バド・パウエル直系のピアニストバリー・ハリスの1960年、サンフランシスコでのライブである。サム・ジョーンズ(b)、ルイス・ヘイズ(ds)というどちらかというと渋めのサイドメン。いつものようにサムのベースは、ひたすらランニングベースである。
ライブであるので、大変に外連味のないというか、気負ったところのない、演奏ぶりである。このとき、まだ31歳、まだまだ伸び盛りである。
このアルバムは、別テイクが2曲も付いているのでうれしい。ライブ音源でも、レコーディングを念頭に置いていると、いくつかテイクを重ねるのだと言うことか。
既レビューにあるように、プレスティッジ盤「Magnificient!」ほどのインパクトはないが、58年のデビューアルバム、アーゴ盤「Breakin’ it Up」と並ぶ初期の名演奏として記憶にとどめたいアルバムである。