オーレン指揮 ジェノヴァ市立劇場管弦楽団 1989年のライブ。DVD発売されているアレーナ盤(1983)と主役3人、ディミトローヴァ、マルティヌッチ、ガスディアが共通する。
主役3人をはじめ、オケ、脇役陣とも水準以上の出来。ライブの熱気が伝わる。
指揮のオーレンは若干ためを作るきらいがあるが、豊かな叙情性と切り込みの深さをあわせもつダイナミックなもの。
ただ一点疑問がある。「誰も寝てはならぬ」の直後に音楽を一瞬止めるのだ。まるで、観客に拍手の間を与えるように。
通常のアリアであれば問題は無いが、このアリアは違う。ガラ等で独立して歌われる場合、この曲は主和音で終わるように編曲されているが、実際は主和音で終わらずに、転調して、早いパッセージのピン、パン、ポン(この国の大臣3人)の歌に怒涛のようになだれ込む。よって、音楽を止めてしまうと、このスリリングな展開が台無しになるのである。
よって星ひとつ減点。