90年代に発表されたProg/Power系のアルバムの中ではトップクラスのクオリティを持った作品ではないかと思っています。
個人的には、同年に発表されたRhapsody「Legendary Tales」やHammerfall「Glory To The Brave」以上に好きな作品です。
エドワード・ホーヴィンガーが歌っていた前作までのアルバムは、初期クイーンズライチにパワーメタル要素をプラスしたような音楽性でしたが、
ボーカルがイアン・パリーに代わった今作は、イアン・パリーの力強い歌声を中心としたミドルテンポ中心の本格派プログレメタルに路線変更しています。
大きく向上したサウンド・プロダクション、要所要所に無理なく配置された変拍子、コンパクトにまとめられたギターソロなど、聴きどころはいろいろありますが、やはり耳を引くのはイアン・パリーの歌声です。
高校生の時にこのアルバムをよく聴いていた私としては、今でも3.Trustや5.Shadow Dancerでのイアン・パリーのパワプルな歌声を聴くと、思わず拳に力が入ってしまいます。
アルバム発表から20年経った2017年現在、再発などもされておらず、「昔のマイナーバンドが出したアルバムの一枚」として影の薄い作品になってしまった感はありますが、プログレメタルの好きの方であれば是非一度は聴いていただきたい一枚です。