ナッズの音は以前から知っていましたが、「ナッズ・アー・ブルー」からバンド名がとられていることは知りませんでした。トッドは、このファースト作では「ギタリスト」で、確かにジェフ・ベックから影響を受けているようです。70年代のわが国の洋楽雑誌たるやいい加減で、記事がないものだから、ロック界顔の長い人ランキングなんて下世話な記事を見た記憶があります。トップ2は、ロジャー・ウォーターズとわがトッド君でした。ナッズで彼がリード・ボーカルをやらせてもらえなかったのは、間違いなくこの理由です。
ブリティッシュ・ビートに西海岸コーラスが基本線です。トッド君のギターには早くもサイケな香りもします。どなたも指摘するとおりボーカルのストゥーキーには華がなく、コーラスでなんとか聞かせています。ギターの魅力を別にすれば、トム・ムーニーのリンゴ・スター・ライクなドラミングが救い、という演奏です。
でも曲がよろしい。本当に本当によろしい。4. Hello It's Me と1. Open My Eyes なんて、トッド・ラングレン以外の誰が書けるのかという名曲です。