前作より約3年半のブランクを経て発表された6th作。
一回目の解散からの再結成~復帰作でもあります。
音楽的にも、これはリスタート作である、ということを強く意識して制作されたと思しき部分が随所に感じられる、文字通りの「新生ロキシー」のアルバムになったと思います。
アルバムは先ず冒頭から、非常にダーク&ヘヴィな様相を呈する異色ナンバーであるタイトル・トラックから始まります。これはかつての彼らには無かったパターンのイントロダクションであり、初聴時にはやや度肝を抜かれることになります。
しかしながら、その後は極めてポップ&キャッチーな展開が用意されていて、1曲目とのギャップは相当にあると言っていいのではないでしょうか。
特に強烈な印象を残すのが「Trash」「Angel Eyes」であり、この2曲はダンサブルなニューウェイヴ路線の楽曲となっていて、ズバリ本作を代表するキラーチューンだと思います。
特に「Angel Eyes」の方はダンスミックスの長尺ヴァージョンもリリースされ大ヒットを記録しました。
しかしながら、個人的にはアナログB面に当たるM6~10の流れが大好きなのです。
これは、本作から数えて次々作にあたる名盤『Avalon』を先取りしたような内容になっていて、ソウル/R&Bの要素を大々的に取り入れた超ムーディな佳曲がズラリ揃っています。
この辺りというのは、明らかに彼らにとっての実験でありチャレンジだったのであり、当時隆盛を極めていたAORムーヴメントへの彼らなりの回答であったのだろうと思っています。
そして、そうした彼らの試みというのが、後続のアーティストたちを大いにインスパイアしたであろうことに間違いはないとも思います。
そういう意味では、本作で打ち出した彼らの方向性というのは、所謂UKポスト・パンクというジャンルの勃興について、一定の先鞭を付けたと言ってもよかったのではないでしょうか。
とにかく、個人的には彼らのアルバム中最も気に入っている作品なのです。
ソフト&マイルド、アーバン&ソフィスティケイテッド、しかしながらその反面シャープ&ソリッドな面をも内包した、魅惑の楽曲たちで埋め尽くされています。
世間的な評価がイマイチ低くなっているようなのでそこは残念なのですが、もっともっと再評価されていい名盤だと思います。
Manifesto
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, インポート, 1989/10/20
"もう一度試してください。" | インポート |
—
| — | ¥400 |
CD, 限定版, インポート, 2008/6/24
"もう一度試してください。" | 限定版, インポート |
—
| — | ¥1,200 |
CD, 限定版, 2001/9/7
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥1,580 |
CD, 限定版, オリジナルレコーディングのリマスター, 1999/10/1
"もう一度試してください。" | オリジナルレコーディングのリマスター, 限定版 |
—
| — | ¥1,800 |
CD, 2007/9/26
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥2,240 |
CD, 1979/1/1
"もう一度試してください。" | [CD, 1979/1/1] |
—
| — | ¥2,462 |
CD, インポート, 2000/1/1
"もう一度試してください。" | インポート |
—
| — | — |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
曲目リスト
1 | Manifesto |
2 | Trash |
3 | Angel Eyes |
4 | Still Falls The Rain |
5 | Stronger Through The Years |
6 | Ain't That So |
7 | My Little Girl |
8 | Dance Away |
9 | Cry, Cry, Cry |
10 | Spin Me Round |
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 製品サイズ : 13.97 x 12.55 x 1.14 cm; 113.4 g
- メーカー : Warner Bros / Wea
- EAN : 0075992604628
- 製造元リファレンス : AManPro-0024049
- レーベル : Warner Bros / Wea
- ASIN : B000002LJP
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 493,170位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 38,117位ポップス (ミュージック)
- - 105,642位ロック (ミュージック)
- - 151,238位輸入盤
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年6月12日に日本でレビュー済み
2007年6月29日に日本でレビュー済み
79年発表の7作目。75年に一時解散、このアルバムは再結成の第一弾となった。再結成以前にあったおどろおどろしさは無くなり、洗練された後のアヴァロンの雰囲気すら漂わせる傑作アルバムになった。ニュー・ウェイヴ然としたそのサウンドはまさにモダンそのもので、いわゆるロキシー・ミュージックのイメージを一番感じる作品だと思う。かと思えば2.のような初期を彷佛とさせる曲もあったりするのがこの時期らしい特徴か?既にイーノやエディ・ジョブソンというビジュアル的にも実力的にも優れたアーティストがいないため、突出した部分がなくなってより滑らかな印象も受ける。このアルバムを聞くとロキシーに彼らは必要なかったと彼らの大ファンである私には感じるのだけどどうだろうか?新メンバーとしてポール・キャラックやヴァイブレーターズのゲイリー・デイヴスらが参加。全然目立っていないようだが、このフレッシュな音の前には彼らの貢献度がかなり高いと思わざるを得ない。3.と8.はロキシーの代表曲。時代を超えた名盤。
2008年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フェリー、マンザネラ、マッケイ、トンプソンのオリジナル・メンバー4人にゲスト・ミュージシャン3人だけで完成させ、ロキシー・ミュージックの活動再開・第2期の冒頭を飾った79年の作品。第1期の計算された俗っぽさ・あざとさは影をひそめ、真っ向勝負の力作だ。上記4人の結束の強さを確かめるような力強い曲が多い。特にマンザネラのギターが活躍する。LP時代のA面がEAST SIDE、B面がWEST SIDEと名づけられ、EAST SIDEに重厚なギターが大きくフィーチャーされた曲が多い。しかしながら、第2期の代表作といえば次作「フレッシュ・アンド・ブラッド」以降ということになる。WEST SIDEに多いポップな曲、EAST SIDEなら「スティル・フォールズ・ザ・レイン」が第2期の魁となったと言えるだろう。それらの大人のロックの路線を拡大し、ボブ・クリアマウンテン・ミックスでサウンド処理の洗練度を高めることによって、第2期の頂点へとロキシーは駆け上がっていくのである。本作はボブ・クリアマウンテン・ミックスではない。しかし、「ダンス・アウェイ」等、次作以降にあった方がすわりがよいのではないかと思われる、AOR的な曲も多い。実際、後年のロキシーのライヴで本作から選ばれるのは専ら「ダンス・アウェイ」となる。
このように、荒々しい面とAOR的な面が対等に共存する独特の色香は本作オンリーのものだ。後年のライヴで採り上げられる曲が少ないのが惜しいが、DVD「オン・ザ・ロード・ライヴ 1979」では「マニフェスト」、「スティル・フォールズ・ザ・レイン」、「エイント・ザット・ソー」の貴重なライヴが収録されており、そちらもお薦めだ。
このように、荒々しい面とAOR的な面が対等に共存する独特の色香は本作オンリーのものだ。後年のライヴで採り上げられる曲が少ないのが惜しいが、DVD「オン・ザ・ロード・ライヴ 1979」では「マニフェスト」、「スティル・フォールズ・ザ・レイン」、「エイント・ザット・ソー」の貴重なライヴが収録されており、そちらもお薦めだ。
2003年2月14日に日本でレビュー済み
1971年結成。途中解散したりしてみたが再結成をして最近日本に来た。世のじじーばばーたちを狂喜させて帰った模様。このバンドはほんとに魅力的だった。楽器ができないブライアンイーノ=エレクトロニクス。譜面が読めないフィルマンザネラ=本能のままに弾くやつ。ナルシストぶりだしまくりのヴォーカル=ブライアンフェリー=独自のダンディズムを持つ人物。と強烈な個性がつなをひっぱりあっていたバンド。ちょびっと退廃的で、ちょびっとアンドロイドな感覚、ちょびっと妖しい感覚、ちょびっとのキャバレー感覚などが混然となっていた。このアルバムは元エースのポールキャラック/元ココモのベース=アランスペナーを迎えて録音された。このアルバムからは『ディスコ』を意識したナンバー㡊??!ダンスアウェイ』があり、かなりのヒットになっている。奇妙なニューウエイヴ感覚を残しつつ、絶妙なリズム&ブルーズに対する目配りがまざりあわさったアルバムである。まさに傑作。アランスペナーの起用がかなり『ファンク度』をあげている。ここがこのアルバムの面白いところである。黒人音楽趣味ですね、フェリーは。7)(8)などはもはやバンドが『フェリーの独裁体制に』なりつつあるのを感じさせる。これがまた奇妙な白人ファンクなんでおもしろいですね。そこがいいんすよね、
2003年2月17日に日本でレビュー済み
マニフェストは前作「サイレン」以後続いた休止状態からの復帰第一作。「ロキシー・ミュージックにブライアン・フェリーあり」の構図が色濃く出たアルバムで、ロキシーの作品中、初期を除けば最もアクが強いと言えるかもしれない。とはいえ、収録曲において、重めの#1マニフェスト、#5ストロンガー・スルー・ザ・イヤーズから、ポップでキャッチャーな#2トラッシュ、#3エンジェル・アイズ、#8ダンス・アウェイと幅広く取り揃えた構成が、ロキシーならではの疾走感を感じさせ、休止状態に気をもんでいたロキシー・ファンには堪えられない一枚となった。かくのごとき背景はあるものの、復活の「マニフェスト」(宣言)で始まり、#10スピン・ミー・アラウンドで静かに終わりを告げるこのアルバム構成には聞き手にさすがロキシーと思わさずにはおかないだろう。
他の国からのトップレビュー
glen hyde
5つ星のうち5.0
good sounds
2018年6月13日に英国でレビュー済みAmazonで購入
The classic sound, from the stylish roxy.
kerry pratten
5つ星のうち5.0
Five Stars
2016年11月22日に英国でレビュー済みAmazonで購入
As expected