次回作「MOON PIX」ほどの構成力は感じないが、
過去の作風からの転換期的な作品で、変化の予兆が感じられる作品。
中でも、割とメロディアスなチューンの「Taking People」は、
ちょっと心に迫る曲。「完璧な人生」をモチーフに、完璧ではない
「あなた」への愛着を歌う、意地悪な優しい歌です。
全面に漂う、砂漠のようにドライで混沌とした雰囲気は、
CAT POWERが「COMMUNITY=社会というもの」に抱いてる心象か。
きっと彼女は、安易に走りやすい大衆的な考え方に、
ちょっと嫌悪感を抱いてるのかもしれない。
メランコリックな味わいのある作品です。