きょうから寝るまえの読書は、怪奇幻想小説シリーズ『ウィアード』3の再読だ。タイトルを見ても、1作も思い出せない。さらっぴんの本を読むような気分だ。お得だ。ただ健忘症のぼくのおつむのことが心配だ。
1作目は、H・P・ヴクラフトの「壁のなかの鼠」主人公の祖先の館を、主人公が訪れると、鼠の大群が壁のなかを移動する音が聞こえた。罠を仕掛けても捕まえられず。館を発掘すると、古代から儀式が行われていた跡が出てきた。人骨が散らばっており、いずれも鼠に齧られた跡があった。退屈な読み物。
2作目は、クラーク・アシュトン・スミスの「柳のある山水画」主人公は家にある絵や陶器を売って弟の学資にあてていた。さいごに手放した絵には主人公と女性が描かれていた。
3作目は、ロバート・アーヴィン・ハワードの「夜の末裔」六人の男たちがいて、そのうちの一人が主人公で、古代の記憶を思い出して、六人のうちの一人を夜の末裔という人種だと思い、襲う。おそらく主人公は気が狂っているのだろう。
4作目は、マンリイ・ウェイド・ウェルマンの「謎の羊皮紙」雑誌『ウィアード・テイルズ』を受け取った妻。妻からそれを渡された夫。雑誌のなかに羊皮紙が挟まれていた。羊皮紙にはネクロノミコンと書かれていた。これはラヴクラフトの創造物だった。羊皮紙は生きて動いた。聖水で灰と化した。
5作目は、デイヴィッド・H・ケラーの「地下室になにが」主人公の子どもは、赤ちゃんのときから台所にある扉を怖がっていた。扉の向こうにはなにもなかったのだが。医者の助言で、父親は子どもに勇気を持たすため、台所に閉じ込めた。すると、子どもはなにものかにずたずたにされて殺された。この作者の名前、デイヴィッド・H・ケラーには記憶があったので調べてみたら、講談社文庫『華麗なる幻想』、世界SF全集・第31巻に「歩行者族の反乱」を書いていた作者だった。ぜんぜん違う傾向の作品を書けるひとだったんだね。多才なひとだ。
6作目は、シーベリイ・クインの「奇妙な中断」主人公は海賊に囚われた青年。青年は、青年と同じように囚われた女性を愛する。海賊の頭は青年を去勢する。青年は女性といっしょに奴隷にされるが、魔女の魔法の力で逃亡する。その後、海賊の頭に復讐する。主人公たちは、余生は幸せな人生を送る。この短篇は読んだことを憶えていた。
7作目は、ミンドレッド・ロードの「裸の貴婦人」大富豪がいて女優を妻にしていたが、女優は夫のもとを離れた。大富豪は妻の爪や髪を集めて、絵描きにそれを絵具に混ぜて、妻の肖像画を描かせた。ブードゥの呪いをかけようとしたのだ。だが画家は絵を2枚描いて複製のほうを大富豪に渡したのだった。それで大富豪は絵に傷をつけて妻に復讐しようとしたのだが、復讐はされず、画家が原画を展覧会に出したことで、女優はだれかわからないが大勢の人間に見つめられているような気がしたのだった。
8作目は、オーガスト・ダーレスの「吹雪の夜」吹雪の夜に屋敷の東側に吸血鬼の少女と老人が現われる。少女はむかし屋敷で雇われていた少女で、老人の息子と恋仲になったので吹雪の夜に屋敷を追い出されて凍え死んだのだった。老人はその後、少女によって殺されて吸血鬼にされてしまったのである。
9作目は、ハネス・ボクの「邪悪な人形」画家がモデルにお金をたかるのに、ブードゥの呪いを使う。しかし、モデルの苦難を見た男が、モデルの人形を6体つくっておいたので、画家がモデルの人形を壊しても、モデルは死ななかった。モデルは自分の一部が死んだと感じたがそれはどうでもいい自分だった。
10作目は、オスカー・クックの「特別料理」タイトルからすぐ連想されるように、特別料理とは人肉料理のことで、不義を犯した男を殺して食べていた犯人を知人が殺したことを告白したところで終わっている。
11作目は、ジャック・スノーの「夜の翼」飛行する夢を見ていた男が、目が覚めたあと、飛行できると思って、窓から飛び降りた。死体が翌日見つかる。
さいごの12作目は、ソープ・マクラスキイの「六〇七号室の女」死んだ女は部長刑事を愛していた。霊になって部長刑事のまえに現われた。霊はほかの男たちの生気を吸い取って存在していた。部長刑事はほかの刑事に、死んだ女の霊を殺させた。死んだ女のエクトプラズムはゼリー状だった。
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ウィアード 3 (怪奇幻想小説シリーズ) 文庫 – 1990/10/1
H.P. ラヴクラフト
(著),
大滝 啓裕
(編集)
壁のなかの鼠,柳のある山水画,夜の末裔,謎の羊皮紙 他
- 本の長さ340ページ
- 言語日本語
- 出版社青心社
- 発売日1990/10/1
- ISBN-104915333809
- ISBN-13978-4915333804
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登録情報
- 出版社 : 青心社 (1990/10/1)
- 発売日 : 1990/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 340ページ
- ISBN-10 : 4915333809
- ISBN-13 : 978-4915333804
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,484,441位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年4月29日に日本でレビュー済み
伝説のパルプ雑誌『ウィアード・テールズ』の傑作集の第3弾。ラヴクラフトやハワード、スミスと云ったお馴染みの面々は相変わらず密度の高い悪夢・幻想を見させてくれますし、他の作家陣も流石に質が高いです。ウェルマンの作品は『ネクロノミコン』そのものを恐怖の題材として取り上げたクトゥルーものの異色作。クックの作品はタイトルから判る通りの内容です。マクラスキイはややアクティブなオカルト探偵もので、他には、呪いによる戦いをテーマにした傑作群も捨て難いです。
私自身のオススメは『オズの魔法使い』シリーズの編集で知られるスノーの作品。極く短いものですが、4巻の『毒』と合わせて、これ程美しい死の幻想は他にそうありません。それからクインの作品にも注目です。17世紀を舞台にしたロマンスなのですが、血と屍体の上に幸福の幻想城を築き上げるこの作家の手腕が存分に振るわれています。
収録作品は以下の通り。
壁のなかの鼠(H・P・ラヴクラフト)
柳のある風景(C・A・スミス)
夜の末裔(R・E・ハワード)
謎の羊皮紙(M・W・ウェルマン)
地下室になにが(D・H・ケラー)
奇妙な中断(S・クイン)
裸の貴婦人(M・ロード)
吹雪の夜(A・ダーレス)
邪悪な人形(H・ボク)
特別料理(O・クック)
夜の翼(J・スノー)
六〇七号室の女(T・マクラスキイ)
巻末には1927.11-1928.6月号の『ウィアード・テールズ』収録作品の解説と、それらの表紙が収められています。
私自身のオススメは『オズの魔法使い』シリーズの編集で知られるスノーの作品。極く短いものですが、4巻の『毒』と合わせて、これ程美しい死の幻想は他にそうありません。それからクインの作品にも注目です。17世紀を舞台にしたロマンスなのですが、血と屍体の上に幸福の幻想城を築き上げるこの作家の手腕が存分に振るわれています。
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夜の末裔(R・E・ハワード)
謎の羊皮紙(M・W・ウェルマン)
地下室になにが(D・H・ケラー)
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裸の貴婦人(M・ロード)
吹雪の夜(A・ダーレス)
邪悪な人形(H・ボク)
特別料理(O・クック)
夜の翼(J・スノー)
六〇七号室の女(T・マクラスキイ)
巻末には1927.11-1928.6月号の『ウィアード・テールズ』収録作品の解説と、それらの表紙が収められています。