1978年の作品。スタンリー・クラーク=多芸多才を如実に感じれる秀作だと思う。
何しろ曲のバラエティの豊かさが凄い。1曲、1曲は3分〜4分しかなく、どこまでもスムースな
流れだが、オープニング、クロージングの工夫、男性ヴォーカル、女性ヴォーカルを
フィーチャーしたバランスのよい楽曲群、3曲それぞれに意味を持つInterlude:と、、、
彼のセンス、とりわけ主体性のなさを逆手にとった創り方、プロデュース方法が素晴らしい。
[4]の「Slow Dance」なんか好きだなぁ〜。スローダンス〜チャン、チャンって感じで
コール&レスポンスのシンプルなナンバーだが、1回、1回に創意工夫が感じられて飽きない
んだなぁ。ジミー・ペイジのリフが飽きないようなそんな魅力(笑)。
タイトルトラックの「Modern Man」なんかは万人受けするキャッチーさだろう。カラフルな
内容の中でもとりわけ目立つね。
とにかく疾走しまくるギターと、カッティングしまくりのギターがフィーチャーされまくって
る[11]の「Rock 'N' Roll Jelly」なんかも面白いし、すこぶるノレる。
あとInterlude、いわゆる曲の合間の間奏曲だが、8番の「It's What She Didn't Say」なんか
はアコースティックなベースラインに、哀愁あふれるドラマチックなヴァイオリンが何とも
不思議に合うなぁ。
と、、、以上なんとも主体性のないレビューになってしまったが(笑)、それだけ音楽性が
豊かなんだよな。彼独自の超絶プレイを楽しむというよりは、そのプロデュースセンスを
存分に堪能できる一枚。A面、B面それぞれに起承転結があって実に聞き易い。ジャズファン、
フュージョンファンも納得だが、まったく縁のない人に聞かせても気に入るぐらいだと思う。