「While I come over here, I feel quite free, really free I feel」と述べるイントロダクションが今から思うととても衝撃的。
自由(フリー)とは「自らに由る」という意味である。これから自分がどういう音楽をやろうとしているのか、第1作にして既に悟ったかのごとく宣言できるところが Ayler だ。もっとも後になって62年10月の「The First Recording」が発掘されたので、63年1月コペンハーゲン録音のこれは第2作ということになった。
コード・モードの方法論から離れて、みずみずしい独自の感性をほとばしる演奏に変換できる天与の才能、それをスタンダードで聴けるところが非常に良い。
Niels Bronsted(p)、Niels Pedersen(b)、Ronnie Gardiner(ds)の3人がリズムとソングフォームを維持する上で、Ayler が自在にソロを繰り広げる「フリーバップ・スタイル」とまとめることも出来よう。が、これまでの積み上げを感じさない突然に空から舞い降りてきたかのような超越性は明らか。
「One day, everything will be as it should be」で〆る自己紹介。ほんと Albert Ayler 最高だ。