- ISBN-13 : 978-4901477192
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,164,374位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 62位イタリアの思想
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月10日に日本でレビュー済み
とにかく文章が綺麗です。イタリアの美学が感じれます。アガンベン入門書としても最適です。
2005年12月23日に日本でレビュー済み
手に入る文庫本サイズの素晴らしい一冊。
深淵にして、簡潔。明快に哲学的思弁の途につくことができる。
数々の章に分かれていて、いずれも興味深いが、やはり一番興味深いのは、表題にもある「涜神、礼賛」である。欧米語の「涜聖」は「profane」であり、聖なるものを人間界に引き摺り下ろすというラテン語に由来しているらしく、神なる物は神の領域に留めておかなければならないというギリシャ=ローマの古典思想が背景にあるらしい。
それの対義語「聖化」は「sacre」であり、聖なるものへと人間界から供犠として上げるという意味らしい。
しかしこの「sacre」なる言葉は、両義的であり、聖化という意味と他に、呪われている、排斥される…という意味もあるらしい。
そこら辺から、彼の主著たる「ホモ・サケル」に繋がっていく。
「ホモ・サケル」とは、決して供犠と成らない、聖化できない、殺害可能の存在の意味らしい。
深淵にして、簡潔。明快に哲学的思弁の途につくことができる。
数々の章に分かれていて、いずれも興味深いが、やはり一番興味深いのは、表題にもある「涜神、礼賛」である。欧米語の「涜聖」は「profane」であり、聖なるものを人間界に引き摺り下ろすというラテン語に由来しているらしく、神なる物は神の領域に留めておかなければならないというギリシャ=ローマの古典思想が背景にあるらしい。
それの対義語「聖化」は「sacre」であり、聖なるものへと人間界から供犠として上げるという意味らしい。
しかしこの「sacre」なる言葉は、両義的であり、聖化という意味と他に、呪われている、排斥される…という意味もあるらしい。
そこら辺から、彼の主著たる「ホモ・サケル」に繋がっていく。
「ホモ・サケル」とは、決して供犠と成らない、聖化できない、殺害可能の存在の意味らしい。
2007年2月8日に日本でレビュー済み
アガンベンの入り口に最適。書誌的には新しい本ですが。
「涜神礼賛」の意表をつく終わり方とその後のエンドロールのような見開き。
翻訳も装幀も組みも神経の行き届いたきれいな本。
「涜神礼賛」の意表をつく終わり方とその後のエンドロールのような見開き。
翻訳も装幀も組みも神経の行き届いたきれいな本。