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CSNYがどんなグループであったか、それは「デジャヴ」ではわかりません。この4人はグループと言うよりセッションで、そもそもこの4人だけでは（リズム・セクションがいないので）バンドになりません。CSNのファースト作で追究されたのがコーラスでしたが、このライブではそれぞれ各人がどんな個性を持っているのか、前半のアコースティック・セットであらわになります。グレアム・ナッシュはイギリスの人気バンドで成しえなかった開放的な曲を歌いますし、デイビッド・クロスビーはバーズで出せなかったスピリチュアルな自分をさらけ出します。違うのがスティブン・スティルスで、会場を乗せるため11.Love The One You're With で速い曲をやり、14.Black Queen でルーツに立ち戻って見せます。「華」と「芸」を提示してみせるのです。
おそらく前半部分でナッシュとクロスビーはいっぱいいっぱい。18.Southern Man 以降になると二人がどこにいるのかわからないぐらい。しかもこの曲がすごいです。左でスティルスが技巧を聴かせるなら、右でニール・ヤングが魂で対抗する。徐々にヤングのギターに耳が奪われていきます。クロスビー、ナッシュがスティルスの音楽素養にあてられているところを、ヤングだけは力技でひっくり返していくのです。そして終わりに20.Carry On です。スティルスがなんでこんな明るい曲を書いたのだろうと思っていましたけれどわかりましたよ。ライブでクロスビー、ナッシュが参加できるように書いたんです。スティルスがCSNYを形にしたようなものだと考えていますが、CSNYを壊したのもおそらくスティルスです。
ライブを聴いていてこれだけメンバーの関係が想像できる盤ってないのではないですか。彼らはけっしてお互い仲良しというわけではなかった。でも一時期彼らのソロは注目の的でしたし、その評価をつくったのは「デジャヴ」とこのライブです。ニール・ヤングのユーザーとしても、彼の他流試合記録として大事にしたいです。
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