拉孟の玉砕戦を生き残った慰安婦の話を軸にした小説です。フィクションであり史実ではありませんが、歴史の本より読みやすく、実際の慰安婦が味わった苦悩とはこのようなものであったとわかります。日本兵が慰安婦を切望しながら、金をもらって性行為をする女性を激しく嫌悪し、制裁を加えるかのように虐待し、戦争が終わればその存在はすっかり忘れてしまったという全くの理不尽は男性の身勝手な性倫理と戦争の倫理崩壊が重なって戦争以上の悲劇を生んだとも言えるとも思います。朝鮮と日本の両方の文化を理解している在日作家の梁石日だからこそできるリアルな描写で非常に説得力がありました。
慰安婦目線から書いているので、周りの状況がわからず、閉じ込められて次から次へと日本兵が襲ってくるばかりなので、一体慰安所の周りや日本軍の様子はどうなっているのだろうかと読んでいて歯がゆい思いもしましたが、情報が遮断されている慰安婦の状況を理解するためにはその方がリアルだとも思いました。
慰安婦は商売をする売春婦であったという説が流布されていますが、玉砕戦の戦場で売春宿を営業して金儲けをしようなどと考える人があるわけもないです。軍の関与どころの話ではないです。
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めぐりくる春 単行本 – 2010/7/1
梁 石日
(著)
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- 本の長さ425ページ
- 言語日本語
- 出版社金曜日
- 発売日2010/7/1
- ISBN-104906605672
- ISBN-13978-4906605675
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登録情報
- 出版社 : 金曜日 (2010/7/1)
- 発売日 : 2010/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 425ページ
- ISBN-10 : 4906605672
- ISBN-13 : 978-4906605675
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,143,749位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年1月7日に日本でレビュー済み
水木しげるさんの漫画でも慰安婦が出てきましたけど、やっぱり、戦争を起こす人間はどこかおかしくて狂ってるだと思いました。
本では、教育のせいだと書かれてありましたが、人間の得体の知れない本性だと思います。
本では、教育のせいだと書かれてありましたが、人間の得体の知れない本性だと思います。
2014年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作者はこれをフィクションと断っているから真実の記録としては受け取らないが、丁寧に読んでいくと、何もかも、有って不思議ではないと思う。日韓や日中の間に慰安婦問題があったかなかったか、終わった問題なのか、色々とヒントを与えてくれる。戦争中の日本の軍隊が、いかにモラルに乏しい集団であったのか、今の時代から遠望してみて、とても肯定できるとは思えない。
日本人と韓国人の中間に立って、歴史的真実や背景を実に読み切っている作品だ。作品への評価は、読者一人一人に任せるしかないが、この鋭い視点は歴史小説として価値も高い。
日本人と韓国人の中間に立って、歴史的真実や背景を実に読み切っている作品だ。作品への評価は、読者一人一人に任せるしかないが、この鋭い視点は歴史小説として価値も高い。
2014年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
梁石日氏の作品は好きでよく読んできたが、史実を偽るようなフィクションにはガッカリさせられました。
2012年7月15日に日本でレビュー済み
私はこの作品を「三国志演義」のように読みました。つまり、事実かどうかはともかく、朝鮮の人たちの間で語り継がれる流れでこのテーマを読みました。実際に作品中でも、慰安婦たちの無知さ(自分達がどこにいて、どういう事情で非人間的な扱いをされるか)が何度となく触れられています。今でも実際に抗議される内容の多くは、民族の感情的な発露であって史実とはいえないでしょう。
異見ではないでしょうが、梁石日氏はすでに全盛期は過ぎた作家だと思います。戦場の血、死体、糞尿、性といった描写は氏が場面を表現するさい、得意とするところのはずです。代表作の『血と骨』などと比べると数段階落ちるといわざるをえないでしょう。
ただその分、「結果的に」かもしれませんが、一般読者には読みやすいとも言えるでしょう。意識が高い十代なら中学生でも読めるはずです。
全体の印象として、このテーマで作品を書き上げた梁石日氏の心意気・気概に敬意をもちます。「被害者とか加害者とかでなく、日本人はこの問題を直視すべきだ」といった発言もされているとか。また、「こんなに凄惨な運命にのみこまれても人間は生きていけるんだ、生きていかなきゃいけないんだ」と、梁石日氏の人間愛の強さに圧倒されました。
異見ではないでしょうが、梁石日氏はすでに全盛期は過ぎた作家だと思います。戦場の血、死体、糞尿、性といった描写は氏が場面を表現するさい、得意とするところのはずです。代表作の『血と骨』などと比べると数段階落ちるといわざるをえないでしょう。
ただその分、「結果的に」かもしれませんが、一般読者には読みやすいとも言えるでしょう。意識が高い十代なら中学生でも読めるはずです。
全体の印象として、このテーマで作品を書き上げた梁石日氏の心意気・気概に敬意をもちます。「被害者とか加害者とかでなく、日本人はこの問題を直視すべきだ」といった発言もされているとか。また、「こんなに凄惨な運命にのみこまれても人間は生きていけるんだ、生きていかなきゃいけないんだ」と、梁石日氏の人間愛の強さに圧倒されました。
2013年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
…になりました。良い本です。きれいな状態で気持ちよく読めました。
2013年10月16日に日本でレビュー済み
フィクション部分が大半だとはおもうが、途中本を閉じたくなるような、悲惨な内容、巻末の主人公のモデルの当時を写した写真が、痛々しい。
2021年9月29日に日本でレビュー済み
日本人として従軍慰安婦について次の世代にも伝えるべき責任があると思い資料に当たっている中でこの本を知りました。作者は巻末に「この小説は、フィクションであることを断っておく。」と記していますが、その前に並べられた参考資料を見るとほとんど史実に基づいていると考えるべきだと思います。むしろある種の団体などからの抗議をかわし出版中止といった事態を避けるためにフィクションであると書いたのではないでしょうか。従軍慰安婦問題というと反対派は朝日新聞の吉田証言が元凶であるかの如く考えているようですが、それは国際的な理解と大きくかけ離れています。吉田証言以外にも従軍慰安婦の実態を示す資料は多くありますし、海外のメディアの報道でも吉田証言はほとんど重視されていません( データから見る「慰安婦」問題の国際報道状況)。むしろ、「慰安婦問題が日本のイメージを傷つける」と言うとき、吉田清治氏に代表される「強制連行」のイメージが響いているのではなく、日本の保守政治家や有識者たちがこの「強制性」の中身にこだわったり、河野談話について疑義を呈するような行動をとったりすることのほうが、日本のイメージ低下につながるようです。