（この本の本旨）表紙に、”この一冊でいわゆる「従軍慰安婦」問題の全てがわかるQ&A”、とあります。50ページあまりの薄い、パンフレットみたいな本であります。簡潔でありながら、”従軍慰安婦の強制連行はない”とする立場を明解に解説しています。
（読んだ後の、私個人の意見）強制連行については、あったとする立場（以後、「有る」）とないとする立場（以後、「無い」）があります。私自身は二十数年前、強制連行があったとする立場の本を読んだため、「朝鮮人女性がひどい目にあった」とする話、すなわち「有る」を信じてました。しかし、両方の立場を聞くと、日本軍による強制連行はつくり話であるとする考えに落ち着いて来てました。そして、この書でそれを確認した次第です。すなわち、今は「無い」とする立場に軍配が上がると思ってます。
仮に「有る」とする主張に味方するとして、この本の「無い」とする立場をひっくり返すことができるか、という観点で考えてみました。強制連行があったとする資料は何もないとするのがこの書の結論です。それに対し、強制連行を行った資料は処分されたとするのが「有る」とするかたがたの主張です。この書では”日本軍は駐屯地から出ていません”とあります。”二個師団のみ”であり、”ソ連からの領土防衛”が目的の日本軍を動かすことができないし、実際に動いていないという事実があるのなら、資料が処分されたのではなく、最初からないとする方が正しい気がします。また、憲兵警察も廃止されているとのことで、これでどうして日本軍が強制連行できるのか疑問です。軍による強制連行があるなら、暴動が起こりそうですが、”暴動が一件もない”とすることからも強制連行があったとは思いにくくなりました。こうして見ると、「無い」とする方が正しそうです。
強制連行は全くなかったかと言うと、そうではないようです。しかし、それは地元業者による強圧や甘言、誘拐・拉致などのようです。この書によれば、警察は悪徳業者の違法行為を取り締まるのに一生懸命だった記録があるとのことです。強制連行を取り締まっていた立場が強制連行をしていたとするのは無理があるような気がします。
こうなってくると、「有る」の主張である韓国側の資料や元従軍慰安婦の証言が事実と異なるのではないかなと思います。実際、元慰安婦の証言には信憑性がないとされています。強制連行の話はつくり話から始まったとするのが正しいようです。
（河野談話について、私の意見）強制連行があったことを政治判断の末に、しかたなく認めたとするいきさつで理解していました。しかし、2013年2月に韓国へ出かけて、次期大統領と会うところから推察すると、おかしな気がしてきました。まさかとは思いますが「もう少しお金をあげるから応援して」か、「応援してあげるからもう少し頂戴」などということは絶対ないと信じております。また、ここまで政府調査資料が揃っていれば軍による強制連行はないとすることを公言できるはずです。このレビューを書く前の時点では見直しをする・しないの議論がありました。それを先延ばしにする理由があるのでしょうか。下手に否定すると、かえって収集がつかなくなると考えているのでしょうか。それとも、韓国側から頼まれているのでしょうか。これについても、売国行為はないと信じております。
（反日について、私の意見）韓国にとって反日はお題目のようです。そして、この慰安婦問題もその一つのようです。国民の不満をそらすためのはけ口なのか、国民の意思統一を図るための道具なのか、どちらにしてもご立派なやり方ではないように思います。他国を敵対視することで、国をまとめるようなことをしても、国民のレベルは低いままであり、優秀な民族にはなりえないような気がします。
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