1961年に雑誌「ミセス」が創刊された時、金井氏は中学生で、家では「暮しの手帳」は購読していたが、よその家に行くと「ミセス」のページをめくって、“料理の作り方の記事を読んだり、結婚生活という言葉の含意の意味しているものに気づいたり、カラーのモードのページのきれいな服のドレスや帽子や手袋やアクセサリーを眺め”ていたようだ。その頃に思いを馳せながら、あらためて「ミセス」のバックナンバーをめくる、というのがこの本で、レトロなグラビアページを眺め、読者も同じ感慨に耽る。まさに絵のある「噂の娘」。
“キャビア、アワビ、ロースト・ビーフ(と、ロースト・ターキー)といった物が並び、しつらえはクラシックな銀器とクリスタルのグラス類で「ミセス」的スノビズムが窺える”「円卓の晩餐」や「英国風食卓」といったグラビアは確かに子供の頃の憧れのページだったし、ビクトリア風ピンクッションのグラビアに添えられるエッセー(「小公女」のセーラに下働きのベッキーが“赤いフランネルに黒い頭のまち針で”ハッピー・バスデーと刺した手づくりのピンクッションをプレゼントするエピソードについて)にうっとりする。ジャージーのワンピースに手袋という「ジュニアそれいゆ」から抜け出て来たようなグラビアにも溜息が出るし、ミニスカートのグラビアには、今すぐにでも履いてみたいデザインのスカートが載っているけれど、ここには辛口の60年代ミニスカート論が展開されている。
ジャンパー姿で、スポーツ・カーに乗り、レイバンのサングラスにくわえ煙草、ドライビング・グローブを嵌めた三橋達也、ガウン風のワンピースを着て居間の窓辺の古風なソファーにすわる東山千栄子、買物カゴを提げて八百屋で林檎を選んでいる森茉莉……といったグラビアについてのエッセイは言うまでもなく金井節全開で何度でも読み返したくなる。
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昔のミセス 単行本 – 2008/8/1
金井 美恵子
(著)
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- 本の長さ229ページ
- 言語日本語
- 出版社幻戯書房
- 発売日2008/8/1
- ISBN-104901998358
- ISBN-13978-4901998352
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登録情報
- 出版社 : 幻戯書房 (2008/8/1)
- 発売日 : 2008/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 229ページ
- ISBN-10 : 4901998358
- ISBN-13 : 978-4901998352
- Amazon 売れ筋ランキング: - 602,035位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,960位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年12月14日に日本でレビュー済み
2010年5月30日に日本でレビュー済み
目次に森茉莉が頻出するので、読んでみました。結果、私が森茉莉のエッセイを好むのは、内容のみならず、文章の相性がいいからなのだということを発見しました。筆者と私とは、あまり相性がよくないようだ。
本書のエッセイは、テーマ選択としては森茉莉のエッセイと殆ど同じなんですが、そこに表現される雰囲気というものはまったく違います。ですから、筆者の金井女史の文章がお好きな方で、婦人誌のコラムのライフスタイル記事ようなテーマがお好きな方には、楽しい本でしょう。きっと評点5です。
また、森茉莉の主観以外による有様を知りたい私のような人間にもそこそこ楽しめる本です。評点3の分くらい。
でなくば、「時代の雰囲気」というものを知りたい方にも楽しめるでしょう。評点3.5分くらいかな。
単純にエッセイとしては、テーマが散逸していて、主張という点において筆者の個性が出ていないので、面白みに欠けます。
本書のエッセイは、テーマ選択としては森茉莉のエッセイと殆ど同じなんですが、そこに表現される雰囲気というものはまったく違います。ですから、筆者の金井女史の文章がお好きな方で、婦人誌のコラムのライフスタイル記事ようなテーマがお好きな方には、楽しい本でしょう。きっと評点5です。
また、森茉莉の主観以外による有様を知りたい私のような人間にもそこそこ楽しめる本です。評点3の分くらい。
でなくば、「時代の雰囲気」というものを知りたい方にも楽しめるでしょう。評点3.5分くらいかな。
単純にエッセイとしては、テーマが散逸していて、主張という点において筆者の個性が出ていないので、面白みに欠けます。