シュラプネルレーベルを代表する2人のギタリスト、リッチー・コッチェンとグレッグ・ハウによる競作の第2弾です。1997年発売。前作「Tilt」ではそれぞれの持ち味を生かした激しいギターバトルが展開されましたが、この「Project」では前作の延長線上の音作りにありなあら、ややリラックスした雰囲気の作風に仕上がっています。全10曲中、コッチェンの曲が5曲、ハウの曲が4曲で、残りの1曲はジェフ・ベックの名曲「レッド・ブーツ」(実際のクレジットはキーボードのマックス・ミドルトンです)が取り上げられています。
前作と比較してややリラックスしていると感じたのは、2人のソロパートが大幅に減少し、楽曲そのものを聴かせる傾向が強まっているからです。その点では、「とにかく弾きまくり状態」を期待するファンにとってはやや物足りない面も否めません。また、曲調も前作よりもファンク色が強まっています。そこら変がテクニカル色を相対的に薄めている要因でしょう。特にそれを強く感じたのはコッチェンのペンによるラストの「Noise」という曲で、あえて2人のソロを封印した曲作りに触れてしまうと、このスーパーギタリスト2人をもってしても、「両雄あい並び立たず」の感も否めません。