私個人は、「ジェンダー」と聞くだけで腰が引けてしまうタイプです。ジェンダー関係の本を読んだこともありません。（じゃあ、なぜ腰が引けるのか。ここには大きな問題がありますね）ですので、ジェンダー専門の人から見た意見ではありません。
植民地期朝鮮の初等教育就学率を数値的に解明して見せたのは、古川宣子さんですが、この論文はそこにジェンダーの視点を入れています。
この本では今までの植民地期朝鮮の就学率に関する研究がまとめてあり、大変参考になります。
著者は古川さんを批判していますが、古川さんの論文で植民地期朝鮮の初等教育就学率は意外と低くないということが解明されました。きちんとここを評価しないと、「女の研究者同士、足を引っ張り合っているな」とおじさん研究者に言われないと良いなと余計な心配をしてしまいます。
この著書では、「女性の就学率は男性より低い」という至って普通の結論になってしまったのは残念です。しかし、都市と農村では、都市の女子より農村の男子の方が就学率が低いなど、意外な指摘もありました。
当たり前の結論になることを恐れず、実証して見せた内容は素晴らしいでしょう。
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