都筑道夫を失ったことは、つくづく日本のミステリ界にとっての痛手だった、と思わせる一冊である。
上下二冊であるが。
実作者としても評論家としても、都筑道夫には一家言があった。
若い時代の自由奔放な作風から、中年期の端正な作風を経て、晩年はまた洒脱な作風に戻ろうとしていたようだ。
もちろん、年齢相応の衰えは作品の質の低下として反映していたが、それでも彼の作品の質の高さ、ロジックにこだわる姿勢はあいかわらずだった。
ミステリの創作のスタイルは、評論になってもあいかわらずだった。
本書は読みやすさという点では「推理作家の〜」に一歩を譲が、ミステリ作品を読み解く目と、それを評価し紹介する真摯な姿勢は、後輩達にちゃんと受け継がれていると思う。
そして、すべてのミステリ読みたち、都筑が取り上げ評価した作品がつまらないわけはない。
本書はすぐれたガイドブックであるとともに、晩年の都筑を知るための一冊なのだ。
読め!と言いたい。
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都筑道夫の読ホリデイ 上巻 単行本(ソフトカバー) – 2009/7/25
都筑道夫氏が、ミステリマガジンで14年にわたり連載されていた「読ホリデイ」を、氏の生誕80年を記念して出版。
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社フリースタイル
- 発売日2009/7/25
- ISBN-104939138453
- ISBN-13978-4939138454
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商品の説明
著者について
「EQMM」(エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン)初代編集長をつとめ、「ショート・ショート」を世に知らしめ、「007」を日本に紹介し、 SF、モダン・ホラーを日本に定着させるのに尽力し、『黄色い部屋はいかに改装されたか?』などの評論では、つねに推理小説界に波紋を呼び起こしてきた推理作家である。第54回推理作家協会賞受賞。第6回日本ミステリー文学大賞。
登録情報
- 出版社 : フリースタイル (2009/7/25)
- 発売日 : 2009/7/25
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 464ページ
- ISBN-10 : 4939138453
- ISBN-13 : 978-4939138454
- Amazon 売れ筋ランキング: - 981,670位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 251,779位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2010年2月6日に日本でレビュー済み
都筑道夫はつくづく読書が好きなんだ、と思わせる本。
作家なんだから読書好きはあたりまえ、と考えるのは早合点。
彼の凄いのは読書の中身であり、その深みである。
ミステリーマガジンの編集長を経験し、自らも多くのミステリーを
送り出してきた著者がどんな読書体験をしているのか、日記調に
綴られていて飽きることのない文面である。
翻訳のあり方からこよなく愛する半七捕物帳のことなど
都筑ワールドの趣向の根幹に触れられる。
「読書」という最高の生きる証が、再度素晴らしく感じられるのだ。
本の体裁もポケットミステリー調となっており、
なかなか雰囲気がある。二段組みだけど読みやすいと思う。
都筑愛読者だけでなく、良質なエッセイを読みたいと願う人に
オススメの本である。
作家なんだから読書好きはあたりまえ、と考えるのは早合点。
彼の凄いのは読書の中身であり、その深みである。
ミステリーマガジンの編集長を経験し、自らも多くのミステリーを
送り出してきた著者がどんな読書体験をしているのか、日記調に
綴られていて飽きることのない文面である。
翻訳のあり方からこよなく愛する半七捕物帳のことなど
都筑ワールドの趣向の根幹に触れられる。
「読書」という最高の生きる証が、再度素晴らしく感じられるのだ。
本の体裁もポケットミステリー調となっており、
なかなか雰囲気がある。二段組みだけど読みやすいと思う。
都筑愛読者だけでなく、良質なエッセイを読みたいと願う人に
オススメの本である。