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限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学 ペーパーバック – 2005/10/22
人間は壊れているのでしょうか?
不透明で強迫的な社会。
参照項なき不自由な時代。
中身のない専門知が飛び交うネット空間。
文化の記述法、カルチュラル・スタディーズ、あえてするコミットメント、保守主義とロマン主義、天皇制と亜細亜主義、動物化、反省、そして全体性。
現代思想が限界に達するこの時代に、
社会学はその限界を克服することができるのか?
新進気鋭の社会学者・北田暁大と社会学主義者・宮台真司。ふたりの社会学者による、社会学を超えた討論。
- 本の長さ480ページ
- 言語日本語
- 出版社双風舎
- 発売日2005/10/22
- ISBN-10490246506X
- ISBN-13978-4902465068
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商品の説明
出版社からのコメント
とはいえ、お待たせした時間を有効に活用し、価値ある分厚い記述の本ができあがりました。
本書は、書店での3回のトークセッションと1回の語りおろし対談で構成されています。しかし、単なる対談本ではありません。以下、北田さんの「まえがき」から引用します。
『「対談をもとに」とはいっても、とてつもなく雄弁な宮台さんと、情けないほどに口べたな私とのあいだで交わされた「不均衡」な談話をそのまま載せても、ほとんど活字商品としての体をなさないのは明白であったので、大幅な加筆・修正をおこなった。というか、私の場合、加筆・修正しなかった部分はなかったといってよい。というわけで、本書は、一連の対談を契機として、あらたにつくり出された書き下ろしの往復書簡集とでもいうべきものであり、イベント会場に来てくださった方たちにも、ふたたび楽しんでもらえる内容になっていると思う。また、社会学へのオルグを隠れテーマにしたいという双風舎の意向もあり、対談で何の説明もなくもちいいていた専門用語や学者方言も、なるべくかみ砕いて再使用することにした』
出版業界においては、なぜか対談本の評価が低い。とはいえ、対談での会話を種にして、大きな花を咲かせることができたらいいのではないか。そんな思いで、著者たちと共にこの本をつくりました。
双風舎としては、できるだけ若い世代の読者に読んでもらいたい、と強く願っています。ですから、かなり無理をして、分厚い本を手頃な価格で提供すべく、努力してみました。
とりあえず通読してみてください。2度目に読むときには、わからない点を辞書や教科書で調べ、脚注をたよりに文献にあたってみてください。
3度目に読むときには、"世界"がいままでと違って見える……、かもしれません。
著者について
1971年神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位修得退学。東京大学助手、筑波大学講師を経て、東京大学大学院情報学環助教授。専攻は、理論社会学、メディア史。著書に、『広告の誕生』(岩波書店)、『広告都市・東京』(廣済堂ライブラリー)、『責任と正義』(勁草書房)、『嗤う日本の「ナショナリズム」』(NHKブックス)など。
宮台真司(ミヤダイ シンジ)
1959年仙台市生まれ。東京大学助手、東京外国語大学講師を経て、首都大学東京都市教養学部准教授。社会学博士。専攻は社会学、社会システム理論。著書に『権力の予期理論』(勁草書房)、『援交から天皇へ』(朝日文庫)、『挑発する知』(姜尚中氏との共著)、『日常・共同体・アイロニー』(仲正昌樹氏との共著、ともに弊社刊)など。
登録情報
- 出版社 : 双風舎 (2005/10/22)
- 発売日 : 2005/10/22
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 480ページ
- ISBN-10 : 490246506X
- ISBN-13 : 978-4902465068
- Amazon 売れ筋ランキング: - 652,095位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 12,043位社会学概論
- - 102,450位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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内在的(コミュニティ重視)と超越的(ネットワーク重視)、ネタ(自己諧謔的)とベタ(自己没入的)などのタームは魅力的だが、それらは必ずしも普遍的ではないし、意識的にも無意識的にも現状分析の域を出ない。これら相反する矛盾した要素が互いに交差する形で本書に体現されているのはそれ自身が更なる分析を必要とする証だろう。
社会学という学問が、みずからの歴史性を忘却しているが故に一世を風靡すると同時に限界にあるということも確認させられた一冊。
現実というパースペクティブに援用する際は、くれぐれもご注意を!!
この手の言説を使う際は、身体のトレーニングもお忘れなく。
しかし、半分読んで、宮台さんって、 他人と違うネタを仕入れて、それを喋り散らす事に生き甲斐を感じてるに過ぎないかなあ、と、私は痛感。
ま、そこ迄は普通の人のやりがちな事。
しかし、そのネタが正しいか否かは別として喋っちゃうよって姿勢、と言うより、自分の見聞きした事を全て正しい前提として読者達に教えてくれる姿勢って・・。
宮台ネタを参考にしたくて買ったのですが、私自身がちょっとだけ知っている事に関して、これってデマ?みたいな、辛い部分が多過ぎます。
やっぱ、学者じゃないな、この人。
全体性を十分に担保していると思えてしまう自己の思想が、実は常に(例えば論壇的な、例えば学界的な)一部の言説に過ぎないということを自覚すること、このことをめぐって二人が一貫して議論しているように読める。
あとがきでは宮台は、若い世代である北田を前にあえて世代的な振る舞いをして二人の差を際立たせ、言わば北田をプロデュースしてやった的なことを言うのだが、全体を通して読めば話半分くらいで聴いておくべきではないかという気がする。つまり、宮台の隠しようのない人柄がにじみ出ていてやはり面白い。三島由紀夫へのシンパシーなどはいかにもという感じだ。
それにくらべて北田は、宮台にくらべて穏健な、悪く言えば何の面白みもない主張をしているからか、幾分冷静な印象を受けてしまうが、現状を打開するにあたって宮台ほど明確な方策を打ち出せているわけではないようだ。
それとは別にロマン主義の起源にかかわる議論も面白く読めた。例えば、ロマン主義の理想は、始めから不可能な理想でなければならない、というような話。ロマン主義について多少知っている人にとっては常識なのだろうか。
『終わりなき日常を生きろ』から『サイファ覚醒せよ!』を経て現在にいたる、思想的〝転向〟の経過を、本人が「遺作のごとき趣きだ」(あとがき)と語るように一つ一つを丹念に解き明かす。
推理小説を読むがごとく、現代社会の諸事象を解き明かしていく両者の語り口に改めて驚かされつつ、引き込まれ、一気に読み進めることができる。下手な推理小説読むより、よっぽど面白い。
日常生活を送る中で感じる抜き差しがたい違和感。これって一体どういうことよ? そんな疑問を持つ人なら、多少経緯を知らなくても、一つ一つの言葉を分かりやすく説き起こしてくれているので、入りやすいかも。
現在までの宮台の言論の変遷を踏まえて議論しているし、独自の言葉使いも説明無しで多用している。彼の著書を今まで10冊ほど読んだ私でも理解に苦しむ箇所が多かった。若手の北田暁大がもう少し、堂々と(ブシツケに)ツッコミを入れてくれりゃ、もっとスリリングな対話になっただろうが、なんか東大の後輩が先輩に媚びてるように思えて仕方ない。「頭の悪い奴らは相手にせず」って雰囲気がプンプンしている。この点では仲正昌樹との対談本はまだ良かった。
それに、この分厚さなんとかならんかね〜。半分くらいのページでまとめろよ。自慢話はカットしてさ。
珍しく北田がオースティン、サールなど分析哲学に触れていた所は、捉え方には大いに異論のあるものの、興味深かった。