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私の西域、君の東トルキスタン 単行本(ソフトカバー) – 2011/1/28

4.7 5つ星のうち4.7 8個の評価

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『殺劫-チベットの文化大革命(集広舍刊)』のツエリン・オーセルの夫、2010年ノーベル平和賞・劉暁波の畏友、中国民主化の鍵を握る著者が、「国家機密窃取」の容疑で入獄などの艱難を乗り越え、9年の歳月をかけて新疆ウイグル人の内心と社会に迫った必見の書。

台湾での出版に次ぎ、世界に先がけて日本語版刊行。 (日本の読者へ 日本語版序文より) 私から見れば、2009年のウルムチ事件は端緒にすぎない。現在のところ、新疆の情勢は落ち着きを見せているが、これはただ弾圧によるもので矛盾は解決されず、怨恨はむしろ強まりそのエネルギーは、蓄積しつづけ、将来爆発するときはさらに激烈になるだろう。

〈本書 解説より〉中国で混乱が拡大すれば、隣国の日本も無関係でいられなくなる。王力雄が、新疆ウイグルの民族対立がイスラエルとパレスチナのような出口の見えない民族紛争になると再三再四警鐘を鳴らしていることを傍観すべきではない。王力雄に限らず、新疆ウイグルは中国の火薬庫と呼ばれている。それが「パレスチナ化」にさえなり得ると警告した本書は、日本人にとっても見過ごすことはできない。

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商品の説明

レビュー

民主派、親政府派など多様な意見を持つ知識人がいる。だが、そうした多様性も民族問題になると別だ。日ごろ民主化を唱えて政府に批判的な 人でもウイグルの独立問題になると途端に政府を弁護しがちで、少数民族の側に身を置いた意見はきわめて少ない。中華民族としての独特な統一意識やナショナ リズムのためと思われ、同じ傾向は台湾の独立問題に関しても言える。しかし、本書の著者は例外だ。チベット人など少数民族の独立問題について、フィールドワークを重ねつつ相手の立場にたって平和的共存の道を探ってきた。本書は1999年から2006年にかけて著者が新疆ウイグル自治区を訪ねた五回の旅を基に書かれている。最初の旅は秘密文書の入手が目的だった が、あっけなく警察に捕まり、拘置所生活を送る。本格的な取材旅行が始まるのはそこからで、拘置所で著者は本書の主人公となるウイグル人の青年ムフタルと 知り合う。以後、ムフタルや彼を通じて知り合った大勢のウイグル人と交流を重ねる。漢民族に憎悪の感情を持つ人も多いウイグル人と打ち解けるのは容易でな く、拘置所体験があったからこそ可能であった。かくして漢民族の移民や、安定を名目に宗教・民族への弾圧・漢化政策が強化される中、ウイグル人の困窮ぶりや漢民族への憎悪が、限りなくウイグル 人の側に立った視点で描かれている。本書が書かれたのはウイグル人と漢民族の衝突が表面化した09年よりもなかり前であるが、民族間の対立・憎悪が激化 し、テロ活動が起こりうると正確に指摘しえたのは、草の根の取材からにほかならない。


著者はムフタルとの対話を通じて多民族が共存できる道を模索していく。ムフタルは国家安全危害罪で捕まった民族主義者であるが、必ずしも独立にこ だわらないと話すなど、穏健な面もある。ウイグル人のなかにはより強硬に独立を主張する人や中国政府寄りの人もいて、立場によって考え方や事実認識は異な るはずで、ムフタルの認識でどこまでウイグル全体を代表できるかとの疑問は当然起きてくるだろう。しかし、本書は漢民族がウイグル人に対していかに真摯に 向き合うかの軌跡を示した本と言うべきで、客観的にウイグル事情を解説する地域研究書の類とはおのずと異なり、むしろムフタルに親しみ、彼を糸口にウイグ ル問題に切り込んでいったことの意味を読み取るべきであろう。
・・・・・・

安定という大義名分が政府の都合のために働くこと。中国の統治についても安定と民主化の二元構造で語られることがある。だが、近年の政府批判を含 む市民社会的な動きが地震・食中毒など生活の安定が脅かされる中で育ってきたように、「民主化か安定か」との対立論も見直すべき時に来ている。「中国の政 治改革の最も重要なチャレンジが民族問題」と書く本書は中国の体制そのものを問うているのだ。(麻生晴一郎 フリーライター)

--「週刊金曜日」2011/04/08

本書は、中国人の反体制派作家王力雄の作品である。王力雄は最初、中華を愛する民族主義者だった。1980年代には外国の探検隊が黄河を漂流しよ うとした時、王力雄らは「中国の大河を中国人が先に探検すべきだ」として、経験も資金もない状態で犠牲を払いながら探検を決行した。黄河源流で活動してい た時期にチベット人と出会った。チベットは「古くから中国の固有の領土でも何でもなく、独立国家だった歴史的事実」にぶつかる。そして、中国に占領された チベットが如何なる方向へ進むべきかを綴った名作が『天葬─チベットの運命』である。全身全霊でチベットに身を投じた王力雄の夫人は、チベット人反体制作 家のツェリン・オーセルである。オーセル女史の『殺劫シャーチェ』(集広舍、2009年)はチベットにおける文化大革命時期の暴力を映像と証言で伝えている。 王力雄は、その後少数民族への関心を更に広げ、まず新疆ウイグル自治区の実態を把握しようとして東トルキスタンに乗り込んだ。植民地新疆に駐屯す る生産建設兵団という屯田兵関連の「秘密資料」を窃取した容疑で秘密警察に逮捕連行される。連日昼夜にわたる過酷な尋問を受ける。その詳しい経緯はまさに 驚天動地の大事件の連続である。中国の少数民族地域で調査ないしは取材した経験を持つものなら、一度や二度は同じような境遇に置かれたことがあろう。評者 の友人で、現在アメリカの大学で研究生活を送る文化人類学者が内モンゴル自治区で体験した逮捕監禁生活とまったく同じである。尾行と逮捕、そして取り調 べ。恐らく、中国にはシステマティックな秘密制度があるのだろう。昨年、尖閣列島(中国名は釣魚台諸島)で日本側が進入した中国人船長を逮捕すると、中国 も日本人駐在員も捕らえた事実は記憶に新しい。中国との接触が以前よりも特段に増えてきた今日、いざという時の対策としても本書の第一部「1999年新疆 での遭難」を読んでおくべきであろう。


本書の重点は後半にある。西域で捕まった王力雄は、獄中で東トルキスタン出身の一人のウイグル人に出会う。ウイグル人差別に抗議しようとしたこと が罪となり、同じ牢屋に繋がれていた。ここから、中国人とウイグル人の対話が始まる。出獄してからもウイグル人の「牢友」との交流は続き、文通したり、再 訪して話し合ったりした。その記録が本書の後半に収められている。


ウイグル人は王力雄にいう。「ウイグル人にとっての民族問題は、三つの視点からみることができる」。一つ目は民族主義の視点で国家の独立を求め る。二つ目は宗教者の視点で、無宗教者ないしは異教徒の中国人の統治を受け容られない。そして、三つ目は社会的地位の低いウイグル人たちの不満である。こ の三つの動きに対して、中国共産党は、漢族の民族主義を煽ることで策を講じた。大部分の漢族は無原則に独裁政権に追随し、自分たちが占領した地域の少数民 族を抑え込もうと政府に協力している、と王力雄は事実を述べる。(楊海英静岡大学教授)

--「図書新聞」2011/06/11

著者について

王力雄(おう・りきゆう) 1953年、吉林省長春市生まれ。中国の著名な作家、民族問題研究者。1978年「民主の壁」に参加。1984年、単独で黄河の源流から筏で1200キロメートルを下る。1994年、中国最初の環境NGO「自然の友」を創設し、中心メンバーとして活動していたが、チベット仏教僧の死刑に疑義を呈したことから、自然の友は当局から圧力をかけられ、2003年に組織存続のため自然の友から除名された。著書に『漂流』(1988年)、『黄禍』(1991年)、『溶解権力』(1998年)、『天葬』(1998年)、『ダライ・ラマとの対話』(2002年)、『逓進民主』(2006年)、『我的西域、く的東土』(2007年)、『聴説西蔵』(2009年、オーセルとの共著)などがある。その言論活動は内外で高く評価され、2002年、北京当代漢語研究所から「当代漢語貢献賞」、独立中文ベンクラブにより「自由創作賞」、2003年、ヒューマンライツウォッチから「ヘルマン・ハミット賞」、2009年、チベットのための国際委員会より「真理の光賞」などを受賞。

馬場裕之(ばば・ひろゆき) 1957年、新潟県生まれ。東京都立大学中退。世田谷区役所勤務を経て1987~89年、上海同済大学に語学留学。1990年から2001年にかけて天津、上海、撫順、北京で計8年間ODAの技術協力プロジェクトで業務調整員として勤務。現在は通訳・翻訳業。

劉燕子(りゅう・いぇんず) 作家。現代中国文学者、桜美林大学北東アジア総合研究所客員研究員。中国北京生まれ。湖南省長沙で育つ。1991年、留学生として来日し、大阪市立大学大学院(教育学専攻)、関西大学大学院(文学専攻)を経て、現在関西の複数の大学で非常勤講師。訳書に『黄翔の詩と詩想』(思潮社)、『温故一九四二』(中国書店)、『中国低層訪談録─インタビューどん底の世界』(集広舎)、『殺劫─チベットの文化大革命』(集広舎/共訳)、『ケータイ』(桜美林大学北東アジア総合研究所)、編著訳に『天安門事件から「〇八憲章」へ』(藤原書店)があり、中国語著書に『這条河、流過誰的前生与后世?』など多数。

装幀/玉川祐治(スタジオ・カタチ)

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集広舍 (2011/1/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/1/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 470ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4904213114
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4904213117
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 8個の評価

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王, 力雄
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上位レビュー、対象国: 日本

2011年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨年やっと更迭になった王楽泉の新疆ウイグル自治区での腐敗の実態を知ることが出来た。オリンピックの最中爆発事件が起きたアクスはまさに王楽泉の利権の基盤で、現地からではなく息がかかった内地から業者を呼び、漢族型の都市に作り替えられてしまった。そこでの腐敗の構造はウイグル等の少数民族だけでなく、現地に根付いた漢族からも恨みを買っている。

上層部だけでなく、下部の役人の腐敗も深刻で、民族団結の美名の元で行われる政策も、下部の役人からなんの説明も無く強制的に行われ、さらにピンハネされ搾取が行われる。それはむしろ改革開放後、そして、西部大開発でひどくなっている。一昨年のウルムチの事件の発端となった出稼ぎ政策も、目的は民族団結と経済格差是正なのだろうが、実態は悪意の目で見られても仕方がないだろう。

後継の張春賢は新疆ウイグル自治区から中央アジア諸国との関税を下げて、現地に利益が還元される政策を行っている。それで今までの積りに積もった民族の不信を雪ぐことが出来るのか。大国が持つ矛盾の中で、筆者のように命がけでこのような問題に取り組む中国人もいる。これからに期待する。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年5月9日に日本でレビュー済み
著者の王 力雄(ワン・リーション)は、2010年ノーベル平和賞・劉暁波の畏友であり、「殺劫(シャーチェ) チベット
の文化大革命」のチベット人女性作家のツェリン・オーセルの夫でもある。

著者は本著を執筆するに当たり、最初の調査で新疆ウィグル自治区(東トルキスタン)に滞在した際、苦労し
て入手した機密扱いの公式資料のコピーを持って北京に帰ろうとしたところを秘密警察に捕まってしまう。
(中国の秘密警察が日本製の4WDに乗っていたとは、ちと驚いた(^^;)

著者を密かに監視下に置いていた秘密警察の巧妙な手口や尋問テクニックは、スパイ映画を見てるようで大変
に興味深いものがある。
中国の公安に拘束・尋問される可能性?がある人は、この部分だけでも読んでおく価値があるだろう。

そのため本著は当初の意図とは異なり、著者が「国家機密窃取」の容疑で政治犯として拘置所に入れられた際に、
偶然にも同房となったウィグル人の獄友ムフタルとの運命的な出会いとその後の交流から生まれることとなる。
この時を境として、漢人である著者にとってウィグルは観察すべき研究対象ではなくなった。
「監獄は私とウィグル人の心を一つにし、彼らと血脈を融合させた」のである。

そういう意味で本著は、公式資料を駆使し大所高所から書かれた作品の対極にあるという点において、同じ集
広舎の「中国低層訪談録―[インタビューどん底の世界」に相通じるものがある。
旧態依然とした共産党独裁の権力構造の中で、もはやイデオロギーすらも見失い私利私欲に走る腐敗特権
階級の実態と、彼らに一方的に搾取されるウィグル人や貧しい漢人移民の姿が、草の根目線で生々しくリアル
に描かれている。

そしてチベットと同様に、経済格差による新たな階級的対立に加えて、共産党の強硬な弾圧政策がウィグルの
民族・宗教的対立と憎悪を一層煽りたてている現実・・・。(しかもチベット仏教の非暴力主義を旨とするチベ
ットに対して、イスラム圏であるウィグルの方がより深刻な泥沼の内戦状態へと至る危険性が高いといえる)

特に第三部のムフタルへのインタビューは必読である。
ウィグル人は、テロをも辞さないイスラム教徒でありながら、中国と対立しアメリカにシンパシーを抱く。
同じイスラム圏でもアメリカと対立するアラブ諸国とは一線を画し、世界的に見ても特異な位置づけにあると
いえる。彼らの置かれた複雑な状況とその考え方を知ることは、今後の世界情勢を考える上でも極めて重要で
ある。ユーラシア大陸の中心を基軸とした世界観は、多くの日本人にとっては目から鱗だと思われる。
(ここでのムフタルとは、一個人というよりも著者と親交のあるウィグル人知識層の総体ではないかという気も
するのだが・・)

著者は文学者でありながら科学者のような高度の論理性と洞察力の持ち主であり、それは中国の政治体制に対
する明晰で示唆に富んだ以下のような文章からも明らかである。

「専制政治は民族の怨恨をもたらし、その反面、これを民主化を拒む理由に使い、蠱惑的な大漢民族主義で
国民の支持を得る。このような誘拐犯と人質との共生共死のロジックこそ、中国が民主化に向かうために解き
ほぐさなければならない問題である。」(日本語版序文より)

また、彼は東トルキスタンがパレスチナ化して泥沼の内戦状態に陥ることを防ぐには、チベット亡命政府の
ダライ・ラマ法王が提唱する「独立ではなく高度な自治」を求めるべきと考え、その実現のために「逓進民主制」
のアイデアを提唱しており、これは現代の一般的民主制の欠陥を補う注目すべき内容を含んでいる。

彼は中国の民主化や民族問題を考える上で、劉暁波と共に重要な思想的キーマンであり、今後も彼の著作や
動向には大いに注目していく必要がある。彼の他の著作「天葬−西蔵的命運」「ダライ・ラマと対話」「聴説西蔵」
等が、日本でもさらに広く紹介されることを切に願いたい。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年1月4日に日本でレビュー済み
この本を読むまでは、選りすぐりのエリート集団中国共産党が最終的にはウイグル問題を何とかすると50%くらいは思っていた。しかし、王力雄はエリートであっても(であるからこそ)ウイグル問題は容易には解決できないという。今の中共は数字に還元されるものしか見ておらず、人の心を理解する文学的素養が低いためウイグル問題を経済政策だけで解決しようとしており、その方法では最早解決できない段までウイグル問題は進行しているとの筆者の指摘には驚き、納得させられた。

一番衝撃を受けたのは、ウイグル人少女が中国国旗を降ろすたびに、足で踏みつけているという話である。王氏の表面上は落ち着いているが、ウイグル問題がいつ暴発してもおかしくないという指摘は2009年の暴動でその正しさが証明された。中国、特に少数民族問題に関心のある人は絶対に読む価値がある。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年12月30日に日本でレビュー済み
 著者は「中国」の「東北部」(「満州」)の出身の「作家」(「朝鮮族」と思われる-「王 力雄」)で1999年に「ウイグル」に実情を知るために入った。
早速、身に覚えのない容疑で暴力を加えられ逮捕され「安全庁拘置所」に入れられた。このことは当時からウイグルに入った者は中国からでも逮捕され拘束されたことを物語っている。
 「安全庁拘置所」で同じく収容されているウイグル人の「ムフタル」と出会った。彼の容疑はウイグル人を組織して北京でウイグル人差別に抗議して請願行動を行おうとしたことだった。
 先のように彼はウイグルの実情を作家として知るためにウイグルに入ったので「ムフタル」は格好のウイグルについての情報を得られる相手となり、親交を深めていった。
 彼に色々な質問を浴びせ、例えば『ウイグルでウイグル人に対する大量殺りくは起きるか-答え=ウイグル人は中国人に対して長い間不満と憎しみが直積しているから起こり得れる』である。
 やがて2003年に「王 力雄」も「ムフタル」も釈放されて、2003年に「王 力雄」は再びウイグルを訪ねて「ムフタル」に再開した。彼と共に首都「ウルムチ」を訪ね「国際バザ-ル」に行った。ここには私も2009年に「日本語」を教えていて「ウルムチ」に結婚のために帰った若い女性の案内で行ったことがある。中央には巨大なモスクがそびえており、左右には「市場(バザ-ル)」があり、多くの観光客で溢れていた。
 「王 力雄」は「ムフタル」の案内で「ウイグル人居住区」を訪ねた。私も2003年と2009年に訪れたことがある。ここには「ウイグル人」の昔ながらの家屋が並び、食堂も多く、羊肉の焼いたものを提供していた。「ウルムチ」は「中国人」が大多数を占めているため「中国人街」がほとんどで「ウイグル人居住区」はとても少ない。また「中国人」と「ウイグル人」が共に住む「共同居住区」もあり、彼女はここに住んでいた。
 「王 力雄」は「ムフタル」に再び色々な質問を浴びせた。例えば主なものは『ウイグル人はどうして中国人と隣人になりたがらないのか-答え=生活習慣が全く違い、特に食習慣が異なる。「中国人」は「豚肉」を食べるが「ウイグル人」はその匂いさえも嫌う』、『ウイグル人は中国人と一緒に発展することができるか-答え=宗教の違いが大きくそれを乗り越えられない』、『ウイグルの独立は中国人は賛成するか-答え=中国人の80%は賛成するだろう。彼らはウイグルでの死活が安定しており、独立しても「ウイグル人」もそれぞれのを望んでいるからである』、『ウイグルが独立したら中国人を追い出すか-答え=中国人が望めば一緒に暮らす』、である。
 本書は中判で470頁にもわたっており、話が「ウイグル」や「ウイグル人」の抱えている問題より「観光案内」など横道にずれたり読むのも大変だが(これが☆1減点)、当時のウイグルの様子を良く伝えてくれている貴重な書物である。
 また表題の一部に『私の西域』とあるが、これが全く記されてない(これがさらに☆1減点)。正しい表題は『君の東トルキスタン』だろう。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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