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豊臣秀吉の系図学 近江、鉄、渡来人をめぐって 単行本 – 2014/7/10

5つ星のうち4.2 6個の評価

明治時代の国学者たちが編んだ系図集『諸系譜』(国立国会図書館所蔵)所収の「太閤母公系」によると、豊臣秀吉の母方先祖は応神天皇治下の五世紀ごろ、日本列島に移り住んだ渡来系氏族の佐波多村主で、代々の刀鍛冶であったといいます。系図研究の第一人者・宝賀寿男(日本家系図学会会長、家系研究協議会会長)と秀吉をテーマとする出版社桃山堂が提携、「太閤母公系」を手掛かりとして、豊臣一族の系譜を徹底検証しました。古代と戦国時代をつなぐ長い時間軸の中で、「鉄」をめぐって織りなされる豊臣一族の謎を考えています。 秀吉の母方、父方に加え、秀吉のイトコとされる加藤清正、青木秀以、正妻おね(杉原氏)、浅野長政、竹中半兵衛についても、種々の系図を紹介し、その系譜を探っています。『新撰姓氏録』『尊卑分脈』『寛政重修諸家譜』など公的な系譜史料のほか、『諸系譜』『中興武家諸系図』『改選諸家系譜』など一般にはあまり知られていない系図集や江戸時代の地誌、随筆からも一族にかかわる所伝を拾い集めています。 秀吉にかかわる系図や伝承を徹底調査した結果、いくつかの傾向が確認できました。父方については、ほぼすべての系図が秀吉のルーツを近江国浅井郡(滋賀県長浜市内)に求めていることです。母方では、血縁者とされる加藤清正、青木秀以をふくめて、鍛冶や「鉄」にかかわる所伝が目に付きます。一族の多くが美濃国(岐阜県南部)に先祖の地をもっており、中でも滋賀県との県境に近い大垣市赤坂町の周辺に先祖の居住地が集中しています。赤坂には、中断をはさみつつも古代から近現代まで採掘されていた鉄鉱石の山、金生山《きんしょうざん》があり、美濃の刀工集団の一大拠点でした。 史料調査と併行して、一族の系譜にかかわる土地を取材し、関係者から話をうかがいました。金生山の鉄鉱石鉱山、秀吉を神として祀る滋賀県長浜市の鍛冶屋村、織田信長の先祖伝承にかかわる福井県越前町の織田劔神社など、四つの話題を関係者へのインタビューとして紹介しています。

商品の説明

著者について

宝賀寿男(ほうが としお) 北海道生まれ。一九六九年、東京大学法学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。同省のほか、外務省(在中国大使館)などでも勤務。富山県副知事、東京税関長などを歴任。日本家系図学会会長、家系研究協議会会長。 主な著書 『古代氏族系譜集成』『和珥氏 中国江南から来た海神族の流れ』『葛城氏 武内宿祢後裔の宗族』『阿倍氏 四道将軍の後裔たち』『大伴氏 列島原住民の流れを汲む名流武門』『「神武東征」の原像』『神功皇后と天日矛の伝承』 蒲池明弘(かまち あきひろ) 福岡県生まれ。一九八五年、早稲田大学を卒業後、読売新聞社に入社、記者として勤務したほか、インターネットのニュースサイトの運営に関わる。桃山堂株式会社を設立、二〇一四年より豊臣秀吉にまつわる本/電子書籍の出版をはじめる。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 桃山堂; 四六判版 (2014/7/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/7/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 232ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4905342015
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4905342014
  • 寸法 ‏ : ‎ 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.2 6個の評価

著者について

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蒲池明弘
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2014年7月19日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    本書の実質的な著者である宝賀寿男氏は、創見に満ちた刺激的な著作をいくつも世に問うてきたが、いずれもどちらかと言えば専門家向け。ところが、本書はそれらとはかなり趣を異にして、類書に見られない優れた内容であるのはもちろん、嬉しいことに、評者のような系図方面に疎い歴史愛好家にとっても、大層アクセスし易い本に仕上がっている。

    まず挙げるべきは、全体がよくこなれた「です・ます調」で書かれていて、大変読み易いこと。そればかりか、関連するインタビュー記事(専ら共同執筆者の蒲池明弘氏によるものとのこと)が4本も途中挿入。随分と読者目線に立って作られている。
    さらに読者のために、本書ではインターネット関連の記述が随分と見かけられることも特筆すべきだろう。
    そうしたことによって、誰知らぬ人のない秀吉を導きの糸として、読者は、余り馴染みのない系図学というものに自ずと入り込んでいける。

    本書の内容については、上記の「商品の紹介」の「内容紹介」において要領よく記載されているので殊更付け加えるまでもない。
    ただ、例えば、本書で「系図には多くの虚偽がふくまれており、その真偽を見きわめるため、一次史料はもとより、一族の伝承、地域の伝説にも目を配る必要がある」と述べられているところ、著者が昨秋に刊行した『古代氏族の研究④ 大伴氏』(青垣出版)においても、「起源・出身の地理事情や神社奉斎・管掌業務、歌舞などの伝統・習俗など、古族研究についての多面的な視点からの検討が、大伴氏には必要である」と書かれている。
    さらには、本書第二章にある「越の国へと続く道」との節は、全体として著者の『越と出雲の夜明け』(法令出版、2008年)を想起させるが、特に本書に「(北陸地方は)記紀の説話において新羅の王子とされている有名な天日矛の伝承地のひとつ」とあるのは、著者の『神功皇后と天日矛の伝承』(法令出版、2008年)における「越前南部から但馬の海岸にかけて、天日矛の足跡とみられるものが点々とある」に対応していよう。
    もっと言えば、本書の「家紋が示唆するもの」という節(第三章)では「中世以降の武家の系譜を考えるとき、家紋が手掛かりとなるケースもあ」ると言われているが、本書で著者が自分の「デビュー作」とする『古代氏族系譜集成』(古代氏族研究会、1986年)にも、「中世以降については、家紋も参考資料となってくる」との文章が見出される。

    要すれば、本書は、著者が得意とする古代史の分野から外れる人物を取り扱っているとはいえ、著者のこれまでの諸著作の自然な延長線上に乗った作品なのであり、だからこそその所説に説得力があるといえよう。

    なお、本書の「あとがき」で、著者は、歴史の研究を志した理由や研究の視点といったことにつきざっくばらんに「個人史」を述べている。これまでの著書には見られない内容であり、読者は著者を身近に感じることができると思う。
    12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年2月16日に日本でレビュー済み
    フォーマット: 単行本Amazonで購入
    太閤秀吉と彼を取り巻く人々の系図をたどりながら鉄との関係を読み解く視点が非常に興味深く、戦国史に新たな解釈が必要になるものと感じた。