ベイシーのアルバムとしては1979年の収録なので比較的新しいと言える。それ故ソロパートも多く、
新しい時代のビッグバンドを聴きたい方にはお薦めのアルバムだ。
演奏内容についてはライノ・ホーンさんが詳細なレビューを書いておられるので、私は音質に関して
お伝えしようと思う。
このアルバムは国内盤がリリースされていないので、国内で流行っている高音質CDが存在しない。
そこで已むなくインポート盤を購入したのだが、聴いてみて驚いた。結構な高音質なのである。
もしやと思ってジャケットの裏表紙を見たらDDDの文字がある。成る程と思った。
「DDD」とはデジタル・レコーダーの実用化以降にデジタル方式でマルチ録音されたソースを元に、
デジタル・レコーダーでミキシング、あるいは2chデジタルレコーダーで直接録音するというフル
デジタル工程で製作されたものを、デジタル・マスタリングしたと言う意味である。
1979年辺りはデジタル録音が始まった時期で、クラシックでは盛んにデジタル録音が試みられた。
ただしその頃のアナログ録音の技術は頂点に達していて、録音のみアナログで行ったADDの方が
音が良いとも言われている。
さて本アルバムだが、1995年発売とは思えない高音質である。現在のSHM-CDやUHQCDの製造
ラインで再プレスして貰えたら、とんでもない音質が得られるだろうと推測できるだけに残念にも
思うが、このままでも十分だと言える。兎も角聴き応えのあるアルバムなので、ビッグバンドが
お好きな方は是非聴いてみて頂きたい。