LP原題は『来るべきもの(ロ・ケ・ベンベラ)』(レーベル:テレフケン)、1957年ウルグアイ・モンテビデオにて録音されたもの。パリにおけるブーランジェのレッスンを終えてアルゼンチンに帰国。未踏の革新を目指す八重奏団、完成を目指す弦楽オーケストラ。二つで自分の音楽を生み出す実験していた。
パリの経験を踏まえ、ピアソラによる完成されたタンゴを最高の形で残そうと結成された弦楽オーケストラ。ピアソラによる新しいアレンジ、当代きっての優秀なソリストが集められた重要な録音。
全編に響く名手のソロが素晴らしい!
ヴァイオリンはピアソラが敬愛していた名手バルダーロ、ピアソラから歴代最高の評価を受けているピアニスト・ゴーシス。生涯の親友となるチェロのホセ・ブラガート。妥協を許さないピアソラによる最高のオーケストラだ。
なお、"Bando""Contrastes"はピアソラ楽団とは関係ない演奏とのことです。
"Adios Nonino"はバルダーロ、ゴシス、キチョ、ロペスによるキンテート唯一の1961年スタジオ録音。録音状態も良く、甘美で流麗なバリダーロのヴァイオリンの音色が素晴らしい。数あるアディオス・ノニーノの録音の中でも指折りの名演である。そして50代のバリダーロは引退しアグリに交代するのである。
ぜひとも耳にして欲しい一枚である。