政治ジャーナリストが書いた取材対象に対する好意的な本だという印象を持った。
この本が書き上げられたのが1981年で、宮沢喜一の政界引退が2003年であることを考えると、その間の22年間の議員生活をこの本がカバーしていないのは「看板に偽り」あり」ではないだろうか。
宮沢の英語通であるところ、国際感覚、金に関してクリーンなイメージ、非常に謙虚である一方で芯の強いところもある人柄など、その全てにおいて蔵・首・財相を経験する間にメッキがはがれるなり、傷がつくなりした。
構造的に日本の政治及び政治家というのはマキャベリアン・オポチュニストであることを求められるので、別にこれは悪いことではない。
宮沢が引退してもう4年になるが、今宮沢喜一に関する本を書くとすると、多分こういう風にはならないんじゃないかなぁと、思うところが多々ある。
一方、記録としての価値は結構高いように思う。
総合的には平均点・及第点というところだろうか。
星三つ。
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