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ベルリンのノイズ・インダストリアル〜ニューウェーブの雄アインシュツルツェンデ・ノイバウテンの、80〜83年の間に録音された曲を集めた初期音源集。邦題は「構造に対する戦略」。ミュート・レコードから。
彼らの代名詞でもある鉄板や廃材を使ったメタル・パーカッションとブリクサの歪んだ呪術的咆哮はもちろん、電気ドリルやチェーンソーの音なんかはさすがの凶悪さ。
ノイズとはいえ音数は少なくシンプルで、リズムの反復具合はNEU!やCANにも通じるジャーマンらしさが滲み出ている。エネルギーは存分に出ているがきちんと整理されている感じ。音自体の鋭さはあまりないものの、肉体的な快楽感と無機質な金属音のバランスが素晴らしい。
ノイバウテンと聞くとどうも難解なノイズミュージックと思ってしまい敬遠しがちだが、ポストパンク勢やテクノを聞き慣れている人にはむしろ聴きやすいはず。Trobbing Gristleほど難しくなく、SPKほど暴力的でない。彼ららしい音源を聴くならば本作か、2ndアルバム「患者O.T.のスケッチ」あたりがお勧め。
