「ウェイク・アップ・ブー!」のヒットで日本でも売れたブリットポップのコンピなんかには、結構入っている
ブー・ラドリーズですが、そもそもはシューゲイザーの一派からスタートしており、レーベルもラフトレード
〜クリエイションというギターポップ直系のバンドでした。
「ウェイク・アップ」のヒットの後も、バンドは2枚の素晴らしいアルバムを発表しますが、商業的成功は収められず、
そのまま解散してしまいます。その後、実質的リーダーだったマーティン・カーはブレイブ・キャプテンとして、
ボーカルのサイスはこのエッグマンとして再出発します。
とは言いつつ、実はエッグマンのほうは聴いていませんでした。本作は96年の1stですが、サイス自身が作詞作曲/
プロデュース/ミックスとほぼ全てやっており、音の構成の緻密さという点では、マーティンのそれに比べると、随分と
ラフなイメージなのですが、そこが逆にサイスの朴訥とした人柄を反映していて、とても誠実さを感じる作風となっています。
エッグマンという名義は、おそらく彼のツルッパゲ頭から来ているのでしょうが、そういう自虐的なセンスにもサイスの
人間の優しさを感じさせられますね。斬新さはないけれど、気持ちよく聴ける全10曲32分のソロアルバムです。