本書は、学識経験者として、数々の審議会の座長や委員長を経験されてきた著者が、「委員として会議の場でどのように意見を述べ、自己の主張を貫くか、そして他の委員を説得するか、また座長としては、会議をどのように運営して、意見をまとめ、全員の合意を得るか」という点についての、「個々のメンバーにとっての会議への参加の仕方」や、「座長の立場から見てスムーズに合意に到達する方法」における、「さまざまな技術や作法」を解説しているものです。
審議会の委員や事務局などの当事者にとっては苦笑しながら読むものになると思いますが、その実態を知らない多くの人間にとっては、新聞などの報道の向こうに垣間見える審議会の読み解き方を伝えてくれる一冊です。
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会議の政治学 ペーパーバック – 2006/12/1
森田 朗
(著)
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社慈学社出版
- 発売日2006/12/1
- ISBN-104903425096
- ISBN-13978-4903425092
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登録情報
- 出版社 : 慈学社出版 (2006/12/1)
- 発売日 : 2006/12/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 190ページ
- ISBN-10 : 4903425096
- ISBN-13 : 978-4903425092
- Amazon 売れ筋ランキング: - 231,214位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 152位行政・官公庁
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年8月25日に日本でレビュー済み
これまで審議会で委員や委員長として活躍してきた著者が著した本書は、効率的な会議運営の方法を説く。著者の経験に依拠する本書の記述はインフォーマティブであり、われわれに見えない世界を見せてくれる。どの程度一般化していいのかは本書の記述からは不明確であり、ともすれば著者の経験を安易に一般化してしまっている懸念も感じさせる。
審議会が「役所の隠れ蓑」であることを否定できないと繰り返し確認しつつも目立つのは、会議運営の効率性を最重視する価値観であり、少数派=反対者への冷たい視線である。確かに、会議の長としては首尾よく運営することが優先度の高い目標であり、少数派のかたくなな振る舞いは許しがたくも見えるだろう。
だが、否定できない「役所の隠れ蓑」である審議会等の実情を考えれば、少数派の多くははじめから勝ち目のない戦いを強いられている。恣意的な人選、賛成派への役所の振り付け、少数派への役所の妨害といったことが日常的であることは、本書の中で指摘されている通りである。このような事例に触れつつも権力関係をまったく考えない本書の記述は、効率性を最重視する「行政学」の白眉でもあろう。審議会の権力関係に焦点を当てる「政治学」の書物が待ち望まれる。
審議会が「役所の隠れ蓑」であることを否定できないと繰り返し確認しつつも目立つのは、会議運営の効率性を最重視する価値観であり、少数派=反対者への冷たい視線である。確かに、会議の長としては首尾よく運営することが優先度の高い目標であり、少数派のかたくなな振る舞いは許しがたくも見えるだろう。
だが、否定できない「役所の隠れ蓑」である審議会等の実情を考えれば、少数派の多くははじめから勝ち目のない戦いを強いられている。恣意的な人選、賛成派への役所の振り付け、少数派への役所の妨害といったことが日常的であることは、本書の中で指摘されている通りである。このような事例に触れつつも権力関係をまったく考えない本書の記述は、効率性を最重視する「行政学」の白眉でもあろう。審議会の権力関係に焦点を当てる「政治学」の書物が待ち望まれる。
2007年2月14日に日本でレビュー済み
著者が長年座長や委員として関わってきた審議会のメカニズムが解き明かされます。合意形成に至るメカニズムについては「政治学」、事務局の果たす役割については「行政学」、審議会の外部なかんずくマスコミとの関わりについては「社会学」と言う章名を与えられています。
審議会の組織から答申に至るまで投じられるヒト・時間等の莫大なコストにやはり目が行きます。審議を円滑に進めるための多数派工作、時に「てにをは」まで突っ込んでくる一部委員対策のために莫大な資料作りを強いられることもある事務局、腹の探りあいも兼ねた省庁をあげて行う委員への「ご説明」…。諮問する官庁の「隠れ蓑」としての性格も否定できないとしながらも、著者が審議会の存在意義を全否定しないのは、政治勢力が直接ぶつかり合う議会では達成されることの難しい専門的見地からする慎重な議論とより妥当な解が期待できるからです。ただ、限られた時間で答申を出さねばならないという前提があるため、先ほどに見たような「運営術」が編み出される必然があるわけです。
議論運営の効率化と実質的な議論、この時として背反することもある両者を両立させるための制度作りが必須となりますが、本書では今後の課題とされています。しかし、審議会の外部にいる我々が公開された議事情報やマスコミ経由情報から審議の流れや内容をまず読み解くことも、制度をより良いものに変える一歩となるのではないか、取り分け「社会学」の章を読んでその感を強くしました。
審議会の組織から答申に至るまで投じられるヒト・時間等の莫大なコストにやはり目が行きます。審議を円滑に進めるための多数派工作、時に「てにをは」まで突っ込んでくる一部委員対策のために莫大な資料作りを強いられることもある事務局、腹の探りあいも兼ねた省庁をあげて行う委員への「ご説明」…。諮問する官庁の「隠れ蓑」としての性格も否定できないとしながらも、著者が審議会の存在意義を全否定しないのは、政治勢力が直接ぶつかり合う議会では達成されることの難しい専門的見地からする慎重な議論とより妥当な解が期待できるからです。ただ、限られた時間で答申を出さねばならないという前提があるため、先ほどに見たような「運営術」が編み出される必然があるわけです。
議論運営の効率化と実質的な議論、この時として背反することもある両者を両立させるための制度作りが必須となりますが、本書では今後の課題とされています。しかし、審議会の外部にいる我々が公開された議事情報やマスコミ経由情報から審議の流れや内容をまず読み解くことも、制度をより良いものに変える一歩となるのではないか、取り分け「社会学」の章を読んでその感を強くしました。