ビル・エヴァンスの抒情的なピアノの前奏からスタートする2曲目の「But Beautiful」が好きで、時折聴くアルバムです。
スタン・ゲッツもピアノに寄り添うようにムーディなテナーを聴かせてくれますので、このアルバムもこんな感じで全編を演奏してくれればという思いが尽きません。
エルビン・ジョーンズもこの曲ではサポートに徹していますので、心地よいジャズを堪能できるわけですが。
同様に5曲目の「Melinda」も上質のジャズとはという問いかけにピッタリな雰囲気の演奏が続きます。素敵なジャズを聴きたいという向きにお勧めできる演奏でしょう。
収録された1964年と言えば、ゲッツもエヴァンスも売れっ子ですし、どちらもリーダー・アルバムをしっかりと残していた頃ですから、この組み合わせが悪いはずはありません。
2人のビッグ・ネームだけでもアルバムが売れるはずなのに、ゲッツもエヴァンスの発売の許可をしなかったという曰く因縁が何なのかは興味があります。
「Grandfather's Waltz」も好きな曲です。いつまでもエヴァンスのピアノを聴いていたいと思うほどです。ジャズ・ワルツの心地よいリズムに、スタン・ゲッツも雰囲気を壊さずに寄り添っていますので、こんな2人の関係が上手く続けば、名盤の誉れを得たと思っています。