微積の実世界への応用例をイメージするのにはよさそう。解説はところどころ大きく端折ってあり、また本文中にも「数式が理解できなければ飛ばし読みしてイメージを掴んで欲しい」と書かれているため、数式パターンの訓練のための本ではなく、数式操作の背景を説いた本である。
これで微積のイメージができたからといって演習ドリルが解けるようにはならないので、その訓練は別途必要。
このレベルの解説であれば、教科書や他の書籍でも見かける程度のものなので、どんな立ち位置を目指して書かれたのか、その設定がぼんやりしている気がする。
数学を分かってる人たちが「あー、そうだよね、そうなんだよね」と歓談してる印象。
読みやすくはあるので、半日かけて微積のおさらいを軽くやるには悪くない…かも知れない。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
微分・積分の意味がわかる: 数学の風景が見える 単行本 – 2000/9/1
野崎 昭弘
(著)
速さとは何か/近似計算と無限和/関数と微分/関数と積分/未来の予測
- 本の長さ171ページ
- 言語日本語
- 出版社ベレ出版
- 発売日2000/9/1
- ISBN-104939076490
- ISBN-13978-4939076497
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
商品説明
とてもおもしろい本である。よく「数学は社会では役に立たないから不要である」と主張する識者がいる。なかには「自分は社会に出てから二次方程式の解の公式を使ったことがない。だから不要である」と平然と主張する者さえいる。こうした識者からの批判に対し、著者らは「私たちは心豊かに生きるために勉強するのである」と主張する。
本書は明快でわかりやすく、大胆かつ斬新で内容が深い。1つの項目は見開き2ページでまとめられ、しかも数式よりも図表が豊富で親しみやすい。また、各々の項目もありきたりでなく「風速の測り方」、「用紙A判、B判」などよく工夫されている。大胆で斬新な点は、たとえば、さまざまな関数の導入として、計算や公式を廃し、まるで絵画のようにグラフを並べて読者にそれらを鑑賞させたり、つまずきやすい特殊関数の微分では、グラフを使って実際に手作業で微分をしてみせたりしている。数学的な形式よりも「どうしたらわかりやすいか」をとことん追求している点が本書の最大の特徴である。
とはいっても内容は実は高度であり、大学初年度で習う解析学から微分方程式論のはじめぐらいまでをカバーしている。本当のゆとりの教育とは教える程度を下げることではなく、余計なことを省いて本質的な内容をじっくりと教育することなのではないだろうか。手計算をしなくても済むように工夫されているので、電車の中で、あるいは寝転びながらでも読むことができる。数学に苦手意識がある人や意欲的な中高生にはぜひ読んでほしい1冊である。きっと数学の見方が変わるはずだ。(別役 匝)
内容(「MARC」データベースより)
微分・積分がわかるということは、速さとは何かを理解することである。計算はもちろん、「意味がわかる・感じがつかめること」に焦点をあて、愉しみながら、微分・積分の世界を体感し、理解できる。
登録情報
- 出版社 : ベレ出版 (2000/9/1)
- 発売日 : 2000/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 171ページ
- ISBN-10 : 4939076490
- ISBN-13 : 978-4939076497
- Amazon 売れ筋ランキング: - 769,668位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 558位微積分・解析
- - 1,580位高校数学教科書・参考書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2001年2月25日に日本でレビュー済み
「知るは楽しみなり」というが、学んだのにも係わらず、今一つ不得要領の事柄が残ったときの居心地の悪さは、「知らぬは苦しみなり」といえるかもしれない。
評者にとってその一つは微分・積分である。大学受験の時に積め込んだ微分・積分の知識は、正に受験用のマニュアルとしての知識であった。その後、微分・積分を必要とするような環境になかったために、結局、微分・積分が何のためのものであったのか、あるいはその考え方の基本は何なのかは、おぼろげな霧の中という感じであった。
本書は、そのような悩める者への良い解説書になっている。無限小数の不思議といった数学にまつわる話題から始まり、徐々に、微積分への解説へと入るが、微積分の公式を忘れていたとしても、十分に理解可能だ。
移動の距離などといった数字で捉え易い現象と異なった、例えば「速度の時間による変化」を捉えようとするものが、微分であり、その微分の考え方の逆が、積分であること、積分によって、例えば球の体積や、表面積が求められることが理解できる。
受験時代からの霧が晴れたとまでは言わないまでも、本書によって多少は胸のつかえが下りたような気がする。
評者にとってその一つは微分・積分である。大学受験の時に積め込んだ微分・積分の知識は、正に受験用のマニュアルとしての知識であった。その後、微分・積分を必要とするような環境になかったために、結局、微分・積分が何のためのものであったのか、あるいはその考え方の基本は何なのかは、おぼろげな霧の中という感じであった。
本書は、そのような悩める者への良い解説書になっている。無限小数の不思議といった数学にまつわる話題から始まり、徐々に、微積分への解説へと入るが、微積分の公式を忘れていたとしても、十分に理解可能だ。
移動の距離などといった数字で捉え易い現象と異なった、例えば「速度の時間による変化」を捉えようとするものが、微分であり、その微分の考え方の逆が、積分であること、積分によって、例えば球の体積や、表面積が求められることが理解できる。
受験時代からの霧が晴れたとまでは言わないまでも、本書によって多少は胸のつかえが下りたような気がする。