2004年は「読本」「このラノ」「めった斬り!」とにわかにライトノベル解説本がブームになったのですが、本書もその系列のガイドブックです。上記3タイトルと比較した「ライトノベル・データブック」の特徴は
①「少年系」と銘打たれたようにコバルト、X文庫など少女向けレーベルの作品は対象としていない。
②主に80年代末以降(スニーカー・ファンタジアあるいはロードス・スレイヤーズ以降)の作家・作品を紹介している。
③ライトノベルの歴史といった縦の流れには言及せず、並列的に紹介を行う構成になっている。
④作品紹介は内容説明が主で、主観的な評価を抑え中立的な解説が心がけられている。
などが挙げられると思います。こうした編集方針によって本書は派手さ、読み物としての面白さにやや欠ける部分はありますが、極めて誠実かつ実用性の高いガイドブックになっています。売り上げ、図書館での回転率、知名度などのデータをもとにした作家・作品選択のバランスの良さも特筆すべきものがあり、書店でライトノベルの棚を担当しているという著者の経験が生かされているように思えます。
「ライトノベルについて語る」事がネット内から商業出版に拡大しつつある現在の状況は、楽しくある一方で「ライトノベル」のとんがった部分が過剰に強調されて実際の読書状況と乖離している感もあります。そんな中、本書の良い意味でのベーシックさは面白いライトノベルを探し、読んでいく楽しみを手助けしてくれる良い指針の1つになるでしょう。
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ライトノベル・データブック 「作家&シリーズ/少年系」 単行本 – 2005/1/29
榎本 秋
(編集)
- 本の長さ239ページ
- 言語日本語
- 出版社雑草社
- 発売日2005/1/29
- ISBN-104921040087
- ISBN-13978-4921040086
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登録情報
- 出版社 : 雑草社 (2005/1/29)
- 発売日 : 2005/1/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 239ページ
- ISBN-10 : 4921040087
- ISBN-13 : 978-4921040086
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,902,281位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,782位本・図書館関連書籍
- - 78,812位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1977年東京生。
2004年より、『ライトノベル完全読本』(日経BP社)・『活字倶楽部』(雑草社)で本の紹介をする。
2005年、初の編著本『ライトノベル データブック【作家&シリーズ/少年系】』(雑草社)を刊行。
2007年、初の単独著本『戦国 軍師入門』(幻冬舎)を刊行。
定期的に歴史、ブックガイド、小説の書き方本を上梓する。
代表作は
■小説の書き方 『ライトノベル作家になる』
■歴史新書『10大戦国大名の実力 「家」から読み解くその真価 (ソフトバンク新書) 』
■ブックガイド 「最強ブックガイドシリーズ」
■評論 『ライトノベル文学論』
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2008年11月23日に日本でレビュー済み
本書は、ライトノベル業界の中でも特に有名なレーベル・作者・作品を取り上げ、特徴や魅力について詳細にレポートしている。
出版からやや時間が経過しており、最新の情報ではないとは言え、「涼宮ハルヒシリーズ」や「キーリ」など、現在有名な作品も掲載されている。「ライトノベルを何冊か読んでいて、もっと詳しくなりたい。」「ライトノベルに詳しいが、他の人はどんな評価をしているのか知りたい。」そんな人にオススメできる一冊と言える。
あえて弱点を探すとすれば、文章量がかなり多いことだろうか。読みやすい文章ではあるのだが、一冊を一度に読みきるのは難しい。
ただ、弱点であると同時に、手元においてじっくり味わえる本書の魅力でもあるだろう。
「次は何を読もうか」とページをめくるのが楽しみな本である。
出版からやや時間が経過しており、最新の情報ではないとは言え、「涼宮ハルヒシリーズ」や「キーリ」など、現在有名な作品も掲載されている。「ライトノベルを何冊か読んでいて、もっと詳しくなりたい。」「ライトノベルに詳しいが、他の人はどんな評価をしているのか知りたい。」そんな人にオススメできる一冊と言える。
あえて弱点を探すとすれば、文章量がかなり多いことだろうか。読みやすい文章ではあるのだが、一冊を一度に読みきるのは難しい。
ただ、弱点であると同時に、手元においてじっくり味わえる本書の魅力でもあるだろう。
「次は何を読もうか」とページをめくるのが楽しみな本である。