日本と中国の大学で、どちらがより社会に貢献しているかを問うています。
著者は筑波大学（国立）教授ですが、日本の大学の評価は高くなく、日本の経済もバブル崩壊のつけを東南アジアに回して迷惑かけたとしています。大学発ベンチャーも低調で、中国に大差をつけられていると言います。（日本の大学発ベンチャーは、dndi.jpで特集されており頑張ってるのもあります）
中国の大学はかつて国営企業と連結されており、産学提携の歴史はかなり積まれています。しかし近年、国営企業の衰退によって私企業に行く学生が増え、私立大学というのも現れてきました。そして多くの大学がベンチャー企業を育て社会貢献しているそうです。（著者は中国育ちで、中国社会を深く研究しています）
因みに文革で大学が荒れ放題になってから、ようやく正常な運営に立ち直ったのは1977年からです。1998年には公務員の大幅削減があり、職員は国有企業に配分されたため学生の受け入れが減り、あぶれた卒業生が日本に留学生として大勢来ました。
2000年からは国が100の重点校を選出して補助金を出す制度となり、その席を巡って熾烈な大学間の統併合が行われました。今最も規模の大きなのは、学生4万人・教員1万人を擁する浙江大学です。
また、大学とは別に成人高等教育機関というのが普及しており、これは労働者が主役の社会主義の面目躍如です。そこでも校営企業が発達しており、実用教育に重点を置く共産党の方針が生きている様です。
しかしあまり企業活動ばかりして教育を疎かにしない様、紅黄牌（レッドカード・イエローカード）という制度が設けられ、レッドカードで学校取り潰しになる例も紹介されています。
研究・教育の内容については、バイオ系の基礎研究に特に力を入れており、それは私の専門の有用微生物群利用の分野でも実に先進的です。
英語教育も実に熱心で、TOEFLの成績は世界でもトップらしく、アメリカ留学の多さがそれを物語っています。
以上、私が有意義だと感じた事を挙げました。大学は社会の反映だと観て、中国の理解を深める一途になりました。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
