ジャケットにはいまいち判然としない二匹の犬が描かれていますが、曲自体も深い霧で覆われたような、儚なげな音です。ボーカルに徹していたALISONが曲の半分を書くようになり、それが前作とは違う深みをもたらしたのだと思います。VINCEの曲はここでは若干地味な印象です。結果としてALISONの曲の方が目立つ構成で、作曲に関しても非凡なことを証明しています。前作がVINCEのアルバムなら本作はALISONのアルバムということがいえるでしょうね。エレポップでありながら非常に落ち着いたトーンで構成されており、ポップスターになる願望がなかったという彼女の発言を裏付けるような内容です。
尚、英盤と米盤では収録曲に差異があり、前者には珍しくVINCEがボーカルをとる“HAPPY PEOPLE”を、後者にはシングル“NOBODY’S DIARY”のB面にも収録されていたダンスナンバー“STATE FARM”が収録されています。