1995年3月29日にパリのHot Brass Clubでライブレコーディングされたアルバム。90年代のSteve Colemanのアルバムは何枚か聴いたが、切れ味の鋭さは、このライブアルバムが抜きん出ている。
Gene Lakeの重たいドラムにReggie Washingtonのチョッパーベースが冴え渡る。打楽器のように打ち付けるAndi Milneのピアノをバックに、Steve ColemanのアルトとDavid Murreyのテナーが淡々と吹き抜けていく。特に4曲目の'Round Midnightは、Steve Colemanの男気を感じさせる骨太な演奏だ。
正統派のJazzファンには7曲目のラップつきの演奏はイロモノに聴こえるだろう。Fusionファンには彼らの演奏がジャズっぽすぎるだろうし、Smooth Jazzファンには全くスムーズでないこの演奏はウケないだろう。そんなとらえどころのないアルバムだが、当時Acid Jazzファンだった私にはガツンとくるものがあった。
Def Trance Beat: Modalities
で初めてSteve Colemanを聴いて以来、彼のアルバムをいろいろ聴いたが、もし初めて彼のアルバムを聴くなら、このCDをお薦めしたい。