1997年。CocktailsとSea And Cakeでギターを弾くArcher Prewittの最初のsoloアルバム。しかしArcher PrewittをはじめとするKansas City Art Institute人脈は20年を経てSOMA人脈につながっていくところがスゴい。
基本的にはおだやかなギターのストロークと出過ぎないソロ、シンプルなドラムと出過ぎないベース、やはり朴訥なヴォーカル。時々オルガン。派手さはなくて、控えめなメロディーが綴る簡素な世界がひたすら描かれている。でもそこはサスが、Kansas City Art Institute。構築された音の世界観に圧倒される。
冒頭のLeave it goneはおだやかなBPM。途中、不安感あふれる7thがジョージっぽいなぁと思ったらその部分がサビだった。ある種の諦観というような世界をいきなり冒頭から披露するところはこの人の意気込みか。冒頭にどんなトラックを配置するかはとても重要。ミニマルなギターのコードカッティングが気持ちいいGoood man。Rush Hourはオルガンが刻む16分音符が微妙にファンキィで、出過ぎない作りの象徴。You Walk Byはトランペットとオルガン、Hal Blaine 風ドラムがBrian的なインスト。In the Sunタイトル曲は自然体で静かに掻き鳴らされるギター、lo-fiテイストを織り交ぜながら、しっかりした2声のハモりでサビを聴かせる構成力ある力作。この曲スゴいなぁ。