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働かざるもの、飢えるべからず。 単行本 – 2009/11/26
弾流! 発想の大転換!!
ブッダの生の教えを現代に伝える
スリランカ上座仏教長老
A・スマナサーラ師との対談を特別収録!
解が閃いたら、それが理想の社会への第一歩です。
キーワードは「所有から利用へ」。
豊かな社会を一人ひとりが
自由に使える「おれの社会」の実現へ!
- 本の長さ343ページ
- 言語日本語
- 出版社サンガ
- 発売日2009/11/26
- ISBN-104904507398
- ISBN-13978-4904507391
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商品の説明
著者について
1969年生まれ。ブロガー/プログラマー/投資家。カリフォルニア大学バークレー校中退。1996年ディーエイエヌ有限会社設立、1999年オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)CTO(取締役最高技術責任者)を務めた。2001年再びディーエイエヌ有限会社代表取締役。2004年、「404 Blog Not Found」は月刊100万ビューを誇る。著書に『弾言 成功する人生とバランスシートの使い方』『決断 最適解を見つける思考の技術』(以上アスペクト)、『空気を読むな、本を読め。小飼弾の頭が強くなる読書法』(イースト・プレス)など。
登録情報
- 出版社 : サンガ (2009/11/26)
- 発売日 : 2009/11/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 343ページ
- ISBN-10 : 4904507398
- ISBN-13 : 978-4904507391
- Amazon 売れ筋ランキング: - 305,511位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 58,532位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
オープンソース・プログラマー。元オン・ザ・エッヂ 取締役最高技術責任者(CTO)。ディーエイエヌ有限会社代表取締役。jcode. pl を基に Jcode.pm を開発したことで知られ、その後、プロジェクト Encode Module(Encode.pm)のメンテナンスと Perl バージョン 5.8 の開発に携わる。書評などを主な題材とするブログ「404 Blog Not Found」(http://blog.livedoor.jp/dankogai/) を運営し、アルファブロガーとして知られている。
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(ITや金融などを中心に勉強し、ブログで目立ちながら収入も増やし、
この世知辛い時代を賢く生き延びる技術を身につけましょう、的な)
という認識しかなく、これまで著書を手に取るきっかけがなかったのだが、
今回、スマナサーラ師との対談が収録されているということで、ためしに読んでみた。
読んでみてやや意外に感じたのは、かなり最初のほうで「トリクルダウン理論」
(富者がさらに富を蓄積すれば、そのおこぼれが社会に還流し、全体が豊かになる)
が明白に否定されていることだ。この点で著者は勝間氏とは異なると思えるが、
その後に展開される「弾流」社会システムによる貧困対策は、
発想はそれなりにユニークではあるものの、予想される障碍やマイナス面について
徹底的に考え抜かれているとは思えず、少なくとも私は説得されなかった。
著者の議論を簡単にまとめると、現在見られる極端な経済格差の根本的な原因は、
皆が「より良いものをより安く得よう」と欲望することにあり、
結果、それを提供できる少数の人間だけが富を得られる社会構造が生まれるが、
「ケータイが全世界の人間に行き渡る」といった生活水準の飛躍的な向上を考えれば、
この欲望は否定されるべきではなく、むしろ富者に集中し過ぎた富を
社会に還流できるシステムを構築するだけでよい、ということになる。
そのための手段として、ベーシック・インカム制度とともに
相続税の抜本的見直し(社会相続)が挙げられているが、
「生前に使い切れないほどの富は、むしろ社会的な財とみなして還元すべき」
という論旨には賛成できるものの、このような議論は
基本的に性善説に立っているという点において
共産主義などと同様の陥穽を避けられないように思われるし、
根本的な価値観の転換を前提としている割には、
「人間の欲望をどこまで認めるか」という点において、
やや中途半端な部分があるようにも感じられる。
(そのためか、スマナサーラ師との議論もあまり噛み合っていないようだ。)
最後に、本書は書籍としての体裁もやや中途半端だと感じた。
理論的な著作であるにもかかわらず、
上3分の1が丸々空いているという紙面構成や、
やたらと小見出しが多用される叙述の方式は、
アルファブロガーならではのものかもしれないが、
全体になんとなくスカスカした印象を受けてしまうことは否めない。
著者の他の本は、内容が浅く抽象度も高い。恐らくは、特に考えることもなく書くことができたはずだ。読者にとって得られるものも多くはなかった。
しかし、本書に書かれている内容は、それらの本とは明らかに一線を画す。そこには、体系的にまとめあげられた良質な仮説があり、著者の頭のキレがしっかりと表れていたと思う。
本書での著者の主張は、ベーシックインカム+社会相続というシステムを作る、という事に尽きる。
ベーシックインカムとは、国民全員にそれぞれが最低限の生活を送れるぐらいの所得を配分し続ける、という制度であり、これによって貧困が存在しなくなると著者は言う。
そして、貧困層が無くなることで家計消費が押し上げられ、金の回りがよくなる。
では、その莫大な財源をどのように確保するのか。
その答えが、社会相続というわけだ。
相続を廃止し、すべての遺産を社会に還元する事で、財源を作り出す。
ここまでを聞いて、実行可能性についていくつかの疑問点が生まれるが、それに対しても、著者は丁寧に答えている。
上の主張において、本書では特にデータを押さえているわけではなく、あくまで仮説ではあるが、そこにはかなり大きな納得感があると思う。
本書の欠点は3つほどある。
1つは、著者の唱える社会が、必要最低限の労働力を担保できないという事。
全員が暮らせる程度の収入を与えられるなら、働かない人が多く出るだろう。
やりたい人だけやればいいというスタンスで、社会が機能するほどの労働力が得られるか、そこに著者の考えの甘さがあるように思う。
2つ目は、本書の主張を実行に移す方法については、ほとんど触れられていない事。
これを実行するためには価値観の大幅なパラダイムシフトが必要となるが、それを乗り越える事がいかに難しいかは想像に難くない。
最後の点は、本書後半の対談について、得られるものが少なかった事。
出版社が仏教系という事で差し込んだんだなーという感じが相当出ているこの対談は、別に本書でなくてもよかったのでは?と思わざるを得ない。
総括として星4つだが、一読に値する良書だと思う。
相続税を100%にして、その代わり誰もが最低限食べられるくらいのお金はもらえるようにしようという著者の発想が新鮮でした。
反対する人も多そうなアイデアですが、これまでの世の中からがらりと変わらないと、格差問題で多くの人が悩まなくても良い21世紀の社会はつくれないのかもしれないと思いました。
主張が展開されているが、あまりにも結論ばかりが書かれすぎていて、
考えの元となった論拠が少ないのと、根拠に関しても「フィーリングで
理解してよね」的な部分が多く、正直、この内容で理解するには、
懐疑的にならざるを得ない。
出展や参考文献などを(著者自身の本を含めて)きちんと出していただければ、
調べようもあるのだが、そういうものもほとんど書かれていないので、
納得のしようも無い。
後半部分では、偉いお坊さんらしき人との対談がメインとなるのだが、
「こういう偉いお坊さんもBIとか社会相続とかいいよねーって言ってるんだから」
という、一度高いところに持ち上げておいて、そこからぶら下げて合格点を
取ったような手法が垣間見えて、正直げんなりしてしまった。
確かに偉いお坊さんがいいと言っているから、ということで納得する人には効果的かもしれないが、
正直、BIや社会相続を仏教のレベルで話すことの意義がよく分からない。
極端に平易な表現のみで書ききろうとしているために、記述の正確性や妥当性がずいぶん犠牲になっているように感じます。
悪く言えば「どんなバカにもわかるように書いてやってるのだよ」という雰囲気が漂っています。中学生くらいをターゲット読者としているようにも思えます。
アルファブロガーの著者らしくもなく、出版社がゴーストライターでもつけているのかと思ってしまいます(それでも著者が内容面の監修はしているでしょうが)。
そういえば大衆向けの宗教書のスタイルいうのはこんな感じなのかなあ、とも思います。
それは以下のようなところに現れています。
・議論の根拠になる基本的なデータがほとんど提示されていない。
「富の一極集中が進んでいる」「金持ちが没落するリスクが以前より高まっている」など著者の主張の重要な根拠になっている現状認識については、簡単でよいので定量的なデータを示してほしかった。「格差は特に広がっていない。それより格差が固定される傾向が強まっていることが問題だ」という著者とは正反対の主張もあるわけですから。この辺をおろそかにしていることが、主張の説得力を大いに弱めている。
・論理が矛盾、破綻している部分が少なくない
たとえば、相続税が100%を主張しているのに、生前贈与を認めている(むしろ現行より贈与税を減らす)ことについて、充分に説明されていない。
確かに「社会への還流」という意味では高齢者が死ぬまで資産を抱えているよりは、若い子女への生前贈与を促したほうがいい、との主旨は理解できる。
しかしその場合は結局、資産家の老人は死の直前までに、ほぼ全部の資産を子女に贈与する戦略を取ることになるだけではないか?本人が危篤に陥ってから(あるいは実際には死亡してから、死亡届を出すまでの間に)事前に用意をしておいた贈与の届出を提出する、などという不正(?)が横行するだけでは?そうなると著者の構想は財源面からひっくり返ってしまいます。
また、著者は「相続手続きの煩雑さ」や「相続争いの発生」を解消できることも「相続税100%」のメリットとしているが、それは生前贈与を認める限り「贈与手続きの煩雑さ」「贈与獲得争いの発生」に置き換わるだけではないか?
現行の税制で相続税に比べて贈与税の税率が格段に高い理由への考察が全くないわけです(現状を追認しろと言っているわけではなく、現状をひっくり返すことを主張するなら、その妥当性をきちんと説明しないといけない、ということ)。
それは頁の上部約1/3を空白にして頁数を無駄に嵩増ししていること、本書p.205〜p.341という137頁、実に総頁数343頁の約1/3超にわたってテーラワーダ仏教の長老・スマナサーラ師と本書の主意から外れた対談が延々と続くことに因る。
その点からすれば、冗長に過ぎると言わざるを得ない出来としか言いようが無いと思う。
しかしながら、それでも本書には一読の価値があると推したい。
それは、これからの日本の採るべき社会政策として本書のサブタイトルにもあるように「社会相続を財源としたBI(ベーシック・インカム)の導入」という大枠での政策提起、あくまでも著者の主観的な主張であるものの(定量的でもなく、エビデンスも乏しいので)政策に対する理由付け、またその根底に本書タイトルにある「働かざるもの飢えるべからず。」という現在〜将来にわたる時代を見据えた上での著者の哲学が本書の第1部において展開されているからである。
その点は政策に対する賛否両論はあろうが、一読に価値ありと評価して良いのではないだろうか。
ちなみに私自身は本書で提起されている政策に賛成の立場を採る。
上記で述べたように定量的な分析やエビデンスに乏しいため各論については逐次問題が発生することは容易に想像できるが、それでも需給関係の観点から考えても供給超過によるデフレ・ギャップが長期継続中のわが国、ひいては米国をはじめとして今後日本のようなデフレ・ギャップが顕在する可能性のある先進国が採るべき一つの選択肢として有用であると私は考える。
単純化すればデフレ・ギャップの解消には、長期的な視点から考えれば需要を増やす、供給を減らすのバランスのさせ方しかないのだから。
全世界的には人口増加が継続しているからしばらくは顕在化した問題にならないだろうが、とくに人口減少の問題にぶつかっているわが国にとっては今から取り組むべき問題として捉えるべきだろう。
人口の増減と物価との関係は経済学的には相関が認められていないとはいえ、あくまでも短期的施策に過ぎない財政金融政策だけで現在の構造的な問題を解決することは出来ないわけだし、幸福感を感じづらい日本に一種のカンフル剤を打つことは必要不可欠ではないか。
論理性に欠ける自論を述べてしまったが、本書には社会政策を議論する上での叩き台としての価値はある。
ただし定価は明らかに高いので、これから読まれる方は是非古本か電子書籍での安価な購入をお薦めする。