Bostonの北の方で1968年に生まれたバンド。Fleetwood Recording Studioでレコーディングされたこのアルバムには概ねその頃の空気、psychedeliaとfolkが入り混じって効果的なコーラスが添えられている(だから好きなんだけど)。彼らはこのアルバムを出してすぐに解散してしまったらしいけれど、詳しくは知らない。
冒頭のFeelin' Much Betterは中間部のコーラスの重なり合いがスゴい。調子のいいときのYesの複雑なブレイクを少し予感させるような雰囲気。これを1968年にBostonでやってしまったのはスゴい。続くMightnight Hourは比較的シンプルなI⇒IVがゆったり続く作りがポップなR&Bのよう。ただしコーラスやギターの浮遊感はきちっと作りこまれている点が少し違う。そしてそれが魅力。I'm so happyはポールライクなシャッフルとランニングベースがとても楽しげな前半と、リズムチェンジして8ビートでシリアスなpsychedeliaの中間部、再び陽気なシャッフルに戻る作りがたまらなく好き。ラストのSatoriという曲はあらゆるトラックの逆回転を多様する。その中で刻まれるシタールとギター。とても意欲的な実験作。White Albumとのシンクロニシティを随所に感じるアルバム。