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授業の基礎としてのインストラクショナルデザイン 単行本 – 2004/12/1
赤堀 侃司
(著)
本書は、大学の学部のテキストを想定して、授業デザインの基礎的な内容について述べたものです。大学のテキストと言っても、専門科目ではなく、教員免許を取得するために必要な教職科目を想定しています。内容的には、教育の方法、メディアと教育、教育工学などの科目と関連が深く、小学校から大学までの授業を対象にして、授業を構成している基礎的な内容について、解説したものです。
本書の題名に、聞き慣れないインストラクショナルデザインという用語を用いています。何故このカタカナの用語を用いたかと言えば、授業設計という用語は、1時間や1単元の授業の設計、つまり指導案の作成というイメージが強いからです。しかし、教員の情報スキルを育てる研修プログラムの開発をしなさいと言われると、指導案の作成というイメージではなく、もっと全体的に見てデザインしなければならないということがわかります。また、市民講座で講師となって講座をもつことになったら、これまでの生徒を対象にした学校の授業と異なるデザインをするでしょう。あるいは、放送大学で講義を持つことになったら、Webで講義を配信するeラーニングで講義をすることになったら、教室での授業と、少し違う展開を考えるでしょう。このように幅広い授業のデザインをイメージしてもらうために、インストラクショナルデザインという用語を用いています。
しかし、通常の授業デザインが基本であることは間違いなく、それ以上の特別な意味を持っているわけではありません。それにも関わらず、インストラクショナルデザインが、今日きわめて注目されている理由は、eラーニングと呼ばれる遠隔教育の学習システムが、大学や企業などで、注目を浴びていることによります。大学などでは、少子化に伴い、多くの学生を集めて入学させることが困難になってきており、学生の確保がきわめて厳しい状況になっています。このために、社会人などを対象にした、生涯学習を念頭に置いた教育システムを考える必要がでてきました。
しかし、昼間から大学のキャンパスに出てきて、講義を聴いて単位を修得し、卒業資格を得るというスタイルでは、もはや通用せず、文字通り、「いつでもどこでも」学習できる環境でなければ、このような教育システムは成立しません。それでは、通信教育や放送大学などと同じではないかと言われるかもしれません。確かに、印刷物や放送やインターネットという媒体は異なりますが、本質的な仕組みは同じでしょう。であるならば、その本質的な仕組みは、どうなっているのでしょうか。しかも、このような遠隔教育システムでは、誰でもすぐに思いつくように、どのようにして学習を継続させたらいいかが、難問なのです。飽きさせないで、毎回視聴させるには、それなりの工夫が必要になります。それは単なる工夫というレベルではなく、きちんとした専門的な知識や技術が要求されます。それを、講義を担当する講師だけに任せることが難しいのは、講師は内容の専門家ですが、どう相手にわかりやすく伝えたらいいかという方法の専門家ではないからです。
そこで、内容をどうプレゼンテーションしたらいいか、どのように内容を構成したらいいか、どう質問したらいいか、どう評価したらいいか、という全体を構成し全体をまとめるというデザインについて、講師自身が学習するか、専門家が必要です。その専門家が、インストラクショナルデザイナーと呼ばれますが、我が国にはほとんどいません。
本書は、その基礎としてのインストラクショナルデザインについて、解説したもので、同時に、先に述べたように、学部の教職科目のテキストを想定しています。多くの人に、テキストとして活用していただけければ、幸いです。(赤堀侃司)
本書の題名に、聞き慣れないインストラクショナルデザインという用語を用いています。何故このカタカナの用語を用いたかと言えば、授業設計という用語は、1時間や1単元の授業の設計、つまり指導案の作成というイメージが強いからです。しかし、教員の情報スキルを育てる研修プログラムの開発をしなさいと言われると、指導案の作成というイメージではなく、もっと全体的に見てデザインしなければならないということがわかります。また、市民講座で講師となって講座をもつことになったら、これまでの生徒を対象にした学校の授業と異なるデザインをするでしょう。あるいは、放送大学で講義を持つことになったら、Webで講義を配信するeラーニングで講義をすることになったら、教室での授業と、少し違う展開を考えるでしょう。このように幅広い授業のデザインをイメージしてもらうために、インストラクショナルデザインという用語を用いています。
しかし、通常の授業デザインが基本であることは間違いなく、それ以上の特別な意味を持っているわけではありません。それにも関わらず、インストラクショナルデザインが、今日きわめて注目されている理由は、eラーニングと呼ばれる遠隔教育の学習システムが、大学や企業などで、注目を浴びていることによります。大学などでは、少子化に伴い、多くの学生を集めて入学させることが困難になってきており、学生の確保がきわめて厳しい状況になっています。このために、社会人などを対象にした、生涯学習を念頭に置いた教育システムを考える必要がでてきました。
しかし、昼間から大学のキャンパスに出てきて、講義を聴いて単位を修得し、卒業資格を得るというスタイルでは、もはや通用せず、文字通り、「いつでもどこでも」学習できる環境でなければ、このような教育システムは成立しません。それでは、通信教育や放送大学などと同じではないかと言われるかもしれません。確かに、印刷物や放送やインターネットという媒体は異なりますが、本質的な仕組みは同じでしょう。であるならば、その本質的な仕組みは、どうなっているのでしょうか。しかも、このような遠隔教育システムでは、誰でもすぐに思いつくように、どのようにして学習を継続させたらいいかが、難問なのです。飽きさせないで、毎回視聴させるには、それなりの工夫が必要になります。それは単なる工夫というレベルではなく、きちんとした専門的な知識や技術が要求されます。それを、講義を担当する講師だけに任せることが難しいのは、講師は内容の専門家ですが、どう相手にわかりやすく伝えたらいいかという方法の専門家ではないからです。
そこで、内容をどうプレゼンテーションしたらいいか、どのように内容を構成したらいいか、どう質問したらいいか、どう評価したらいいか、という全体を構成し全体をまとめるというデザインについて、講師自身が学習するか、専門家が必要です。その専門家が、インストラクショナルデザイナーと呼ばれますが、我が国にはほとんどいません。
本書は、その基礎としてのインストラクショナルデザインについて、解説したもので、同時に、先に述べたように、学部の教職科目のテキストを想定しています。多くの人に、テキストとして活用していただけければ、幸いです。(赤堀侃司)
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社日本視聴覚教育協会
- 発売日2004/12/1
- ISBN-104930784026
- ISBN-13978-4930784025
商品の説明
出版社からのコメント
「インストラクショナルデザイン」というとeラーニング教材を開発するための技術というイメージがありますが、この本は単に、教材開発ということでなく、小学校から大学までの「授業」に、インストラクショナルデザインの技術をどう取り入れるか、つまり、教授内容をどのように構成し、どのようにプレゼンテーションし、どのように質問し、どのように評価するかということが、著者自身の教育実践を通して、わかりやすく解説されています。
大学や大学院でのテキストを想定して書かれているため読みやすく、項目ごとに課題と回答例が示され、考える糸口が示されている点が、教育現場の教師にとって実際に役立つでしょう。また、教育関係者だけでなく、プレゼンテーションを頻繁に行う企業人にとっても、相手に内容を伝えるための手法ということで、参考になるでしょう。
大学や大学院でのテキストを想定して書かれているため読みやすく、項目ごとに課題と回答例が示され、考える糸口が示されている点が、教育現場の教師にとって実際に役立つでしょう。また、教育関係者だけでなく、プレゼンテーションを頻繁に行う企業人にとっても、相手に内容を伝えるための手法ということで、参考になるでしょう。
著者について
赤堀侃司(あかほりかんじ)
東京工業大学教授 工学博士
現在、東京工業大学教育工学開発センターおよび大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻 教育工学講座に在籍
主な分野は、教育工学、情報教育
東京工業大学教授 工学博士
現在、東京工業大学教育工学開発センターおよび大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻 教育工学講座に在籍
主な分野は、教育工学、情報教育
登録情報
- 出版社 : 日本視聴覚教育協会 (2004/12/1)
- 発売日 : 2004/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 4930784026
- ISBN-13 : 978-4930784025
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年6月19日に日本でレビュー済み
昨今、注目度が高いインストラクショナルデザインであるが、注目度の割には圧倒的に本格的な専門書が少ない。インストラクショナルデザインが日本に紹介されてまだ日が浅いということも関係しているのであろうが、それにしても少なすぎる。そういった意味で言うならば、この本の存在価値は大きい。内容は、いたって簡潔明瞭かつシンプルでインストラクショナルデザインの基本の基本の基本書といった趣である。インストラクショナルデザインをeラーニングと無理に関連付けることなく、広く多角的な観点から考察していることも好感が持てる。まさしく、インストラクショナルデザイン初心者と教員を目指す人のための基本書といったところであろう。
2005年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単一事例研究法に基づく教授行動について知りたいと思い購入しました。その意味ではちょっと的はずれな本でした。でも面白かったです。
e-ラーニングやそれに類する教え方の技術について知りたい方はいいのではないでしょうか。私はこの分野では全くの初心者でしたので興味深く読みました。
内容については私にもわかったということでかなり初心者向きだと思いました。
プレゼンテーションをすることが多い方や,日頃から講義・講演などをされる方にはいいのはないでしょうか?一般の学校の先生方にはちょっと???となる本だと思います。
e-ラーニングやそれに類する教え方の技術について知りたい方はいいのではないでしょうか。私はこの分野では全くの初心者でしたので興味深く読みました。
内容については私にもわかったということでかなり初心者向きだと思いました。
プレゼンテーションをすることが多い方や,日頃から講義・講演などをされる方にはいいのはないでしょうか?一般の学校の先生方にはちょっと???となる本だと思います。
2005年1月12日に日本でレビュー済み
「インストラクショナルデザイン」というとeラーニング教材を開発するための技術というイメージがあるが、この本は単に、教材開発ということでなく、小学校から大学までの「授業」に、インストラクショナルデザインの技術をどう取り入れるか、つまり、教授内容をどのように構成し、どのようにプレゼンテーションし、どのように質問し、どのように評価するかということが、著者自身の教育実践を通して、わかりやすく解説されている。大学や大学院でのテキストを想定して書かれているため読みやすく、項目ごとに課題と回答例が示され、考える糸口が提供されている点が、教育現場の教師にとって実際に役立つだろう。また、教育関係者だけでなく、プレゼンテーションを頻繁に行う企業人にとっても、相手に内容を伝えるための手法ということで、参考になるだろう。