フィラデルフィアを中心に活躍するGibbons兄弟とフルート奏者でもあるIsobel嬢を中心としたガレージ・サイケデリック・シューゲイザーバンド。ダウナー系シューゲイザー、あるいはバットトリップしたマイブラといってもいいかもしれない。
このアルバムではゲイザーフォロワー感が色濃く感じられるが、音楽的要素は同じでも、志向性は異った物を持っている。マイブラなどとは明確に違うのはこの人たちの音はひたすら「重い」こと。Gibbons兄弟の轟音ツインギターノイズと Isobel のけだるいボーカル&重厚なエフェクトをかけまくったフルートが、まるで濁った池をかき混ぜるように、強い酩酊感を伴う濁流となってゆっくり押し寄せます。ひどい二日酔いの日にさらに酒を食らうような、ぐったりしてるんだけど気持ちいい、みたいな。どっしりとしたヘドロのようなものに押し流されるような。でも聞いてるうちに、「ゆっくりと沈んでいく感じ」が間違いなくクセになります。
ちなみにアルバムタイトルのBUFO ALVARIUSとは強い幻覚誘発性の分泌物を持つヒキガエルの名ということです。またこのcdは94年のデビューLPに一曲追加した再発盤らしく、追加された曲「AMEN」は30分近い長大なひたすらダウナー系アンビエントアンドノイズが延々と30分近く続く長大な曲で、これをまともに聴ききれる人はかなりの強者か、あるいは早めに病院に行ったほうがいいかのどちらかでしょう。