くらくらとさせるような意図した印画紙への焼付けが,
昼間とは何だったか。と,まざまざと見せ付けられる夜景が真昼間の観念を反転させる様に
フォトグラファー今井智己氏が立ち会った一瞬を写真から切り出しだしています.
身近な場所や物を対象にしているだろうその風景は簡素な構成で,簡潔な空間構成です.
気が付くことは,モチーフまでの距離がぶれていないこと.
写真家の強さと優れた感覚からでしょう,別々の写真が同じ大地で続いていく感覚を覚えます.
それらが全ての写真から共通してみてとれること.モチーフへの眼差しに無類な感触を覚えます.
うっすらと緩やかに変化する光の階調が生々しく,アートディレクション谷口倍夫の意図したところでしょう,写真家の意図を汲み上げた印刷物の到達点を見せつける美しい写真集に仕上がっています.
あとがきに彫刻家の舟越桂.学芸員の天野太郎が文章を添えています.
真昼間の写真だけを収めた図録ではない,片意地の張らないアートな写真集でもあります.
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真昼 ハードカバー – 2001/11/1
日本語版
今井 智己
(著)
都市圏のありふれた景観を被写体としつつ、そこに注がれた眼差し、「見ている」という極めて凝縮した感覚をそこ抽出する驚異の新人。
夜の闇の奥にも垂直に降りそそぐ光がある。
その待ち受けられた瞬間の、写真の慄き。
夜の闇の奥にも垂直に降りそそぐ光がある。
その待ち受けられた瞬間の、写真の慄き。
- 本の長さ104ページ
- 言語英語, 日本語
- 出版社青幻舎
- 発売日2001/11/1
- ISBN-104916094492
- ISBN-13978-4916094490
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
写真がともすれば獲得してしまうイメージのモニュメント性を、注意深く削ぎ落とした写真の数々。夜景も昼間の風景もあるいは室内のそれも同じレイアウトで併置され、それぞれに等価な視線が注がれる。
登録情報
- 出版社 : 青幻舎 (2001/11/1)
- 発売日 : 2001/11/1
- 言語 : 英語, 日本語
- ハードカバー : 104ページ
- ISBN-10 : 4916094492
- ISBN-13 : 978-4916094490
- Amazon 売れ筋ランキング: - 696,439位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,385位写真家の本
- - 3,175位カメラ・ビデオ (本)
- カスタマーレビュー:
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2015年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2003年9月9日に日本でレビュー済み
ここにある写真には、無限のときの流れを感じる。その風景は、そのままずっとそこあり続けるみたいな。風景の一瞬を切り取っただけなのに、時間はそこで流れ続けてる。写真の端から、買い物袋をぶら下げたオバサンが歩いてそのまま通り過ぎても、凄く自然なことと受け取ってしまうだろう(それはないけど)。
2002年5月2日に日本でレビュー済み
街灯に照らされた道、行き止まりの道、雪の積もった山、青々とした木々。全てが静謐な世界として留められている。でもそれは表面上のこのだけで、細部におよぶフォーカスの合わせ方、コントラストへのこだわりから、内面から何かがこみ上げてくるような強さを感じる。この写真集の中には喜びや悲しみという感情の区別はなく、「見ること」という一つの行動だけが記録されている。
孤独というセンチメンタルな言葉を持ち出すのも失礼かと思うが、これほどまで孤独で気高い写真を私は見たことがない。
孤独というセンチメンタルな言葉を持ち出すのも失礼かと思うが、これほどまで孤独で気高い写真を私は見たことがない。