装丁やタイトル,目次を開いて目に入るテーマの取り方から,
いまどきの話題をお手軽に扱った,使い捨ての読み物かな,なんて思うかもしれません。
昔,ゲーム雑誌に連載していた著者だから,
きっとそっち方面の話題が多いだろう,なんて思う人もいるかもしれません。
そうした期待でこの本を読むと,きっとがっかりします。
著者は,かなり覚悟を決めて,骨太にものを考えています。
そして,とても誠実です。
ベストセラー本の皮をかぶった,思索の書です。
読み応えのある本を探している,考えることの好きな人に,お勧めします。
もっとも,プロレスが好きという著者の趣味はなんだか違和感あるけど。
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こころの時代解体新書 単行本 – 2000/5/1
香山 リカ
(著)
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社創出版
- 発売日2000/5/1
- ISBN-104924718378
- ISBN-13978-4924718371
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「こころの時代」とはいったい何か。だれもが「こころ」とか「自分」といったことを考えるようになったことで、本当に何かが良い方向に変わったのか。97年7月号から雑誌『創』で始めた連載をまとめたもの。
登録情報
- 出版社 : 創出版 (2000/5/1)
- 発売日 : 2000/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4924718378
- ISBN-13 : 978-4924718371
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,953,530位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 79,923位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年札幌市生まれ。
東京医科大学卒業。精神科医として病院での診察に携わりながら、立教大学現代心理学部映像身体学科教授として教壇にも立つ。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を鋭く分析し、きめ細かな解決策を提示する。ほかにも、政治・社会批評、サブカルチャー批評、皇室問題から趣味のプロレスに関する批評まで、幅広いジャンルで活躍する。事務所では住み着いたノラ猫1匹、自宅では犬1匹と猫5匹と同居。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年5月26日に日本でレビュー済み
本書は,マスコミによく登場する精神科医が昨今の社会を騒がせた事件についての見解をまとめただけの本ではない。特に評者が興味を惹かれたのは,著者の内面の記述である。つまり,そこには,精神保健の専門家としてマスコミに関わることが,どのような体験であるのかが記されている。マスコミを通じて精神科医として見解を示すことは,立派な精神保健普及活動である。それゆえ著者は,精神医療関係者の代表だといってもよい。しかし,同時にこれは危うさを伴う仕事でもある。情報とて十分でない状況で,突然にマスコミ関係者からコメントを求められて,説得力のある回答をしなくてはならない。このような場で活動してきた著者だからこそというべきだろうか,本書の中では著者の自己懐疑が繰り返し表明されている。しかし,その大変さは,それに留まらない。マスコミでの活動は学術的な実績としてはカウントされず,専門を同じくする者から高く評価されることが望めないということである。努力して学識を蓄えてきた者にとって,これはやはり無念なことに違いあるまい。実際に,大多数の精神科医は,そのような仕事を,むしろ世俗的な論争に巻き込まれかねないとして,それを避けているという現状がある。
前述したような不利を承知の上で,著者はこの仕事に自らを任じているようである。そして,「そのためには,本当は精神科医にも役回り制度のようなものが必要なのだ。何も大家や学会の重鎮が表に出てくることはないが,スポークスマン役の人(批判の矢面に立たされてもよいという人)が狂言回し的に多くの精神科医の見解をまとめて述べた上で,その限界についても語るようにする」ことが必要だと述べている。香山リカという大衆におもねるようなペンネームとは裏腹な,実に堅実なバランスの取れた態度である。これこそがマスコミに長く信頼されてきた秘訣であろうし,「代表」としての自覚を示すものだろう。
前述したような不利を承知の上で,著者はこの仕事に自らを任じているようである。そして,「そのためには,本当は精神科医にも役回り制度のようなものが必要なのだ。何も大家や学会の重鎮が表に出てくることはないが,スポークスマン役の人(批判の矢面に立たされてもよいという人)が狂言回し的に多くの精神科医の見解をまとめて述べた上で,その限界についても語るようにする」ことが必要だと述べている。香山リカという大衆におもねるようなペンネームとは裏腹な,実に堅実なバランスの取れた態度である。これこそがマスコミに長く信頼されてきた秘訣であろうし,「代表」としての自覚を示すものだろう。