何が奇跡って、一番好きなジャズギタリストがグラント・グリーンで、一番好きなジャズトランペッターがドナルド・バードの僕にとって
こんな一枚アリかよ(笑)。どちらもヴァーヴ・レコードの1965年作品だが、何故か一緒にしちゃった。。まあ...お得だね!
まずグリーンの作品。ヴァーヴからは初の一枚。内容は痛快そのもの。彼はブルーノートからの一連の作品で、ゴスペルをやってみたり、
ラテンをやってみたり、カントリーアンドウエスタンをやってみたり、もろブルース色の強い作品をやったりした。その中で、真に己の
表現技法をみつめなおしたんだろう。ここでは特にシンプルで痛快。また痛快なのはオルガンのラリー・ヤングもね。刺激的だ。
彼はやたらジミー・スミスのファンキーさと比べられて、モーダルな演奏が特色みたいに言われるが、それはあまりに表面的だ。まあ
演奏者の絶対数の問題でもあるけど。基本的に同じタイプだと思う。刺激的なプレイでオルガンの可能性を広げた。
あとはテナーサックスのハロルド・ヴィックか。彼はあまりジャズ畑で活動した人ではない。泥臭い独特の音色。またフルートの音色も
実にしみったれてる。でも情感豊かなところが魅力。そんなこんなで痛快で気軽に聴ける好盤。
次ドナルド・バード。こちらはメンバー豪華だね。書ききれない。全曲女性コーラス隊が入る不思議な一枚。リラックスしてとろける。
体は弛緩して、脳はドナルド・バードのファンキートランペットで活き活き。ピアノはハンコック。自身の代表曲をムードたっぷりに。
またどちらの作品でも、キャンディド・キャメロが所々でコンガを叩いてる。いい味だしてるよ。
さて興味ある方は是非どうぞ!グラント・グリーンを好きになってみて。ドナルド・バードを好きになってみて。