73年発表の1st。カンタベリー・ミュージックの最左翼(w)とも言うべきグループであり、ドイツのスラップ・ハッピーらと合体など、一つのコミュニティのような活動形態は同じくドイツのアモン・デュールを彷佛させる。メンバーはかなり流動的であったらしく、またライヴでは多くのゲストが参加するなどグループの形態は時々によって大きく変化しているようだ。このアルバムでの参加はジェフ・リー(木管)、ティム・ホジキンソン(Sax、鍵盤)、フレッド・フリス(g、vln)、ジョン・グリーヴス(B)、クリス・カトラーといった面々である。
1.はソフト・マシーン影響下のビッグ・バンド風のジャズ・ロックだが、フリー・フォームでありながらアンサンブルも絶妙というかなり傑出した曲である。2.は思いっきりハットフィールズを彷佛とさせる曲だが、なかなかの屈折ぶりを見せており、ある意味で本家を凌ぐ完成度だと思う。フルートの音色がとにかく美しい。3.はカンタベリーでありそうでなかったフリー・ジャズ。8はお化け屋敷か?w
やや取っ付き難いが、現代音楽などの要素を加味した濃縮されたスープのような濃いカンタベリー・ジャズ・ロックを聞かせるグループであり、演奏技術やアンサンブルなど特筆すべきところも多い。天才肌のグループである。