読みながらこんなに笑うことができる本は滅多にあるものではない!!
この本には、中原昌也とゲストとが互いに持ち寄った音源を聴きながら行った池袋ジュンク堂での12回に渡る公開対談の記録と、中原がオン・サンデーズで個展を行った際に浅野忠信を招いて行った公開対談の記録が収められている。
第1回目のゲストである大里俊晴が公開対談の来客に対する気遣いを見せてはいるものの、他のゲストらは、そのような気遣いを見せることなく、持ってきた音源を聴きながら、ああだこうだと中原と共に陽気に喋り続ける。そのため、8回目に再び登場した大里も、他のゲストらが飲み屋でのように気楽に対談を行っていると知ってしまった以上は余計な気遣いなど不要だと悟ったものか、お喋りを好き勝手に展開することとなる。
例えば、この本で中原と対談者は、次のようなやりとりをしている。そのどれもが、驚愕してしまうような面白さだ。中原は、松山晋也との対談では女子高生とチョコレートパフェに関連した灰野敬二についての愉快な噂の幾つかを披露し、原雅明との対談では携帯電話を操作している人を見ると怒鳴り散らすプレデターのようなおばさんと新宿でよく出くわしてしまうという話を鼻息荒く訴える。湯浅学との対談では、湯浅が殿山泰司と偶然に街でばったり出会ったことがあると述べれば、中原が自分は田中小実昌にサインをねだって断られたことがあるのだと述べて対抗する。そして、虹釜太郎との2回に渡る対談では1990年代に渋谷を中心として繰り広げられた破天荒な人間たちとの交流や乱痴気騒ぎが共に追想される。さらに、ボーナスアルバムとして収録された浅野忠信との対談では、中原と家族との奇妙な付き合いの一端が明らかにされる。
中原との2回目の対談でガン患者であることを宣言しながらも上機嫌になってジェラール・マンセを紹介する大里俊晴は、「いいくだらなさ」と「有害なくだらなさ」があるのだと熱心に説く。さらに、「人を元気づけるヒドさ」があるのだと主張して、スウェーデンの男が酔っぱらって鼻歌を歌っているだけのような歌を大里は絶賛する。
大里の発言に倣うならば、対談で言及された膨大な数にのぼる固有名の索引を律儀に備えたこの本には、「いいくだらなさ」と「人を元気づけるヒドさ」がバリバリと漲っている!!
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12枚のアルバム 単行本 – 2018/11/9
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購入オプションとあわせ買い
『作業日誌』から1年余。
12人のゲストたちと作り上げたもうひとつの“作業日誌”。
知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、中原昌也 最新対談集。
池袋ジュンク堂のカフェを舞台に、08年4月から12ヶ月連続で行われた中原昌也のトークショー。
毎回ひとりのゲストを迎え、ゲストと中原とがそれぞれ相手に聴かせたい1枚のアルバムを持参して、それらを流しつつの対話が始まる。
アルバムの話、それにまつわる記憶の確認、さらにそこからそれぞれの人生の断片があふれ出し、会話はひたすら横滑りしていく。
そこに広がるのは、あまりにバカバカしく、悲惨で、くだらなく、取るに足らない、しかし愛にあふれ、怒りと悲しみに満ちた記憶の数々。
まさに世の中から排除され忘れ去られたものたちの作り出す、幻のビッグ・ウェーヴがそこに出現する。
知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、その波の記録としての書物がここに完成した。
音楽史の背後に消え去った音楽たちが作る、幻の音楽カタログとしても活用可能。
※09年4月に行われた画家・中原昌也の個展会場にて行われた浅野忠信とのトークも追加収録。
12人のゲストたちと作り上げたもうひとつの“作業日誌”。
知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、中原昌也 最新対談集。
池袋ジュンク堂のカフェを舞台に、08年4月から12ヶ月連続で行われた中原昌也のトークショー。
毎回ひとりのゲストを迎え、ゲストと中原とがそれぞれ相手に聴かせたい1枚のアルバムを持参して、それらを流しつつの対話が始まる。
アルバムの話、それにまつわる記憶の確認、さらにそこからそれぞれの人生の断片があふれ出し、会話はひたすら横滑りしていく。
そこに広がるのは、あまりにバカバカしく、悲惨で、くだらなく、取るに足らない、しかし愛にあふれ、怒りと悲しみに満ちた記憶の数々。
まさに世の中から排除され忘れ去られたものたちの作り出す、幻のビッグ・ウェーヴがそこに出現する。
知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、その波の記録としての書物がここに完成した。
音楽史の背後に消え去った音楽たちが作る、幻の音楽カタログとしても活用可能。
※09年4月に行われた画家・中原昌也の個展会場にて行われた浅野忠信とのトークも追加収録。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社boid
- 発売日2018/11/9
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104903295265
- ISBN-13978-4903295268
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商品の説明
出版社からのコメント
『作業日誌』から1年余。 12人のゲストたちと作り上げたもうひとつの“作業日誌"。 知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、中原昌也 最新対談集。 池袋ジュンク堂のカフェを舞台に、08年4月から12ヶ月連続で行われた中原昌也のトークショー。 毎回ひとりのゲストを迎え、ゲストと中原とがそれぞれ相手に聴かせたい1枚のアルバムを持参して、それらを流しつつの対話が始まる。アルバムの話、それにまつわる記憶の確認、さらにそこからそれぞれの人生の断片があふれ出し、会話はひたすら横滑りしていく。そこに広がるのは、あまりにバカバカしく、悲惨で、くだらなく、取るに足らない、しかし愛にあふれ、怒りと悲しみに満ちた記憶の数々。 まさに世の中から排除され忘れ去られたものたちの作り出す、幻のビッグ・ウェーヴがそこに出現する。 知識や教養の彼方の廃墟からやってきた、その波の記録としての書物がここに完成した。 音楽史の背後に消え去った音楽たちが作る、幻の音楽カタログとしても活用可能。 ※09年4月に行われた画家・中原昌也の個展会場にて行われた浅野忠信とのトークも追加収録。
著者について
中原昌也(なかはらまさや) 1970年東京都生まれ。 88年頃よりMTRやサンプラーを用いて音楽制作を開始。90年、アメリカのインディペンデントレーベルから「暴力温泉芸者=Violent Onsen Geisha」名義でスプリットLPをリリース。ソニック・ユース、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンらの来日公演でオープニング・アクトに指名され、95年のアメリカ・ツアーを始め海外公演を重ねるなど、日本以外での評価も高い。97年からユニット名を「Hair Stylistics」に改め活動。音楽活動と並行して小説、映画評論も手掛け、2001年に『あらゆる場所に花束が……』(新潮社)で三島由紀夫賞を受賞、2008年には『中原昌也 作業日誌』で第18回ドゥマゴ賞を受賞した。その後文学界から遠く離れていたが、2011年には自伝『死んでも何も残さない』、12年には短編集『悲惨すぎる家なき子の死』を刊行。
登録情報
- 出版社 : boid (2018/11/9)
- 発売日 : 2018/11/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4903295265
- ISBN-13 : 978-4903295268
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 504,631位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 140,957位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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